隔離生活日記@モントットーネ⑤ 46日目?
日本のみなさまお元気でしょうか、イタリアもようやく新規確認感染者数の増加が減少傾向に入り、全国ロックダウンの解禁に向けて規制を少し緩めるフェーズ2開始の可否を問う議論が始まっています。もしかすると5月上旬には何か変化があるかもしれません。今週末には結論が出る模様です(上の写真はこの夏、ビーチでソーシャルディスタンスを保つアイデアだとか。これ絶対にお客さんがオーブン料理になっちゃうでしょう?)。
個人的には5月いっぱいロックダウンのままでいいから、とりあえず過疎の村のジョギングくらい許しておくんなせえ、お代官様、という気分ですが、やはり全国共通のルールで進める模様です。そちの不満はわかる。わかるが、まあ、やっぱ不公平はよくないぞ、そこな民、ということでしょう。
ちなみに僕らジョギング好きの気持ちを代弁した動画で大笑いしたのがこれ、フェイスブックじゃないと見られないかな? イタリア語ですが、映画『フォレスト・ガンプ』のあのシーンを覚えているひとならわかるでしょう。「イタリア人に家に居ろと言うと(どうなるか)」という題名。ロックダウンのせいでガンプはかえって「なんだかわからないけど無性に走りたくなった」ようです。わかります。わかりみが過ぎます。
さて、買い物の記事、放置にも飽きたので、さっくり終わらせたいと思います(ですますになっていますが、このほうが早いようなので)。いろいろすっとばして、村で唯一のスーパーにもう着いたことにしましょう。全国チェーンのCOALです。。。と思っていたんですが、なんだか中部イタリア+ロマーニャのみのチェーンのようです。なんだ君はイオンじゃなくてダイナミック・ダイ○マだったのか。渋すぎるだろ。。。
そろそろ日本でもこうなっているんじゃないかなと思いますが、スーパーに着くと、入口にはこんな風に張り紙があって、その下にジェルタイプの消毒剤、さらに下の木箱には使い捨ての手袋が入っています(この手袋は普段からセルフ方式の野菜売り場でも着用が義務づけられているものです)。
張り紙になんとあるかと言えば、およそこんな感じです。
お客様にご報告。
当店の商品はこれからもずっと品切れにはなりません。
スタッフ一同、みなさまのサービスと安全、衛生を保証するために全力を尽くしております。
お買い物の前とあいだは、
・あいだを区切って順番にお入りください
・安全距離を保ってください(1m)
・常に手袋とマスクをしてください
みんなで頑張れば、きっと大丈夫!
(もしもマスクがない場合は、とにかく何かで口元を覆ってください!)
そうそう、Twitterで有名なインフルエンサーの女性が、イタリアのスーパーではパスタが品切れになっているなんてつぶやいていましたが、うちの村では1度もそんな事態にはなっていません。一時的に大きな街でそういう現象があったかもしれませんが、最近そういう話は全く聞きません。
さて手袋をして、マスクをしたら、お店に入ります。すると、足元には1m強ごとにこんな風にテープが貼ってあって、ソーシャルディスタンスを簡単にキープできるようになっています。ちなみに今は2mが常識になっているのかな。そんな話をどこかで聞きました。
写真の彼女はミケーラさん、僕のご近所で、通称はミキちゃんです。お子さんはうちの次女と一緒に村の幼稚園に通っています。スーパーの三人の女性共同経営者のひとり。
Grazie per la collaborazione e per il vostro servizio, Michela!
いつもはとても笑顔が素敵なんですが、残念ながらマスクが。。。それでも、「日本のみんなに頑張っている姿を紹介するよ」と言ったら、目で一生懸命、笑ってくれました。
実際、うちの村には今やスーパーは一軒しかありませんし、彼女たちは大切なライフラインを守る英雄みたいな存在です。お年寄りには配達もしてくれます。感謝しかありません。だからへそ曲がりの僕も、お店の中でだけはマスクをします。何よりも万が一、自分が無症状の感染者であった場合、彼女たちにうつさないために。
買い物ルートの最後で待っているこの犬はダンテ(こう書いてみると、『その男ゾルバ』みたいですね。え、知らない?)。立派な名前ですが、いつも寂しそうな目をしているところが微妙にダンテっぽいかもしれません。「いつもビスケットくれるお宅の娘たち、もう40日以上見てないねえ、寂しいねえ、いつ終わるんだろうねえ」と言っているような気もします。
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さて、ようやく終わりました、買い物編。本当に狭い村なのに、案外と書いてみれば書くことがあるものですね。次は何を書こうか。。。
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いよいよ発売日が迫ってまいりました。4/24発刊予定の『コロナの日々の僕ら』はこちらのリンクからお買い求めいただけると、貧しい翻訳者の懐にエスプレッソコーヒーにして1/2〜1杯分相当のお小遣いが転がりこむようです(既に数名様からご注文をいただきました。本当にありがとうございます)。
同じパオロ・ジョルダーノの、やはり僕が訳しましたベストセラー小説『素数たちの孤独』はこちらです。この作品についてはまた何か書いてみようかな。イタリア語で読んで、文体に惹かれたのは初めての体験だったかも。
ここ3年ばかりはこちらの大作と取り組んできました。『ナポリの物語』4部作の第1巻『リラとわたし』です。第4巻『失われた女の子』は、2020年度日本翻訳大賞の最終選考に残っています。頑張れ。
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