大腿骨内顆特発性骨壊死と診断を受けた方の 筋膜調整 症例レポート
痛みと筋膜のジーハンズ テクニカルチーフのKAZU(@kazu1010120)です。
膝痛Part初回として膝痛の中でも比較的経験の少ない症例の筋膜調整レポートを報告したいと思います。
診断名だけで痛みを諦めちゃダメ!!
筋膜調整の可能性は無限だと再認識したケースでした。
4つの筋膜調整ポイントまで紹介しますのでぜひ一読ください!!
この記事は
【こんなセラピストにおすすめ!】
・膝痛の方をよく担当される方
・筋膜調整を学び始めた方
・筋膜調整をすでに行っているが上記疾患を経験した事ない方
大腿骨内顆特発性骨壊死とは
膝関節の大腿骨顆部に骨壊死を生じる疾患です。
原因は不明であり何らかの血流障害が関係しているとされています。
ステージ分類もされており
ステージ1.2では保存療法。3.4では外科的治療を行うことが多いとされています。
⬆骨壊死 MRI画像
原因や病態は明確には解明されていませんが、有効な治療を選択することで進行悪化や外科的治療を回避することも十分に期待できるとされています。
ケース紹介
40代半ば女性。
以前より膝痛で他の診断を受けておりリハビリも定期的に行われていた方。
新型コロナの影響で3ヶ月休止していた
運動(バドミントン)を再開した後に膝痛増強
MRI結果より左大腿骨内顆骨挫傷+左大腿骨内顆特発性骨壊死と診断を受ける。
Dr.より→まずは保存療法(現在はスポーツ禁止)。疼痛軽減なく日常生活への支障の程度により外科的手術(骨切り)の選択の予定
とまずは経過観察となりました。
問診時の既往歴
数年前〜両足関節の捻挫数回
両肩関節周囲炎、右母指腱鞘炎、変形性胸椎症
2016年→左内側半月板損傷、左変形性膝関節症、右変形性膝関節症の初期診断。
約5年前から始めたバドミントン練習後、痛みの出現が頻繁に起きる。
通常、特発性で原因不明とあるが
運動再開時の外傷→骨挫傷→骨壊死と仮説をたてることができます。
そのため今後経過によっては運動時の動きの癖の修正も必要かと考えられます。
筋膜調整介入
診断を受けて翌日介入
簡単な状態説明(整形外科的テストなど省きます)
✔関節周囲の腫脹
✔内側関節裂隙の圧痛
✔荷重時痛(NRS8)
✔顕著なロッキング歩行
正直のところ介入前は筋膜調整で疼痛軽減できるか、、
という気持ちもありましたが、、、
ここでジーハンズコンセプト!!!
骨壊死が起こっている構造的要因ではなく、
痛みの機能的要因を探しアプローチをすることで
筋膜調整介入後
✔関節周囲の腫脹 →残存
✔内側関節裂隙の圧痛 →軽減
✔荷重時痛(NRS8)→ NRS3程度
✔顕著なロッキング歩行 → 軽減(ダブルニーアクション+)
と明らかな変化が見られました。
筋膜調整ポイント
A 両側鼠径部内転筋付着部
B 下腿内側下部1/3脛骨後方
C 内果と前脛骨筋腱の間の溝
D 外果とアキレス腱の間の溝
アプローチポイントはAの両側含め全5ポイントです。
右下肢Aが一番リリースに時間を要しました。
膝周囲は炎症状態であったため初回での介入は避けました。
まとめ
上記結果より構造的要因として骨壊死は認めるものの、
機能的要因としての問題が疼痛を引き起こしていることが解釈できました。
診断名に惑わされず機能的要因を探していく必要を再認識した症例でした。
またその他アプローチとしては
骨壊死の病態、今後の経過予測を共有理解した上で徹底した生活指導、疼痛軽減時の動きの癖の確認(必要であれば運動指導)を行っていく予定です。
やはり、筋膜の可能性は無限だと再認識したケースでした。
紹介したポイントまた後日動画紹介を今後行っていく予定です。
以上ジーハンズKAZUでした!!!