プレイヤーとマネージャー
Netflixにある「白と黒のスプーン」を見ていたら、「プレイヤーとマネージャー」についての考えが降りてきた。
この番組は、韓国全土から名だたる料理人が集まってバトルするものなのだが、ここにいる彼らはプレイヤー(1人の料理人)としてやってきている。
しかし、普段はマネージャー(経営者)の顔も持っているだろう。
なんせ人気店のオーナーシェフであり、人によっては多店舗展開をしてるのだ。マネジメントも重要な仕事に違いない。
料理の世界を目指すとき、ゴールは2つあると思う。
イタリアンに例えるなら以下だ。
・イタリアン三つ星シェフ
・サイゼリヤオーナー
ザックリ言うなら前者がプレイヤーで後者がマネージャーだろう。
このどちらを目指すのかで、普段の立ち回りも変わるものだ。
どんな仕事でも、今どきはプレイヤーを目指す人が多い。
ネット社会になり、それはますます加速してると思う。YouTuberなどは、その代表格だ。
(会社やチームでYouTubeをやってる場合もあるが、そのケースは割愛する)
昔から管理職(マネージャー)を嫌う人は一定数いる。
別にそれは個人の自由なので、好きにすればいいのだが、個人的にはマネージャーの視点も持っておくことが必要だと思う。
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プレイヤーとしての視点しか持ってないと、視野が狭くなりがちだ。
えてして仕事の本質を見誤る傾向がある。
例えば私は窓拭きの仕事を長くしていたのだが、同業者の大半は仕事の本質を見誤っている。
なぜだかみんな窓拭きが速いことを良しとしていて、何ならそれが「偉い」とか「年収高い」にも繋がると思っている。
勘違いも甚だしい(はなはだしい)。
仮に自分が客(発注者)だとして、彼らの窓拭きの速さなんか気になるか。答えはNOだ。
百歩譲って「綺麗さ」ならまだ分かる。窓を綺麗にするのが仕事なのだから、そこに注力するのはいいだろう。
しかし発注する側も暇じゃない。年間を通して、定期的に何度もやってもらう作業だ。いちいち綺麗になったかどうかの確認などしない。
彼らへの「安心感」さえあれば、それでいいのだ。
普段の連絡事や応対がしっかりしていて、たまにチラ見する窓が綺麗なら100点だ。
「ちゃんとやってくれてる(だろう)安心感」が窓拭きの本質だと思う。
身だしなみや安全対策なども、全てがここに繋がる。
「俺は窓拭き速いからよ〜」なんて感覚だけもって、現場で必死に手を動かしたところで人生変わらない。
「今日は周りの奴らの2倍やったぜ」なんて言ったところで、客はそんなこと知ったこっちゃない。
本質に近い場所で努力しなければ、状況は好転しないのだ。
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私自身、世間の事情に疎いのだが、多分他の仕事も似たり寄ったりだろう。
エンジニアとして働いたことはないが、アプリ開発をしていて、窓拭きと似たことを感じる。
結局のところ「ユーザーが何を気にするか」なのだ。
エンジニアがこだわる「技術力」も、ユーザーにとってはどうでもいいことだ。
プレイヤーとしての視点しか持ってないと、えてして仕事の本質を見誤る。
ゆえにマネージャーの視点も必要だと感じる。
イタリアン三つ星シェフを目指すも、サイゼリヤオーナーを目指すも、それは個人の自由だ。好きにすればいい。
だが双方の視点を持っておいたほうが、客からの評価は得やすいと思う。