ポジショントークについて

※呪術廻戦2期のネタバレが含まれます

呪術廻戦、面白すぎるだろ。

十中八九ハマるであろうことは分かっていながら、なかなか手を出せずにいた。そんなもんだからいざ見始めると案の定どハマりした。
日本独自の呪いに対する価値観、そしてそこから生み出される世界観がたまらない。
初っ端の両面宿儺のくだりからずるずると引き込まれた(発祥の地である岐阜県飛騨地方では、地域の英雄として崇められているから不思議な感じだ。)

そんなこんなで毎週ウキウキで放送中の2期を見ていたら、脳天をぶん殴られるようなシーンが飛び込んできた。

「ポジショントークで気持ち良くなってんじゃねーよ。オ゛ッエー」

これは自身が所属する術師の立場から、非術師の存在意義を語る夏油傑に対して五条悟が放った言葉であるが、はてさて自分自身にも投げかけられているような気がしてならなかった。

人は立場で仕事をする。とも言われるように、現代社会に生きる上でポジショントークを回避することはなかなか難しいと言える。
如何に客観性を持って物事を見ているつもりでも、一人の人間である以上そこには主観が存在する。
まあその主観がコロコロ変わってしまうのも問題点の一つであることは否めない。

ポジショントークの具体例として会社(業者)側と客(クレーマー)側の2者が挙げられる。
会社側で客に対して説明していたことに対して、自分が逆側になったとたんにその事に対して文句を言い出す、といった構図だ。

だが今回の呪術廻戦の例で言うと、この事例は成り立たない。
術師である夏油は非術師にはなり得ないからだ。
なれない者の立場を理解することは難しい。
加えて非術師はほとんど呪霊が見えないので、そもそもの前提として成り立たないのだ。

つまり今回の例での問題点は、立場によって変化する一貫性の無さではない。実際夏油は一貫して非術師を守ることの必要性を訴えていた。
五条悟が煽るように言い放ったのは、分かるはずのない非術師の立場をさも分かるかのごとく語った夏油に対して、あくまで術師中心の前提で語ることの傲慢性を感じたからではないだろうか。

ここまでをまとめると、ポジショントークの持つ問題点は以下2点。
・立場によって変化する一貫性の無さ
・異なる立場・価値観を勝手に理解した気にな
  り、己の主観で判断してしまうこと

1点目はいざ知らず、実際に問題となるのは2点目にある気がする。
前述した通り、結局は主観が入ってしまうため、本当の意味で客観視するのは非常に難しい。
他人のことを理解しきることなど到底出来ないのだ。
そういった意味では、我々がポジショントークから脱却するのは不可能かもしれない。

だが脱却が無理でも、少しでも相手に寄り添うことは可能だろう。
"理解する"のではなく"寄り添う"。
あくまで中心は相手という前提のもとであれば、気持ちに寄り添うことはできるし、お互いの価値観を認め合えるはずだ。

結局何が言いたいかがあやふやになってしまったが、今後の日常生活や仕事の中でも"寄り添う"という気持ちを忘れずにいきたいと思った次第だ。

この呪術廻戦のワンシーンを自戒として胸に刻みながら。

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