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ビリヤードの話

先日人に話したら盛り上がったので書いてみる。独身の頃ハマってたビリヤード。

ビリヤードは1人で行く

19歳の頃からビリヤードにハマった。それまではボーリング場の二階とかにあったお店に「ボーリングがいっぱいで入れないから」と言う理由で体験したことがある程度で、ビリヤードのことはそんなに知らなかった。

ある時部活の先輩に連れられて、専門店に行った。広くていいお店。そこに友達とも行くようになった。

そんなある日、お店のマスターが話しかけてきた。「2人でやってるけど、台があいてるから、1人一台使って練習でもしなさい」と。

「?」

いや友達と遊びに来てるわけで、1人で練習するのはなんか違うと言う気がした。でも、言われるがままに練習の仕方を教えてもらい、練習した。

詳しい説明は省くが、たとえばそれはセンターショットなど、まっすぐの球のレイアウトでの練習だ。ど真ん中に当てれば入るようなセットをする。で、10個の玉を出して、何個入るか試すのだ。まずは50%の確率で入るくらいにはなりなさいと。

そんな感じでレイアウトをいくつか教えてもらった。遠くにすごくうまい大学生くらいの人がいた。「あの人は大体この練習で80%は入れる。」などと具体的な目標も教えてくれた。

友人と2人でその練習をやってみたが、確かにまっすぐでも入らない。。そんなはずはないとやってみるが、なかなか難しい。さらに他のレイアウトでは厚み半分とかわかりやすい配置でも難しい。

つまり、狙ったところに手玉を走らせるだけで難しいわけだ。

ハマった

まんまとハマってしまった。ついに友人との予定が合わなくても1人で行って練習すると言うのをやり始めた。そんなこんなで友人とたまに行ったりしながら練習を重ねていた。

するとある夜。1人で練習しようとお店に行って練習してると、マスターがまた話しかけてきた。

「ちょっとこのお兄さんと勝負してみろ」

大学生のお兄さんだろう。何歳か年上だと思う。ハンデをもらってナインボールをする。5セット先取りが基本で、ハンデをもらうので、自分は2セット取れば勝ちという甘いハンデ。

なんか知らんけど勝った。そしたら、向こうは選手交代で別の人が出てきた。次は勝てなかったかな。

と、そんなこんなで常連の人たちに紹介してもらえたわけだ。そうやって徐々に常連の仲間入りを果たし、ハンデも徐々に無くなり半年ほどでそこそこ上達した。

マイキュー

マスターの粋な計らいで、友人たちを集めて大会をひらけと言われた。商品を出すと。それはマイキューだ。記憶が曖昧だが、多分その大会で勝ってマイキューを手に入れたか、自分で買うかして安い2万以下のキューを手に入れた。

安くてもマイキューはマイキューだ。それで練習するのは楽しかった。

ハウストーナメント

月に一回マンスリーというハウストーナメントが開かれる。そこには常連さんが集まり、参加フィーを払いトーナメントで戦う。ハンデはついていて、ランクが低い自分でもチャンスがゼロというわけではないと感じられた(実際はそんな甘くない)

そして、感じたのはメンタルだ。練習では入る球が入らない。いつもなら入るのにという感覚。それを人に話すと、本番ではいらないと意味がないという当たり前の反応。みんなそんなもんらしい。

そうか、メンタルを問われてるのかと徐々に理解した。

ある大会

マンスリーによく出ていたわけだが、ある時決勝まで残った。決勝の相手はなんと自分と同じランクの人。2人ともなんだか知らないが勝ち残り決勝まで来た。

いつもよりも痺れる状況。そんななか同じくらいのレベルの人と戦う。正直そこまで上手くないので、先の展開は読めてない。でも、ひとつ入れ、またひとつ入れと連続して入れていくことができた。まるであの時の「うまい人のようだ」と自画自賛する気持ちになれた。

自分は結局負けたが、とてもいい経験だった。

引越し

その後自分は和歌山の大学に編入したので、富山から引っ越した。マイキューをケースに入れ、背中に背負い、新しい場所で店を探す。専門店らしいところがアパートからほど近くにあったので、まずは夕方に様子見に行った。

バイトらしき大学生(おそらく同じ大学の人)の店員さんだった。台を借りしばらく1人で練習した。

しばらく練習したのち、その店員さんに話しかけて、相手をしてもらった。ランクが同じくらいだったのでハンデなしで戦ったと思う。勝った。快勝だった。

「夜に来てくださいよ。もっと強い常連さんがいますから」

気分は道場破りだが、まだその頃自分はB級程度。A級の人には勝てない。よほど調子の波が来てればハンデもあって勝てるかもだが、ランク的にはそんなもんだ。

で、夜に行った。B級くらいの人たちが多い。その中に混ぜてもらい戦った。自分より少しうまい人たちの輪に混ざり、勝ったり負けたり。そこそこ撞けることもあり、仲良くなった。

どこでも

ビリヤードという趣味のおかげでどこでもマイキューがあれば気軽に輪に混ざれる可能性があるわけだ。ハウストーナメントなんかは、常連以外の人も受け入れる傾向があるので、他のお店のハウストーナメントに出にいくと言う文化がある。交流会のような感じだ。

とにかく知らない人、年齢もまちまちの人たちと共通の趣味で仲良くなれる。戦うので、ピリピリはするが、世間話などしながら楽しくすることもある。

思えばいい趣味だ。やんちゃな人が多い傾向はあるが、一応紳士のスポーツなのでマナーは守られる。

その後も和歌山から東京に引っ越した時も同じく新たな店を探した。道場破り感は楽しい。引っ越すたび。

マスワリ

ビリヤードの用語でマスワリというのがある。それはナインボールなどで、ブレイクをした時にひとつ以上入り、その後ミスなく9番まで取り切ることだ。つまり、相手に一回も出番が回らないまま1セットとるわけだ。

自分が全盛期の頃、ハウストーナメントかなんかですごく強い人を相手にマスワリを4連続決め勝ったことがある。やや穴が大きめの簡単な台だったとはいえ、あの状況でそこまで行けたのは誇らしい。

ただ、公式戦では大した成績を残したことはない。一応最後はA級としてやってた。

この辺でやめておこう。とにかくビリヤードは楽しい。

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