見ているようで見ていない景色
外し忘れたイヤホンのノイズキャンセルを突き抜けるほど窓の外から雨の音がしている。小雨のうちに帰って来れてよかった。読んでない本も部屋に山ほどあるのにまた本を買って帰ってきてしまった。しかも二冊。街の大きな本屋さんに足を運ぶ度に一回も手に取ることのない目にすることのない情報やエンタメが、この限られたスペースにすら溢れていることに面を食らってしまう。この世は知らないことだらけだ。新しい服を買いたいと街をたくさん歩いたはずだけれど、何を着たいのかは全然わからなかった。なんだかきょうは浮いているように歩いていたし、いつもの帰路も新鮮に感じた。わたしの背丈と同じくらいで咲く生命力の強い花、毎日前を通る近所の家の壁がこんなにも鮮やかな水色だったこと、隙間に咲く紫陽花の濃さ、初めて降りた訳ではないデパ地下が新鮮でおもしろかったこと、こんなところにカフェが4年前からあったらしいこと、なんでもないきょう7月9日、新しい気付きがたくさんあって面白かった。駅前はいつ終わるかわからない再開発が始まっている。まだ一度も乗ったことのない新幹線車、いつかこの街から乗る未来が来るのだろうか。未来は未知で不安だけど、面白がりたい。きょうはそんな心持ち。
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