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これからの企業WEBサイトとSNS、noteの使い分け。まずは自分たちで運用してみる。

わたしはペット用品メーカーのジェックスでマーケティングの責任者をしています。商品以外にもファンのみなさまとのコミュニケーションにあたる部分をチームで担当していたりします。SNSの運用ではTwitter、Instagram、Facebook、YouTubeの登録者数では業界でもまあまあ、上位にいると思います。

ジェックスの特徴はコミュニケーションに関わるWEB、SNS構築と運用をほぼ内製化していることかもしれません。SNSに触れ合う人はわかると思いますが、特にTwitterなどテキスト中心のSNSになればなるほど、外注している企業と内製(社員が運用している)がはっきりわかったりします。

どっちがいいのかという評価は外注でも内製でもコンテンツや発信の質に左右されるので、あまり関係ないように思いますが、ジェックスでは外注するなら、自分たちがすべてを理解していないと!という指針でまずは自分たちで運用しています。

ちなみに、公式YouTubeの動画も9割は自分たちで撮影して、自分たちで編集しています。マーケティングチームでほぼ全員がPowerDerectorを操るメーカーもなかなかないと思います(笑)

もちろん、それらの業務はマーケティング全体の中の本当に一部です。ただ、それだけ消費者とのコミュニケーションは、モノづくりの入口においても、出口においても一番重要だと思っています。

note、どうやって活用していこう…?

先日、日経トレンディのオンラインのセミナーで飲料大手のキリンさんのコミュニケーションチームの方のお話を聞きました。内容はずばり、noteの活用についてです。

そこでパネラーさんがおっしゃっていたのが、noteは企業の「人」に焦点を当てたコンテンツに特化させている、他のSNSとの相乗効果で商品、人、をブランド感と絡めていく、という内容でした。やはり最先端の感度で見えない地図を書ける才能はすごいな、と感動しました。

消費者コミュニケーションの新しい手段については日頃から関心を持っているのですが、noteについてははっきりいって未着手どころかノーマークでした。

noteはWEBで見る限りは2020年5月の月間アクティブユーザー(MAU)が6,300万人を超えた、とのこと。どうやら訪問者数のことのようですが、ユニークユーザーではないのかもしれません。投稿件数が1日2万件以上、というのもなかなかのボリュームですが、会員数は260万人、ということで、SNSからの流入がメインのプラットフォームのようです。

WEBサイトの世界の変化は、特化されているもの → 一般化する → プラットフォーム化する → 更に特化するものが現れる → 一般化する → プラットフォーム化する、の繰り返しです。自社WEBサイトには10年後、どんなコンテンツが残るのか、と考えないといけません。

例えば、自社WEBサイトで「画像投稿システム」をつくったが、Instagram(プラットフォーム)が主流になった。動画を埋め込んで見せていたが、YouTube(プラットフォーム)が主流になった。トピックスでニュースを出していたが、Twitter(プラットフォーム)が主流になった。

このような変化をずっと見ていると、企業WEBサイトに今あるコンテンツのほとんどは、おそらく何かしらのプラットフォームのほうが便利で、情報拡散が効率的になっていくような気がします。自分たちの自前コンテンツにあまりこだわりすぎると、世の中の人はより便利な方に流れていき、結果タッチポイントとして魅力がなくなっていく。

そう考えると、このnoteは一体どういう存在なのか。

これは恐らく、企業ページにあるブログの置き換わりプラットフォームなのだろう、という感じがしています。なので、noteがこのまま大きく成長して、世の中のWEB上の「読み物」のメインコンテンツになるとすれば、企業ページにあるブログはその役目を終えるような気がします。

企業WEBページに残るコンテンツは…

ジェックスはアクアリウムを中心にペット用品を開発・製造しているメーカーです。ファンとつながる手段として各SNSを運用強化しているのと同時に、自社WEBサイトでは特に商品情報の充実、飼育情報の充実に力を入れています。

ジェックスの公式WEBサイトは月間150万PV以上、年間では2,000万PV近くなります。1日あたり、50,000ページ閲覧されている計算なので、なかなかのボリュームに育っています。特に、この2年間はコロナ禍の需要増もあり大きく数字を伸ばしています。

これからを考えると、コミュニケーションにあたる部分はもちろんSNS、商品の仕様情報はメーカーサイト。一方でモノづくりのストーリーなどのブログ向きなコンテンツは、やはり外部のプラットフォームのほうが将来性がありそうな気もします。

外部に移せば移すほど、もちろんメーカーサイトの訪問数は落ちていくのですが、やっぱり最大目的はルートを問わず、トータルでどれだけ情報が最適な状態で数多く届いたのか、なので自社サイトのPV数などはどこまで気にする必要があるのか、と考えたりもします。それでも、検索順位だけは落とさない工夫や改善は重要ですね。

自社WEBサイトは、noteも含め外部プラットフォームとの組み合わせ方や情報の持ち方、出し方をそれぞれで強めて、絡めることが最終的には企業として情報優位に立てるのではないでしょうか。

マーケティング組織とは別に消費者コミュニケーションを担う部署がある会社も多いと思いますが、これからの企業WEBサイトのあり方、担当するみなさんはどう考えているのか、機会があれば意見交換、よろしくお願いいたします!