【インド回想記②】忘れたくない瞬間
※日記を元にするので、残りの回想記は「だ・である調」になります
忘れたくない瞬間たち
道いっぱいに鳴るクラクションの響き。トゥクトゥクやオートリキシャのオッチャンは、もはや息を吸うように、会話をするようにクラクションを鳴らす。「そこのバイク、横通るぞ」「俺が入るんだ、早くどけ」「早く行け」などなど。
むわん、と鼻にくる匂い(懐かしくなる)。日本に帰ってきたら、渋谷は無臭だった。銀杏がぐしゃぐしゃ落ちている道を通ったときに、「あ、ひさしぶりに嗅覚が反応した」と思った。
2人が密着して乗っているバイク。MAX3人、家族同士だろうか、こんなに密着していたら、仲が深まりそうだと思った。
うっかりすると足をくじきそうな、所々穴の開いている道。歩くだけで一緒懸命になれた。
ぶつかりそうな程近いのに、絶対にぶつからない超絶巧みな技術を持つトゥクトゥクのオッチャン
道が空いていても、絶対に守られない車線
首を傾けて「YES」という人たち。慣れると、すごくキュートな(?)仕草に見えてくる
ジっと見てくる、街中の人たちの視線
すれ違う人たちは、差別、侮蔑、そんなものとは無縁の、純粋な好奇心に溢れた目で、ジッと私たちを見てきた。(私たちのような東アジアの肌の色の人は、都市によってはまだ珍しいようだった。ムンバイ、アウランガーバード、アグラでは注目を浴びたけれど、デリーでは注目を集めることはなかった)
売れてなさそうな小売店で、ひたすら座っている(ように見える)オッチャン
「not spicyだ」と言われたから注文したのにすんごく辛かったカレー。そして「Spicyだ」とひいひい言いながらみんなで食べていたら、「こいつら、これがスパイシーだってよ(笑)」みたいに笑ってきた、そんな町の食堂のニイチャンたち
エローラ石窟寺院で抱いた赤ちゃんの温み。そして赤ちゃんを抱かせてくれたお母さんの、興奮したニッコニコのカラッと明るい笑顔。(外国人が珍しかったらしく、「この子のお姉ちゃんだね!!」といって赤ちゃんを抱かせてきてくれたのだった)。そして、途中で泣き出してしまったその赤ちゃんの、いのちある重さと温かさ。
長距離移動のタクシーでJPOPをかけたとき、音楽にノッていたタクシーのオッチャンのかすかに動く指先
トゥクトゥクの中から見た、荷物を運ぶ台車を押す若い男の人の、焼けた肌と細い背中に盛り上がり光っていた背筋
夕陽の光の中で、肩にかけたショールで拭われた皺皺のおばあちゃんの肌の上の涙のしずく、その光。ガンジス川からの帰りにて。
ヴァラナシ(ガンジス川で有名な都市)の空港で見た、上半身裸だった、威厳のある男の人の迫力(宗教的に権威がある人に見えた)
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