葬送のフリーレン 異世界の料理事情、お肉の食べ方についての私論
Xのタイムラインに「異世界の料理がなんでハンバーグなんだよ~」的な物が流れてきた。
アニメでフリーレンがシュタルクの誕生日のプレゼントに迷った挙げ句、鞄に入ってた特大ハンバーグのレシピをみて振る舞う事を思い立つ。
かつての旅のさなか、戦士アイゼンが皆の誕生日に振る舞っていたもので、彼の故郷の風習だったと説明されていた。
弟子のシュタルクにも普段は何もしないのに誕生日には振る舞っていた。
シュタルクにとっては師匠との絆を思い出させる料理で、これ以上のものはないプレゼントとなったのだろう。
ここで疑問。
フリーレンって料理ができたのか?
フェルンを伴ってからは彼女がフリーレンのお母さん的役割をこなしてたけど、一人旅の時って野宿では自炊はしてたと思うが、ずぼらでめんどくさがりなフリーレンのこと、凝った料理を作ってたとは思えない。
しょうもない魔法の収集が趣味なのに料理が作れるみたいな魔法の類を見たことがないのだが。
話しを戻そう。
物語の中で「ハンバーグ」と言う料理名が出てきたことに違和感と言うか異世界モノなのに現実を持ち込むなと言う事らしいのだ。
異世界モノの設定となると大抵の風景や建築物、街の造りが中欧特にドイツ圏をイメージさせられることが多い。
何故なのかは判らないが、地中海域や北アフリカを想像する絵は見たことがない。
誰かご存知だったら教えてほしい。
「葬送のフリーレン」もご多分に漏れず。
人名もドイツ語っぽい響きだし。
だからという訳ではないが、ハンバーグが出てくるのは別にいいと思うのだ。
料理名が出てくることで想像ができる。
怪しげな名前の料理を考えるのも制作側の問題なのかもしれないが、見てる側が説明無しで想像できるというのも大事ではないだろうか。
以前に何処かで呟かれてたのか記事だったのかは忘れたが、「異世界モノは中世ヨーロッパを模しているが、衛生状態と食事は現代のものになってる」と。
言われてみれば、普通に食べてる料理もそれなりに手間が掛かってるし何より普通に水飲んでる。
水ってちょっとしたことで腐るものだから、きれいな水を入手するのはかなりの手間が掛かっている。
ローマ帝国が水道技術を発展させたのはきれいな水を大量に確保することが重要だったからだ。
水が豊富になければテルマエはできない。
そして肉料理となった時に中世ではどんな肉をどう料理して食べていたのか?と考えた。
まず肉。
今なら牧場とか養豚場とか養鶏場で育てられた牛豚鶏が市場に出てくる。
中世でも基本は一緒だろう。
圧倒的に違うのは食肉として品種改良がされず牧畜技術が未熟な状況で生産された肉に今の一頭あたりの穫れ高や品質って常識は通用しないだろうと。
そんな肉をどうやって食べる?となるわけだが、まず鶏は比較的育つのが早いのでおいておくとして、豚や牛はそれなりに時間がかかる。
ハムとかソーセージとかが出来た理由って、無駄なく食べるのと長期保存が必要だったからと言えるだろう。異論は認める。
そんな大事な肉ではあるけれど、よほど上質な部分はそのまま食べることはできるとして、固い部分とかスジの部分とかがか多い部分を食べるのは工夫がいっただろう。
スジって熟成を進めても容易に柔らかくなるものではないし、冷蔵技術が無い中世で時間かけて熟成も出来ない。
そうなると、煮込むか細かく刻むか。
時間をかけて煮込むのはありだが、問題は燃料である木材を大量に使用する事にある。
中世でエネルギーといえば木材主体の薪を燃やすことで得られるのだが、肉を煮込むためにどれだけの薪を使用するか?となると気前よく燃やすわけにもいかない。
ギリシャの古代から薪を入手するには近所の山からとなるが、林業って概念の無い時代だと切り出して終わり。植樹なんかしないから落ちた木の実が芽吹いてくれればそれが育つのを待つだけなのではげ山とかす。
ギリシャなんかで山に樹木が少ないのって古代ではげ山にされたからと言える。
欧州で原生林とか古代から手つかずの森がどれだけあるのだろう?と思ったりする。
そうなると細かくして食べることになるが、ハンバーグ以外でもひき肉を調理した料理がある国は結構ある。
みな考えることは一緒なのだ。
フリーレンではひき肉料理としてハンバーグを出したけど、妙な名前をつけられなくてよかったんじゃないか?
と思う。
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