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下部尿路について知っておきたいこと
ジーハンズSACHIです。よろしくお願いします。
今回は下部尿路障害と男女の構造上の違いについてお伝えします。
LUTDとかLUTSとか聞きなれない言葉が多い
と混乱する方もいると思いますがきちんと整理すると難しくもないです。
一緒に勉強していきましょう。
今回は
ウィメンズヘルスや骨盤底筋体操などを指導している
インストラクターの方やウィメンズヘルスを勉強している理学療法士、作業療法士、看護師
泌尿器の勉強をしている方
こんな方に読んでいただけたら嬉しいです。
またわかりにくい箇所がありましたらご連絡いただけたら幸いです。
下部尿路障害(LUTD)とは?
膀胱と尿道を合わせて下部尿路と言います。
下部尿路は排尿と畜尿の機能があります。
この機能は交感神経や副交感神経など
遠心性神経と求心性神経で制御されています。
この下部尿路に何らかの問題がある状態を下部尿路障害と言います。
下部尿路症状(LUTS)とは??
国際禁制学会により下部尿路症状(lower urinary tract symptoms : LUTS )
は3種類に大きく分けられています。
LUTS(ラッツ)は主要な症状として
・畜尿症状
・排尿症状
・排尿後症状
に分けられます。
下部尿路症状は各個人の主観によるものとされています。
ここでポイントは下部尿路障害(LUTD)が
あっても下部尿路症状(LUTS)があるとは限らないということです。
ためる、出す、出したあと
このどこかに障害があっても、必ず尿失禁や残尿感などの症状(LUTS)が
出るわけではないということです。
どんな症状で困っているの??
下部尿路症状で困っている方はどんな症状で困ってらっしゃるのでしょうか?
QOLへの影響のグラフがこちらです
女性の1位は夜間頻尿と腹圧性尿失禁
男性の1位は夜間頻尿
男女ともに夜間頻尿に困っていることがわかります。
男性の特徴
前立腺腫大による下部尿路閉塞が多くなっています。
これに加え過活動膀胱や残尿の増加に基づく頻尿などの
畜尿障害がおきます。
男性は前立腺や厚い外尿道括約筋によって尿禁制は保たれます。
(尿禁制:尿失禁がない状態)
そのため腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁も少ないのが特徴です。
女性の特徴
女性は尿道が4㎝で短いため排尿障害になることはあまりないですが
外尿道括約筋が薄いうえに、骨盤底筋が出産で障害されることがあるため
腹圧性尿失禁の頻度が多くなっています。
腹圧性尿失禁の男女差については
骨盤臓器の構造上の問題や出産を経験するかしないかによるものだと
考えられます。
尿道・膀胱の男女の違い
男性の尿道は15~20cmで横から見るとS字状に湾曲しているのが
わかります。
女性は尿道が2.5~4㎝で横から見ると直線的です。
そのため尿道からの上行感染による膀胱炎を起こしやすいとも
いわれています。
また括約筋についても男女差が明確に見てわかります。
男性の場合は、内尿道括約筋の範囲が広く、内尿道括約筋に
厚みがあります。
対して女性の場合は、内尿道括約筋の範囲が狭く、外尿道括約筋が薄くなっています。
構造の違いにより女性の方が尿失禁を起こしやすい構造、男性は出しにくい構造になっています。
(男性はの尿道の構造は排尿後滴下に関係しています)
泌尿器の構造上の違いがわかるとどうしてその症状が出ているのかが
理解できてきます。
今回は下部尿路障害と泌尿器の男女の違いについてご説明しました。
なかなかウィメンズ筋膜までたどり着きませんがしばらくお付き合いください。
ジーハンズ SACHIでした!