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アナログ作画とデジタル作画


アナログでもデジタルでも本来は単純に絵を描くための手段であり、どこに価値があるかは観る人と描き手が決めることである。

私自身はアナログもデジタルもどちらも使っていて、どちらにも短所と長所があると思っている。

 とはいえ、もうアナログなんて不経済だから、全てやめてデジタル一本で描くつもりだった。
 古くなってゆくインクやホワイト、ちょういい画材、生産終了するペン先に怯えなくていい。
道具も買い換える必要もなく、すぐに取り消せる、レイヤー分けができ、拡大縮小ができ、定規も自由自在である。誰かに覗き込まれてもボタンひとつで見えなくできる。

 こうしてデジタルの秀でた点を挙げる程、デジタルだけでいい気がしてくる。どう考えたって道具として便利だ。
それでも私はアナログでも描いている。とはいえ、絵は生で描いたアナログのものでなければならないとは全く思っていない。

 大体、今、世に出るものはアナログで描こうと原画でない限り、人の目に触れる際は印刷にしろ液晶で見るにしろ何かしらのデジタル処理が行われている。
 
 私は結局、アナログのよさもデジタルのよさも捨てられずにアナログで描いたものをデジタルで手を加え、一旦プリントしてアナログで手を加えたりする。何か物を作るにはデジタルの方がずいぶん便利だ。

 結局、一番不経済で時間のかかる方法で絵を描いている気がするが、気が済まないのだから仕方がない。
自分がこれはあんまり素敵でないと感じてしまうものは不思議と他の人から見ても大した物ではないのである。