生理問題は男性の問題←自分は関係ないと思っている男性に読んで頂きたい。
月経ジェントル研究所 所長のきょうへいです。
突然ですが…
私が目指しているものは生理について、もっとオープンに話せる社会です。
この言葉を聞いて…
もし、あなたが男性なら、今こんな風に思いませんでしたか?
あ、はいはい、生理の話ね。そしたら女性の問題ですから自分には関係ないね。
もしくは、あなたが心優しい彼氏なら
女の人の生理つらそうだよね。かわいそう。出来ることなら彼女の生理代わってあげたいけど、無理だからね。(思考停止)
私も以前なら、そう考えていました。
この記事はそんなあなたに。男性にこそ読んで頂きたい。
確かに「生理」は女性の問題です。
ですが、「生理問題」は男性の問題です。
よくわかりませんでしたか?もう一度いいます。
「生理」は女性の問題でが
「生理問題」は男性の問題です。
…
私が何が言いたいか、少し考えてみて下さい。
詳しく解説します。
生理の「痛い」は体の内側(子宮)からもたらされる
まず生理は女性の体の中、主に子宮で起きます。
周期的に「子宮内膜」という子宮の内側にある組織が、はがれ落ちて出血とともに排出されます。
この時のはがれる音をイメージするなら
ベロン ではありません。
ベリベリベリ! です。
なぜなら、’’ある理由’’で、子宮内膜には毛細血管が張り巡らされているからです。詳しくは私の書いたこちらの記事をご覧ください。
生理の時「体の内側にできたカサブタをはがされる感じがする」
と言う女性もいます。
個人差はありますが、生理は多くの場合、痛みをともないます。
健康であれば、男性の体の中は、ひと月の間ずっと平和です。
しかし、女性はそうはいきません。
健康であっても、というか健康だからこそ、女性の体の中では毎月生理が起き、痛みや重みが体の内側からもたらされます。
生理の「しんどい」は外側(他者との関わり)からもたらされる
風邪でだるい時、それを理由に予定をキャンセルしますよね?
もしあなたが女性と付き合ったことがある男性なら、あなたは生理を理由にデートをキャンセルされたことがありますか?
というか生理の話をパートナーとした事がありますか?
昨年映画化された、今話題の漫画「ツキイチ生理ちゃん」という作品があります。
女性の生理にまつわる様々なストーリーをオムニバス形式で描いており、女性から、たくさんの共感の声が上がっています。
ちなみに作者は男性です。
映画「生理ちゃん」で、生理のしんどさについてこんなセリフがあります。
「本当に大変なのは、生理を理由にできないって事なんです。」
これは、生理が痛い時、それを理由に仕事を休んだり、部活を休んだり、彼氏とのデートをキャンセルしたりすると、責められたことがある、または責められそうだから休む事ができない女性の心の声です。
想像してみましょう。
朝起きて、生理になっていた。下腹部に重い痛みを感じる。
(男性なら、一度は睾丸に打撃をくらった事があるでしょう。あのどうしようもない痛みがずっとあると思ってください。)
仕事を休みたい。動けない。
・・・今日は、取引先へ、上司と一緒にプレゼンへ行く大事な日だ。
上司の顔、取引先の人の、困った顔、険しい顔、が浮かぶ。
鎮痛剤を飲む。楽な体勢をとる。吐き気がする。
甘えるな。みんな多少の風邪でも仕事に来てる。行くぞ。
生理の日。しんどい。だるい。眠い。
今日は部活休みたい。けどこないだ生理であの子が休んだ時、自分は
「おいおい、生理くらいで休むなよ。一人減ったら練習がきつくなるだろうが。」
って思ってたな。私も休んだら、みんなに思われるんだろうな。
はあ…、行くか。
今日は待ちわびた彼氏との旅行の日。
だいぶ前から計画してた。けど朝から生理になった。
いつもよりきつい。正直動きたくない。
けど彼氏も楽しみにしてたな。行かないって言ったら、怒るだろうな…
「はぁ?意味わからんし、お前が行きたいって言い出したんだろ!」
険しい彼氏の顔が浮かぶ。吐き気がこみ上げてくる。
はあ…
私の彼女は、生理痛が原因で、救急車で運ばれた事があります。
「子宮腺筋症」と言う、子宮の筋肉に、複数の腫瘍のようなものができる、女性特有の病気をもっているからです。
病気の原因は、おそらく、生理の時に無理をして、部活や仕事を続けて来た積み重ねだと、私は考えています。
女性は、多かれ少なかれ、生理の時、我慢を強いられています。
個人差のある生理痛を、みんな同じと思い込んでいる人や、無関心な男性たちの偏見、思い込み、無知が、呪縛となって、生理に我慢を強いているのです。
女性の「社会進出」という言葉がありますが、この言葉が意味するところは「すでにある社会」に、女性が進み出るという事です。
では、「すでにある社会」とは誰が作ったものなのか。
もちろんそれは男性です。男性が作ってきた社会の中へ、女性が進出してきています。もっと言えば、現行の学校制度も、ほとんど男性が考えたものです。
生理がない男性が、自分たちの普通を基準に考え、作ってきたルールや常識の中で女性は生きているといえます。
生理問題の原因は、多くが男性にあります。
だからこそ、解決に必要なのは男性の意識改革なのです。
男性は生理問題の原因にも解決者にもなる
ご理解いただけましたでしょうか。
女性の生理は個人的な問題です。
ですが生理問題、つまり、他者との関わりの様々な場面で我慢を強いられるという問題は、「社会問題」です。
個人だけでは解決できない課題がそこにはあり、その原因は男性であるケースが大半です。
我々男性ができる事。それは一人一人が意識を変えて、まずは正しい知識を身につける事です。
男性は、この問題の原因にも、解決者にもなり得る、という事です。
あ、はいはい、生理の話ね。そしたら女性の問題ですから自分には関係ないね。
女の人の生理つらそうだよね。かわいそう。出来ることなら彼女の生理代わってあげたいけど、無理だからね。(思考停止)
どうせなるのなら、冒頭で例えに出した上記のような、無関心や傍観者を決め込むのではなく、
主体的に問題を解決できる、月経ジェントルに、一緒になりましょう。
Be gentleman!
参考:映画「生理ちゃん」