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机という概念。

 私の部屋には机が2つある。一つは無印良品のパイン材デスク。一つは百均で買った小さい折り畳み机だ。
 前の部屋には、折りたたみ机を一つ置いていた。快適ではあったのだが、椅子のない部屋では持ち帰った作業がちっとも進まなかった。あるいは、地べたに、パソコンやノートを地面に直置きか膝に置く方がなぜか作業が進み、机が全く活用されなかった。次の家ではデスクを置こうと誓った瞬間だった。
 そして、今回の部屋には無事、念願のデスクを置くことができた。このデスクを買ってからは、使わないともったいない精神の芽生えや本の重さが外での作業に適さないという物理的な理由などが複合して、机に向かう意識は恐らく前の家や実家よりは強くなっている。そんな訳で、決して大きくはないデスクだが、以前よりも家での作業が捗るようになった。私は基本的に作業をするなら家以外の場所がいいタイプで今後も変わることがないとは思うが、今のところ少しずつ作業や家での勉強ができはじめている。なにより、本が前の机よりしっかり置けるところが良い。油断すると本で作業するスペースが狭まるので、整理はしなくてはならないが。大きな問題としては、母のアドバイスを無視して、椅子を背もたれのない高めのスツールにしてしまい、意識しないと背中を痛めがちになっていることだ。良い点を挙げるならば、机での居眠りはかなり工夫しないとできないところだろうか。だがまあ、いずれ何とかしなくてはならないだろう。しかし、総合的に今の環境の方が落ち着くし効率も良い気がするので、次また引越すときも、このデスクは私とともにあるだろう。
 さて、冒頭にも書いたように、この部屋にはもう一つ机がある。百均の折り畳み式机である。前の家の机よりかなり小さく三分の一くらいの大きさしかない。使用例を見たところ、本来はピクニックや花見などのレジャーで使うものだと思われる。これは、引っ越ししたてでまともな家具がなく、段ボールも机代わりにできるほどなかった時期に買ったものである。引っ越してから今のデスクが届くまでの約一か月は前線で活躍してくれていた。だが、デスクが届いてからは、本棚に入りきらない本や小物をただ置くといったおおよそ台といった方が正しい使われ方をしていた。座椅子が側に置かれているから、辛うじて机と分かるといった有様だ。こう書いてみると哀れでならない。
 その机が今日、バランスを崩し、倒れた。幸いなことに壊れたわけではなく、足が商品名通り折り畳まれてしまっただけだった。これでは流石にいけないと、何となくブックスタンドを使い本を立て、小物を整理した。すると、物が多少窮屈そうだが、机の様相を呈していた。置いていた本も断然手に取りやすくなり、ちょっとした読書・ゲームスペースになった。
 私にとって机とは作業するためのものというより、本を置くことのできてかつ、側に他の事ができる空間なのかもしれない。        
 そんなことをデスクでも折り畳み机でもなく、本棚のそばの床にパソコンを置いてあぐらをかきながら思う。

10月2日のスクリーンタイム: 3時間13分

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