「秋の乗り放題パス」で行く!中国地方乗りつぶしの旅 ~3日目前半戦
2023年10月に「秋の乗り放題パス」を使って中国地方の路線を乗り回した旅の記録。
最終日。メインイベントと言っても過言ではない、芸備線に突入です。
2023年10月16日(月)7:50 岡山駅
岡山駅で見られる列車ゆかりのでんこ勢揃いの図。
前日の記事でも書いた通り、岡山駅は中国地方屈指のターミナル駅で、バリエーション豊かな列車を見ることができ、その分、その列車を元ネタにしたでんこも多い。全部で7体いる。
…ん、7体?
…マジごめん。
今回の旅行記を書き始めるまで、N700S新幹線が通ることをうっかり失念してた。カメラアプリの仕様上7体まで同時に載せられるので、勢揃いできたのに…ホント申し訳ないことをした。
今日の行程
今日は「秋の乗り放題パス」利用の3日目。
まずは岡山から津山線で津山に向かい、昨日と同じように新見まで行く。新見から先は芸備線に入り、備後落合、三次を経て、今回の最終目的地、広島に到着する。
広島到着は18時過ぎ。広島からは新幹線で東京に帰り、東京到着は23時頃の予定だ。延べ15時間の乗車。最終日に相応しい苦行といえるw
津山線
早速津山線のホームへ向かう。
上り列車のドアが開くと、学生やサラリーマンなど、多くの客がぞろぞろと降りてくる。
あぁ、そうか、今日平日だったね…
遠くでこれから仕事を始めるであろう同僚たちに思いを致す。自分なしでもちゃんと仕事こなしてくれると良いが…信じよう。
入ってきた4両編成の車両は2両に切り離された。発車の20分近く前に乗ったので苦もなく乗車できたが、発車が近づくにつれ、岡山駅から通勤通学する乗客が乗り込んできて、車内は意外と混雑してきた。
8:22、津山行きの列車は予定通り出発。
津山線は途中まで岡山県を南北に流れる旭川に沿って走る。岡山駅を出て間もないうちは堤防で邪魔されて良くわからなかったが、山へ入っていくにつれ、次第に線路から川を見下ろせる形に。
3日目にしてようやくスカッとした快晴に恵まれた。車窓からの風景も朝特有のすがすがしさに満ちあふれている。晴れの国岡山はこうでなくては。
通勤通学の乗客も途中の駅で次々に降りていき、いよいよローカル線の趣が強くなってきた。
次の福渡駅の手前で旭川を渡る。ここで旭川とはお別れ。ここからは支流が作る谷間に沿って進んでいく。
大垪和西(おおはがにし)棚田、というのがあるらしい。
この美咲町や、南にある久米南町では、山がちな地形を活用した棚田が広がっており、日本の棚田百選に選ばれているものもあるとか。駅から近ければ見に行けそうなものだけど。。。
そんな美咲町を過ぎ、坂を下って、津山線終点の津山に到着。
今回も津山の滞在時間は短い。15分しかないので外に出る余裕もない。
再びの姫新線
平日なのでさすがに乗ってる人は多くなく、車両の撮影をしても悠々と席を確保することができた。昨日とは反対側の席に座る。
10:07、10名ほどの乗客を乗せて新見行きの列車は出発した。
列車はダイヤ通り久世駅に到着。ここで上り列車との待ち合わせ。
席に戻る。さて、そろそろ列車が来るかな…?と思ったが、来ない。2、3分なら遅れることはあるからなぁ…と思ったが、まったく来ない。首を伸ばして、まっすぐ伸びた線路から上り列車が来るのを今か今かと待つが、やっぱり来ない。
これは…なんかまずいことになったのでは…
しばらくして、運転士からあった説明によると、反対列車は10分ほど遅れているとのこと(特に理由の言及はなかった。
ここで運転士は新見から先に乗り換える人はいますか?と乗客に確認。意外と手を上げる人が少なかったが、ひとまず自分は乗り換え予定があるので手を上げる。
「何線ですか?」「…えーっと…」
路線名が出てこない。
この辺りの路線、旧国名を合わせた名称が多い。広島県(安芸、備後)と岡山県(備中)を結ぶ路線だから芸備線、とロジカルに導き出せるのだが、そもそもこちらの旧国名に慣れてないのもあり、全然出てこなかった。
「伯備線ですか?やくも?」「いや…えーと…新見からさらに西へ向かう…何でしたっけ…」「あぁ、芸備線ですね。芸備線は乗り換え時間あるから大丈夫だと思います。」「はい…すみません。」
何故か謝ってしまった。地理力のなさが理由か、それとも脳の劣化か…認めたくないものだな。
ようやく出発。と、次の中国勝山駅で作業員の人が乗り込んできた。
ここから先は平地+直線の姫新線から山地+曲線の姫新線に変わる。昨日通った時は制限25km/hの徐行を繰り返して、なかなか速度が出なかった…はずなのだが、今日は妙に速い。さすがに徐行はしっかり行っているが、制限解除後の速度が違う、気がする。
回復運転のために監視員的な役割の人を乗せたのか、それとも作業員は特に関係なく乗ってきたのか…。詳しい事情は分からないが、結果として、新見には普段のダイヤから5分ほどの遅れまで回復して到着した。
昼飯:新見のピオニーポーク
さて、回復運転を行ってくれたおかげで、新見からの芸備線の列車まで1時間ほどの乗り換え時間を確保できた。飯にしよう。
A級グルメを堪能したいところだが、昼飯に1時間で豪華な食事も難しそうなので、駅前にあるお店へ入る。
平日の昼飯時だったが、待たずにサクッと入れた。品数がめっちゃ多いメニューから、「ピオニーポーク丼」を注文。
10分ほどで到着。
食べた瞬間、肉の柔らかさに驚く。生姜焼きの味付けも食が進むいい塩梅で、美味い美味いと食べていたら、5分ほどであっという間に完食してしまっていた。大盛にすればよかったかな…
いや、良い店でした。また伯備線を乗りつぶしする時にでも来てみたいけど、あの豊富なメニュー、攻略しようと思ってもしきれないな…
芸備線① ~新見→備後落合
腹も満たされたところで、いよいよ芸備線に挑む。
はみ出るのも当然で、駅数44駅は西日本のローカル線では屈指の多さだ。これからそれを一気に駆け抜ける。
1日6本。うち3本が途中の東城駅止まりで、最初の乗換駅である備後落合駅には3本しか到達しない。これまた国内屈指の少なさではないか。
車内は高校生が多い。ちょうど試験期間中で、学校が早く終わったのだろう。それに合わせたように列車があるのは実にありがたい。
あとはどうやら自分と同じ乗り鉄の方々が多いようだ。自分はロングシートをなんとか確保できたが、後から乗って立ってる人も結構いる。さすが絶滅危惧状態の路線区間、盛況といえば盛況ではある。
13:02、備後落合行きの列車が出発。
早速トンネルをいくつかくぐり、備中神代駅で伯備線と別れる。伯備線は北へ、そして芸備線は神代川の谷に沿って南西方向へ向かう。
地元の高校生たちは駅の度に次々と降りていき、広島県に入って最初の駅である東城駅でとうとう全員が降りていった。そして車内には鉄の人たちだけが残った。
営業係数20,000の区間に挑む
ここから先が1日3本の区間。100円売り上げるのに20,000円以上かかるという、JR西日本の最赤字区間である。
東城駅からしばらくは順調に走っていたが、突如減速したかと思うと山へ突入する。まるで登山電車のように、切り立った斜面に沿って作られた1本だけの線路を登り始めた。
席の位置取りの関係で窓越しの写真しか撮れてないが、徐行して登る区間は右も左もガチの山中である。こんな斜面によく線路を通したもんだと驚く。それだけに管理コストもかなりかかるのではないだろうか。
最初の駅である備後八幡駅を過ぎ、次の内名駅に着いたところで、妙に周りの人たちが色めき立つ。その時は気に留めなかったのだが、内名駅、なんと秘境駅ランキングの19位に入っている駅だったのだ。
秘境駅たる所以は、集落は川の対岸にあり、駅の前には民家が1軒しかないという状態だからだが、自分はうっかりその雰囲気を感じ取れなかった。
だってその民家の人がたまたま畑仕事してたんだもん。
秘境駅の前に人がいる。そんなことある?w
なので内名駅は全く写真なし。実にもったいないことをした。。。
内名駅の次の小奴可駅は一転、集落が見られる。
次の道後山駅を過ぎると、ぐるっと山を北側に回るような線路の形となっている(その山が道後山という訳ではないようだ)。国道は南側を通っており、そちらの方が近いように思えるんだけど、何か理由があるんだろうか。
そして列車は終点の備後落合駅に到着した。
次回予告
と、ここで記事が長くなってしまったので、ここで一旦区切りとします。
後半は備後落合駅の様子、そして広島までの道のりを書く予定。