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【駅メモ攻略】なより・さとみ・なのかと行く♪房総半島の風光明媚トラベル 2日目

2024年9月から2025年3月に行われたイベント「なより・さとみ・なのかと行く♪房総半島の風光明媚トラベル」の攻略、その2日目の記録です。

今回も自転車での攻略です。「駅メモ」とは。


改めて作戦練り直し

養老渓谷へ向かう途中の道が「通行止め」となっており、思わぬところで攻略断念を余儀なくされた前回。改めて作戦を検討することにした。

トヨタが公開している「通れた道マップ」というのがある。車両の位置情報を収集し、直近で車が通れた場所を地図上にプロットするものだ。主に災害時など、交通網に大きな問題が発生した際の利用が想定されているが、普段でも利用することができる。その結果を見ると、通行止めの区間でも、一部は通行実績があることがわかった。

通行止めの黒線と通行実績の水色線が並行している。

ということは、どこか一時的に脇道に逸れて迂回する道がある、ということではないか?

これ…かな? (出典:地理院地図)
×が土砂崩れ現場、グレーが通行できないルート、赤が迂回ルート。

どうやら道はあるようだ。途中で白抜きではない一本線(幅1m以下)の道路になっているのは気になるが…まぁ自転車なら大丈夫だろう。ということで、今回は通行止め地点に突撃することに決定。

※なお、この通行止めは2024年12月下旬に解除されています。尽力してくださった皆様に感謝。

2024年12月22日(日)7:50 小湊鉄道 五井駅

「ふふ、おはようございます。」

今回は小湊鉄道~いすみ鉄道の全路線走破ではなく、途中まで小湊鉄道に乗っていくことにした。

乗って応援。

小湊鉄道で養老渓谷まで行けばいいじゃんというツッコミは禁止。

8:01、定刻通り発車。この列車は途中の上総牛久止まりということもあってか、乗客もまばら。荷物が大きいので気兼ねしなくていいのは助かる。

ザ・レトロ。
昭和56年「改造」。製造は1961年(昭和36年)だそうだ。まさにレジェンド級。
冬の日差しに照らされながら進む。

それにしても、小湊鉄道、けっこう上下の揺れが激しい。座席は柔らかいので安心だが、これからの自転車での長旅、腰に何らかの悪影響がないか心配にはなるw

30分ほどの乗車で、列車の終点、上総牛久駅に到着。

ホームに残って撮影する雰囲気ではなかったので、改札の外から。
牛だ。「牛久」にかけてるわけですね。
駅舎の外観はこんな感じ。右側はカフェになっているようだ。

自転車を組み立て、いざ出発!

里見駅ふたたび

前回の攻略で道を覚えていたためか、あるいは列車で途中までショートカットして体力温存できたのか、驚くほどスムーズに里見駅へ到着した。

前回も立ち寄ったが、BIGパネルを撮影できなかったために再訪となった。早速入場券を購入して中に入る。

入場券。硬券にダッチングマシン。レトロだねぇ。

よく見ると日付が間違っているのだが、まぁそこはご愛敬でw

駅名標とともに。

ところで、辺りをきょろきょろと見回してみるが、パネルが見つからない。駅員さんに聞いてみると、今日は風が強かったのでしまっていた、とのことで、奥から出してくれた。わざわざありがとうございます。

数週間越しの記念撮影。

北風に煽られ、構図を決めている最中も風でズズ…と動くので手早く撮影w

昨日も5,6回出したとのこと。前日の房総半島は雨だったと思うが、それでも来る熱心なファンがいるんだなぁ。

通行止めに挑む

里見駅を離れ、自転車を南へ走らせると、通行止めの看板と対面した。

この迂回の大変さは身をもって知っている。

今回は直進!迷わず行けよ、行けばわかるさ。

上総大久保駅周辺、通行止め地点に到達。

さっそく係のおっちゃんに呼び止められる。養老渓谷に向かいたい旨を伝えると、チバニアンの入口まで戻って横道を迂回すると上総中野方面に抜けるので、そこから行ってくれ、と。当初目論んでいた川の反対側から抜ける経路を聞いてみるが、知らない(or 勧められない?)ようだった。

うーん、郷に入っては郷に従え、だが、アドバイスは無視して当初のルートで行ってしまおうか…と考えていると、後ろから別のおっちゃんが来て「自転車だったらあっちのルート紹介してもいいんじゃない?」と。曰く、少し戻ったところに横に入る道があり、そこを通ると県が運営する牧場の中を通って反対側に出られるらしい。

つまりこういうことか。

想定のルートとは違ったが、現地の人お墨付きのルートであれば心強い。礼を述べ、そちらへ向かってみることにした。

ここだな。

「管理区域」の単語に腰が引けるが、自信持って行こう。

えーと…

登りですね…

距離1km、70m上昇。斜度7%のコンスタントな傾斜が続く。これは、そういう、トレーニング用の、施設か何か、なんすかね…と思いながらペダルをこぎ、やっとの思いで登頂。

来た道を振り返る。横には県の牧場が。牛のかほり。
正面は通行止め。右に回る。

右は下り坂。ここまでさんざん登ったんだ、あとはずっと下りだろう、と思ってたんだけど…

これは…なんですかね…

目の前にそびえる斜度10%級の上り坂。思わず目もくらむ。果敢に挑むも、またもや屈辱の途中下車。途中から自転車を引いて登りました。悔しい。

2回目の登頂を経て、やっと正真正銘の下り坂。勢いそのままに元の道へ戻ってきた。

なかなか歯ごたえのある坂でした(途中降りたけど)。対ありでした。

あとの道のりは順調そのもの。大きな道最高!

養老渓谷へ向かう、勝ち確の看板。

養老渓谷駅

思わぬヒルクライムを経て、念願の養老渓谷駅に到着。長かった…

時節柄、駅はクリスマスリースとライトアップでデコレーションされていた。しかし紅葉のシーズンは過ぎていたせいか、客もおらず、冷たい北風が周辺の木々を揺らすのみであった。寂寥感。

駅内。北風が通り抜ける。さむい。
まもなくトロッコ号が到着する時間帯だが…

×が打たれているとおり、今年のトロッコ号の運転は終了していたようだ。運転していたとしても、さすがにこの陽気じゃ寒くて観光どころではなかっただろう。

無念。時期が悪かった。それに尽きる。先週酒飲んで寝過ごさなければ…

駅前にサイクルラックもあるので、紅葉を見に来るには悪くない。また来年、見ごろのシーズンに再訪しよう、と決めて、駅を後にした。

途中で少し残った紅葉を愛でつつ。

名物「2階建てトンネル」

養老渓谷周辺には、紅葉以外にもう1つ名物があるので、そこへ向かう。

このトンネル。

何の変哲もないトンネルのように見えるが、中に入ってみると面白いことがわかる。

出口が縦に2つ!?

この「共栄・向山むこうやまトンネル」は、元は上の出口だけあったところ、接続する道への利便性を良くするために新たに下の出口を作り、上の出口を埋め戻さなかったことから、出口が2つあるのだという。

入口の道の傾斜を見ると、上の出口の方が直線的に繋がっているのがわかる。

言うてしまえば単なるトンネルではあるのだが、意外とちょこちょこと見物客が訪れる人気スポットだった。

移動再開。再び紅葉が残っていたので撮影。

この旅の標高最高地点(約160m)を通過。あとは基本下るだけだ。

上総中野駅

養老渓谷から寄り道含めて1時間ほどで上総中野駅に到着。

パネル代わりに窓に貼られたステッカーを撮影。

ステッカーにもある通り、ここは小湊鉄道といすみ鉄道が接続を行う駅だ。

そのため、駅名標も
2社分のバージョンがある。
小湊鉄道方面。まっすぐ伸びる線路が趣深い。
いすみ鉄道方面。列車は待てど暮らせど当面来ない。
再び、元ネタ車両が並ぶところが見たいものです。

再開を願う書き込みを駅ノートに残し、上総中野駅を出発。

大多喜駅

上総中野駅からはいすみ鉄道の区間。ここの走破のために自転車を持ってきた。夷隅川の流れとともに一気に駆け下る。

時折渓谷美が見られるので足を止めつつ。

順調にダウンヒルを飛ばし、大多喜駅に到着。

ちょっと雪雲が出てきた。あいにくの曇り空。
駅舎に入り、BIGパネルを撮影。

ここでイベントのグッズが購入可能。クリアファイルは売り切れていたので、キーホルダーを購入。駅構内にも入れるので、入場券を買って入らせてもらった。

交換可能な駅。反対側に渡って駅舎を望む。
大原方面。また車両が戻ってくるといいなぁ。
車両が留まっていたので撮影。でも元ネタ車両ではないみたい。
木造の待合室。
写真見て気づいたけど、後ろにもう1台車両がいたんだ。

ちなみに、大多喜駅の近くにイベントスポット「房総中央鉄道館」があったのだが、駅前からアクセスできたことに油断してスルーしてしまった。

中には鉄道模型のジオラマや鉄道資料が並んでいるそうだ。現在は日曜日だけ開館しているようなので、タイミングが合えば是非。

周辺も古風な佇まいを残していて良い雰囲気です。

ポッポの丘

次のスポットは「ポッポの丘」だ。ここは個人的に楽しみにしていた。なにせここに来るために自転車という選択肢を選んでいるようなものなので。

お、ここだ。
…また坂ですか。

「丘」だもん、坂くらいあるよね…と息を切らしながら登っていく。

坂を登りきると、事務所代わり?の車両の中からおばちゃんが出てきて、自転車でよく来たねぇと褒めてくれた。入場料の500円を払い、近くの枕木製のフェンスに自転車を停めた。

ここでは様々な鉄道車両が展示されている。

おのずと駅メモのでんこの元ネタ(あるいは親戚、ご先祖様)にあたる車両も多い。

千葉都市モノレール1000形が2台。ちゃんと1号線と2号線の行き先だな。
国鉄 クモニ83形。
営団地下鉄丸ノ内線 400形。
いすみ鉄道 いすみ200形。
うっかりお出かけカメラで撮り忘れたけど、京急の車両も。

いくつかの車両は中に入ることができる。

北陸鉄道 モハ3752。
車内は休憩所になっている。
連結されている「いすみ204」へ。

なんかテーブルがあるな?と思ったら、近くのカフェで買った食事を車内で食べることができるらしい。さながら食堂車。自分も…と思ったけど、あいにくラストオーダーの時間を過ぎていて叶わず。間に合わなかった自分の貧脚を恨む。卵かけごはんが名物らしいですよ。

入るときに声をかけてくれたおばちゃん曰く「上にも展示がありますよ」とのことだったので、坂を登って上に行ってみる。

丹沢の大山ケーブルカー!傾斜をうまく利用した展示。
国鉄の特急車両の雄、183系。
スカ色の総武本線113系。
そして寝台列車!いわゆるブルートレインだ。
DE10形ディーゼル機関車とオハネフ24形、オロネ24形。

寝台車は中に入ることができた。

たまんねぇ…

車内で、昔の寝台列車の車内放送がリピートで流れているのも良い。あいにく寝台列車に乗ることはまだできていないが、そんな自分でも旅情を十二分に感じ取ることができた。読み上げられる停車駅の遠さ、そして到着時刻の遅さがいいんだよなぁ。

大満足の展示でした。

脱線事故現場へ

ポッポの丘を後にして、再び東へ自転車を走らせる。

ふと、今回自転車で攻略している理由にもなっている、いすみ鉄道の脱線事故の現場はどうなっているんだろう、と気になった。

事故報告によると、場所は国吉駅~上総中川駅の間、苅谷踏切の近くとのこと。車両はまだ現場付近に残っているらしい。向かってみることにした。

あれだ。
手前のバラストが新しい。どうやらここが現場っぽいな。

事故車両は2両編成だった。ということはもう1両もいるはず(で、それが駅メモのヘッドマークをつけていた)なので、反対側の踏切に回ってみる。

いたぞ。

ヘッドマークは取り外されているようだ。さすがにそのままにするわけにはいかないだろう(と同時に、まさか盗難に遭ったりしてないよな…と少し不安になった)。

近くの踏切から大原方面を望む。線路が細かくうねっているようにも見える。

古くなった枕木を順次交換していたとのことだが、その矢先で起きてしまった事故。安全が確保できず、当初見込んでいた2025年3月の再開も難しい状況になってしまっているようだ。菜の花のシーズンに間に合わないのは痛手だろう。経営への影響が心配だ。

新田野駅 ~新田野なのかの里帰り

次のスポットが新田野駅。「新田野なのか」の名前の由来となった駅だ。

っと、これだ。

表側に駅の案内がなく、危うく通り過ぎるところだった。

無事里帰り達成。
待合室にステッカーが貼られていた。

ホームの目の前は180°田畑になっており、正直言うとちょっと寂しい雰囲気すらある。しかし春先になるとこれが一変するようだ。

一面の菜の花!ステッカーと同じ景色が見られるわけだ。写真正面が通路っぽくなっているので、ここでカメラを構える人もいるかもしれない。(上のストリートビューも右に回すと撮り鉄らしき人たちがいる)

菜の花の季節に来たい!と思ったけど、営業再開が難しいとなると…悩ましいところだ。

大原駅 ~房総半島横断達成!

さて、残りのイベント駅はいすみ鉄道の起点となる大原駅のみだ。移動時間(寄り道含む)も6時間を超え、かなり疲労も来ているが、もう少し。

15:50、ついに大原駅に到着!
到着の記念撮影。

これで無事、小湊鉄道といすみ鉄道の全攻略スポットを制覇。ポイントも60ptに到達した。

駅構内でBIGパネルを撮影。
あ、せっかくならラッピング交換しとけば良かったかな。

ここからJR外房線で帰る。自転車を再び持ち運び用にバラし、電車を待つ。

ふといすみ鉄道の大原駅でも撮っておくか、と思い立ち、閉ざされたドア越しに写真を撮ろうとしたら、売店の店員さんらしきお姉さんに「改札の前までなら行っていいですよ」と声をかけられたw (売店は時間帯のためか閉まってたのが残念)

キハ20形の車両が停まっていた。再開を待つ。
房総横断鉄道 たすきプロジェクト」。
小湊鉄道といすみ鉄道が協力し、沿線の事業者のクラウドファンディングを支援する。

そうこうしているうちに帰りの列車がやって来た。

大原止まりの列車。折り返し、千葉行きとなる。
おつかれさまでした。

旅を振り返って

2回に分けての攻略にはなったが、無事房総半島横断を達成し、ポイントを稼ぐことができた。あとは「サンキュー♥ちばフリーパス」でJRの駅とスポットを巡って完全制覇、という流れの予定だ。

今回自転車で攻略することで、イベントタイトルの「房総半島の風光明媚」を肌で感じることができたのが良かったと思う。願わくば紅葉のシーズンに行ければ良かったんだけど、それはまた来年に持ち越しかな。

一方で、今回の自転車旅の一因にもなったいすみ鉄道。残念ながら、再開までの道のりはかなり遠いようだ。「安全はすべてに優先する」ことは言うまでもないが、維持管理にコストを無尽蔵にかけるわけにもいかず、特に地方の鉄道は苦境を強いられているのが現実だろう。その影響もあってか、2024年はこれ以外にも貨物列車の脱線事故が地方で相次いだ。もしかしたら、鉄道は事故も少なくて安心だという、ある種の「安全神話」が崩れる時が来ているのかもしれないな…と、やたらと左右に揺れながら走る外房線に乗りながらふと考えたのだった。


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