ささき

こんにちは。音楽が好きで、いくつになっても大体夢と現実の端境を生きている具合です。今ちょうど端境期なので、いままで感じたこと、思い出を(写真といっしょに)文章にしておきたいなあと思ってはじめました。

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こんにちは。音楽が好きで、いくつになっても大体夢と現実の端境を生きている具合です。今ちょうど端境期なので、いままで感じたこと、思い出を(写真といっしょに)文章にしておきたいなあと思ってはじめました。

最近の記事

ヴォーン=ウィリアムズの生まれた場所に行ってきた

もう数ヶ月が経ってしまいましたが、少々の休養も兼ねて、昨秋グロスターシャーに遊びに行ってきました。グロスターを拠点に、秋の景色を眺めてたくさん歩きたい、というのが主旨でしたが、本当に10月なのかと疑うほど暖かく、紅葉には残念ながら早すぎた。 かなりオープンエンドな旅でしたので、あ〜どこに行こうかな〜って着いてから考えてたら、あれ、ヴォーン=ウィリアムズはグロスターシャーの生まれじゃなかったっけ?と思い出しまして、その生誕の地に行ってみることにしました。 私はイギリスのクラシ

    • プラチナジュビリーはかっこいい音楽が聞けるぞ

      ねえプラチナ「ム」ジュビリーじゃないの? 6月です。イギリスのエリザベス女王在位70周年を記念したお祝いが始まっております。 私は外国人で、王室がどうとか植民地がどうとか、何にも言えないんですが、70年ものあいだ、国のため国民のためにその身を人生を捧げてこられたこと、ただただ敬服です。 イギリスにはかっこいい音楽がたくさんありますね。 6月4日の大コンサートも楽しみなんですが(ジュリー・アンドリュース様も出てこられるのだとか?)、6月3日のセントポール大聖堂での女王への感

      • ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』の灯台を見に行った話

        コーンウォールが好きです。御多分に洩れず。 たとえロンドンから電車で五時間かかろうが。お尻痛かろうが。痛むお尻をさすりながら結局道中の車窓も、もちろん滞在自体もも楽しんで、またお尻を痛めながらロンドンに帰るわけです。 いいえ、お尻の話がしたいんじゃないんです。 それで、セント・アイヴス湾の方に、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』のモデルになった灯台があるのだと知って数年後、今からは数年前になっちゃいますが、行ってみました。もちろん『灯台へ』読んでから。 ええ、一応読みはしました

        • 人生が伏線回収しかかってきている話

          西洋音楽、いわゆるクラシック音楽をやるにあたって、キリスト教は避けては通れない。だけどやっぱり、日本で生まれ育ったらあまり馴染みのないものであったりする。私自身、音楽の学校に行っていた頃、ミサ通常文がなんなのかよくわからんままに(先生ごめんなさい)、キリエグローリアクレドサンクトゥス…って呪文のように唱えて、テストに備えていたものだ。 私はクリスチャンではない。日本人の大多数がそうであるように、葬式仏教の家で育った。宗教関係なしにいろんな宗教由来のイベントごとを楽しむし、親

          呪いと共に生きる決意を新たにした夜の話

          「乗って!」 目の前に現れた水色の軽。運転席の友人に、半ば強制的に連れ去られた。私が出発する三日前。時刻は午後9時、BGMはシューマン。 車は夜道を走る。確信を持って、東から西へ。どこへ向かっているのか彼女は言わなかったけれど、私は随分初めの内にもうわかってしまった。私も何も言わなかった。二人で今日この時にその場所に行くことが、ごく当然のことに思えたから。そして私が気付いていることに、彼女も気付いていたはずだ。 道中話すことといえば、流れてくるシューマンとこれから向かう場所

          呪いと共に生きる決意を新たにした夜の話

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           水曜日の夜自宅に戻ると、また留守電のランプが点滅していた。 『―ハイ、久しぶりね。プレゼントは届いたかしら。受け取ったらなるべくすぐに連絡して欲しいの。ほら、最近色々と不安定でしょう、郵便局がストライキを起こしたり、小包を盗まれたり、全く信用ならないわ。直接渡せればいいんだけど、そういう訳にもいかないし。それじゃあね』  そもそもの始まりは五日前の留守番電話だった。 『―ハイ、久しぶりね。今日小包を送ったわ。ちょっとしたプレゼントよ。きっと気に入ってくれると思うの。すぐに

          『思い出のマーニー』の海辺に行った話

          数年前『思い出のマーニー』の舞台になったバーナムオーバリーステイスに行きました。 でもそれは当初の目的ではなく。カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』に「ノーフォークはイギリスのロストコーナー」とあったので、私も何か見つけられるかな、なんてちょっと考えながら、就職を控えての一人卒業旅行、ぼんやりした旅でした。ルースのオリジナルを探しに行くクローマーの街を見てみたかったので、その時はとりあえず起点になるノリッチに滞在していました。 映画の『わたしを離さないで』でのロケ地はク

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