宇宙戦艦ヤマト リメイク版での波動砲の扱いに対する私論
水星の魔女で続けようと思ってたところでリメイク版ヤマトの動画を見たので、それに対して書いてみることにした。
波動砲の扱いについてリメイク版はかなりいろいろ設定を突っ込んでいる。
旧作はただの破壊力のでかい大砲ってだけだったのだが、リメイクでは「宇宙を壊す」と忌むべき兵器とされている。
どおりでリメイク版ではスターシャがギャンギャン吠える訳だわ。
サーシャが携えてたのは波動エンジンの設計書と波動コアのみなのに、波動エネルギーを利用した砲を作るなんて想像できなかったのか地球人を舐めてたのかはわからないが、真田さんってマッドサイエンティストが地球にいたのが全てだったのかと。
イスカンダルがマゼラン星雲を血に染める様な暴虐の帝国だった過去なんて、旧作では全く出てこず、ガミラスって悪逆非道な隣人を持つ愛と平和の星みたいな扱いだっただけに、そうきましたかと。
「次元波動爆縮放射機」なんて堅苦しい正式名称を見ると、旧作のような波動エンジンが生み出すタキオン粒子を相手にぶつける単純なものでなく、波動エンジンがワープ時に行う次元の折りたたみで生じる高次元のエネルギーを跳躍ではなく、外部に放出して破壊に向かわせるものらしい。
そんな大層な兵器であるから、次元の折り畳みをしくじったら別の宇宙をぶち壊す危険があると言われるとそうだよなと。
ただ、旧作でもそうなのだが威力はでかいがめんどくさい兵器なのは確か。
・威力の調整ができない
試射代わりの木星浮遊大陸のガミラス軍基地攻撃では浮遊大陸ごと吹っ飛ばしてしまう。
理論だけで実射試験もできずに実戦投入って切羽詰まった地球の状況を示す一例だが、ここで計算間違いとか製造ミスがあったら浮遊大陸どころか太陽系吹っ飛ばす危険もあった訳で「知らぬが仏」ではある。
・発射に時間がかかる/発射後のリカバリにも時間がかかる
旧作もリメイクも波動砲発射シーケンスは見せ場ではあるけれど、実戦の場であんな無防備な時間を作られたら攻撃を食らってしまう。
発射後も同様にエンジン停止で再起動まで何もできない。
武器使用にもエネルギーがいるが、エンジンの再起動に全エネルギーを投入してるうちは何もできない。
敵を殲滅できてればよいが撃ち漏らしがいたら逆襲されるのは確実。
リメイク版の波動防御も波動エンジンあればこその話。
正直なところ、波動砲を艦隊戦闘の最中に使えるか?となると旧作にしろリメイク版にしろかなり難しい。
相手に探知されない遠距離からの狙撃でもなければ有効活用は難しいだろう。
艦隊に向けて発射しても、相手に強力な兵器があるとなれば密集はしない。
現実世界でも艦隊行動の画像の様ないっぱい船が写ってる様な行動は取らない。
核レベルの想定だと各館の距離は数キロレベルで取るし、米海軍の機動部隊なら100キロ単位の範囲で点在している。
そうなると逆襲でやられるのはヤマトの方になる。
沖田艦長が戦闘中に波動砲を使わなかったのも頷けるし、2202で波動砲艦隊の拡散波動砲一斉射撃で一網打尽にしてしまえと言うのも戦術的に波動砲を使うならこれしか無い。
たった一年かそこらでこれだけの艦隊を揃えられるってのもなんか違う気がするけれど、沖田艦長が生還していたら波動砲に関する戦訓をきちんと軍上層部に伝えることができただろう。
生き残った幹部乗組員が若すぎて実態を伝えることができなかったから故の誤った方針になったように思う。
まぁここまでガチガチに設定を作り込まないと、ご都合主義だった旧作のリメイクなんかできませんよね。
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