見出し画像

娘の誕生日プレゼントを作る 9歳

前回の8歳の誕生日で娘からのオーダーシステムが廃止になりました。なので、今年は自分が考えて娘には秘密にしたまま進め、誕生日に初お披露目の方式です。

女の子の9歳はそろそろ完成形

誕生日プレゼントの話をするとよく言われました。「そろそろ小学3年生ともなると、もう大人だよ」と。「子供扱いではダメだよ」とか、なんか割と「ハードル高いから気をつけな」的なことを言われます。

薄々わかってはいましたが、たしかに長女はかなりいろんなことがわかってるし、多分大人になった時に今頃考えてたことなんか覚えてるようなレベルに育ってます。半端な物ではダメなんだと。

音楽

娘を見てると、徐々に音楽とか聴きそうな気配があります。まだ自分であれやこれやと音楽を聴くという感じではないのですが、いまやサブスクの時代ですから、聴こうと思えばいくらでも無限に聴けてしまいます。

音楽に関することがいいのではと考えました。とその時閃きました。

音楽の棚

昔個人作品で作った「音楽の棚」が前まで自宅にありました。なんとなく傷だらけになり、家具としてのトーンが自宅に合わなくなり、泣く泣く捨てたんですが、これのコンセプトはとても気に入っていていつか作り直したいと思ってました。

この作品は、「音楽を棚に飾ることができる」家具です。物を飾るディスプレイ棚なんですが、扉を開くとそこに設定されたプレイリストの音楽が流れるというものです。シンプルな機能なんですが、物と音楽の組み合わせを考えるというのがとてもリッチな時間で、そこがとても重要だったりします。「その時間が作品」といっても過言ではないです。そして、音楽をかける時に、スマホでピッではなく、棚の扉を開けるという所作に変わります。扉が開放され中に飾られたものが見えます。そこにある物から流れ出す音楽を味わう。そんな作品です。

これだ!

しかも我が家には、子供の部屋に無印のシェルフがありますので、そこにピッタリ収まる音楽の棚の小型版を作ればいいんではないかと思いつきました。妻にすぐ報告してみたら、「それはいい!」とのリアクション。これはいけそうです。

ちなみに思いついた時は、古い家具を仕事の関係で見にいった時。

画像1

設計

無印オマージュで、完全に馴染むようにしたいと考えてまず、引き出しでいいやんと考えて設計し始めました。

画像2

ここまでやって気が付きましたが、引き出しだと、ひとつの引き出しを引き出す分には「引き出しに入ったものから音楽が流れ出す」という印象があるものの、複数の引き出しを開けた時にはなにか違うなと思ってしまいます。引き出し案は実はダメだとなりました。

なんとか扉が開放される仕組みを作る

これ、かなり大変そうです。オリジナルの音楽の棚の時はかなり特殊な設計で扉が完全に外れて上に仕舞えるということにしてました。手間がかかるのがかえっていいという感じです。が、やっぱり大変だったので、シャッターみたいに開くのが良さそうです。

扉は完全にゼロから作らないとダメだし、これは時間的に無理では?となりましたが、無印のシェルフを買ってハックなら時間が節約できそうとのことで、無印の製品をリサーチ。

これが良さそうです。

画像3

四つの引き出し(扉に作り直す)。このくらいの数がいいし、ディスプレイ棚としては、一つのエリアがそこそこのサイズがないとダメです。

改造

画像4

届きました。MDFに突き板を貼った作りで、綺麗に作られてます。が、この引き出しのパーツを切って使うとMDFが切断面に見えますし、なんか違う気もしました。いっそMDFのまま行こうかなと思ってきました。

てか、そんなことよりも...。

画像5

物を飾るための底面がくり抜かれてる!!!しまった。これは誤算。横もつながっちゃってますが、そこは最悪いいとして、底がないのはまずい。

ひとまず、計測してMDFをCNCで同じサイズにカットして塞ぎました。MDFの色が違うので、なんだかですが。(何回か削り直してやっとピッタリ)

画像6

塞がりました。ピッタリ。(というかこの写真見てて気がついたけど、無印のはMDFではなくてハードボードっぽいな)

つぎは扉の試作。

画像7

うまくいったものの、閉じる時に出過ぎてしまい、なんかイマイチです。これはちゃんと飛び出さない設計にしたほうがいいですね。

とかなんとかを三連休とか仕事終わりの夜とかに地道にすすめて、完成!

完成

画像8

画像9

裏は見えないので剥き出し。

画像10

RaspberryPi ZeroWで実装しました。GPIOのスイッチを監視してSpotifyを叩く仕様です。ソフトの実装については今度詳しく解説記事書きます。大変ながらも楽しかったです。

動いてる様子。

横にiPhoneの画面を出してますが、iPhoneはなくても動作します。プレイリストが変化してるのを見せたくて合成しました。音楽の棚で操作してるのはSpotifyで、プレイリストもSpotify内で設定します。なので、娘が自分で自由にいじれます。(Spotify のAPIを叩いてる)

音は、チボリオーディオに繋いだ別のRaspberryPiにRaspotifyをいれ、そこから音が出るように仕込んでます。(Raspotifyというのを入れるとSpotify Connectのスピーカーが簡単に作れます。おすすめ。)

複数の扉を開くとそれらの曲全てからシャッフル再生されます。閉じると、閉じた時になってる曲がなくなれば別の曲を再生し、無くならなければそのまま再生。とか細かなことも実現が間に合いました。

娘の反応

理解するのに時間がかかるネタですので、ひとまず扉開いたらお気に入りのYOASOBIが流れて嬉しい!って感じでしたが、、ここから使いこなしてくれるはずです。これはツールなんで、使うことが作品を味わうことなんで、そこを楽しんで欲しいです。

まとめ

色々間に合わず、突き板貼りたいところにも貼れておらず、やや不完全ながらも、ここ最近の中ではかなり間に合った方です。

材料揃えてから、三連休まるまると、平日夜を3日くらいかかりました。ほとんどの時間設計と切削してました。

来年ついに10歳。来年も大変だなー。考えておかねば。

いいなと思ったら応援しよう!