ガールズバンドクライ 「運命の華」が売れなかった理由についての私論
最初はその他大勢な立ち位置だった「ガールズバンドクライ」
6月の放映終了時には「4-6月期No.1」と評価されていたが、気づいたら「2024年上半期No.1」なんて声も聞く。
他の作品を見比べたわけではないが、女の子のバンドものって他にも知られた作品があるジャンルでそれだけ評価されたのは、ご当地川崎の住民としては嬉しい限り。
ただ目立つと色々ネットでは言われてるようで‥‥
「川崎の狂犬」
いや、南九州特に鹿児島熊本は日本有数の戦闘民族。
同類が多い熊本では目立たなくても川崎で希少種だぞ。
「みんな中卒 川崎なら普通だろ」
最年長のルパさんは高卒の可能性はあるじゃないか。
川崎市に中卒のバンドがうじゃうじゃいる訳じゃない。
散々な言われようだ‥‥
さて、トゲトゲのメジャーデビュー曲になった「運命の華」はなぜ売れなかったのか?
ストーリー展開的に売れない方が終盤に繋がるってのはあるにしろ、各話事に披露されてた曲と比べても遜色ない曲だったと思う。
スタッフも気合入れて作ってたし、事務所もこれで行こうって決めて出した曲なのに予想より売れなかった。
正直なところ、これは事務所が悪いと言える。
なぜか?
マネージャーの三浦さんがトゲトゲのファンの目線で見てしまってプロとして判断を誤ったと思う。
プロとして、デビュー曲に作らせてはいけない曲だった。
そこはきちんと話して路線を決めてから作らせるべきだったのだが、そのあたりの描写がほとんど無い。
バンドとしてのこだわりはあるだろうけど、結成して1年も経ってない様な素人に毛が生えた‥ニーナはトゲが生えてるが‥経験不足なバンドなのだから。
インディーズ時代の曲と比べると、それらにあった毒がかなり希薄。
ニーナが歌ったときにこれトゲ出なかったんじゃないか?
聞いていて感じたのは、トゲトゲと言うよりダイダスに近い気がした。
メンバーも気づかないうちに「売れる曲」を作ってしまったのだろう。
トゲトゲってその時の気分が歌になるバンド。
メジャーデビューしてダイダスと同じラインに立てるって高揚感が出てしまったのが、それまでついてきてたファンにノーを言われたのだと思う。
以前にとあるバンドのインタビュー記事で
「メジャーデビューって言うとそれまでのベスト盤みたいなアルバムを作る奴らが多い。それが嫌だから全部書き下ろした。」
みたいなことを語っていたのを読んだことがある。
過去の曲を仕立て直して売っていたら今までのファンは買ってくれたかもしれない。
でもそれでは意味がない。
「運命の華」は今までの違うモノとして出したのは評価される。
アルバム収録でラストに入っていたら「これからはこんなふうになっていきたい」って未来を予感させる扱いになってたと思うが、これだけを出されると「これなんか違う」と思われる。
固定のファンが付いているならともかく、そこまでのファンがいないトゲトゲが出していいデビュー曲ではなかった。
それが結論だと思う。
メジャーとしてやっていくだけがバンドじゃないってのが最終話のエンディングだったのだ。
そんな結論を出した「ガールズバンドクライ」なので、シーズン2を作るとなると相当なひねりを加えた作品になりそう。
自分たちが這い上がるのではなく、価値を認めた周りに押し上げられる形での再メジャーデビューってのが落とし所になりそうな気がする。
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