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Spectrum Tokyo Design Fest 2022 現地参加レポート(1日目)

この記事は GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2022 の9日目の記事です。昨日はゆうきちの 目的思考 って すげー!を新卒1年目が体感しているお話し でした。日々成長していて頼もしい限りです!


みなさんこんにちは。GMOペパボ EC事業部でデザインリードをしているりんです。
ちょうどAdvent Calendar担当日にSpectrum Tokyo Design Fest 2022に参加してきたので、各セッションで自分の心に残ったことやオフライン参加のレポートをしたいと思います。

私がフェスに参加した理由

1日目が平日なのでオンライン参加という選択肢もありましたが、私は有休を取ってオフラインで2日間とも参加させていただくことにしました。

1. オフラインでデザイナーの皆さんと交流したい
今年は社外のデザイナーの方と交流する機会が多く、対話の中で様々な気づきを得ることができました。その中で自分の考えを言語化することもできたため、コミュニケーションチャンス!と現地参加にしました。

2. デザイン組織をより強くするためのヒントを得たい
今年から横断デザインチームを立ち上げ、様々な取り組みを進めてきました。来年はさらに強いデザイン組織にするべく、今感じている課題へのヒントを得たいと考えました。(デザインチームのふりかえり記事も書きたい)

3. 新しい視点を得たい
とにかく新しいことを吸収したい!

<Report1>オープニング・セッション

準備で寝不足のさんぺいさん(おつかれさまです)

オープニング・セッションでは、コミュニティプラットフォーム「Spectrum Tokyo」のプロデューサーさんぺいさんより、このフェスの主旨や想いが語られました。

  • Why Spectrum:どんな微妙な色も受け入れる

    • 肩書でやることを限定するのもったいなくない?ジェネラリストも良いじゃないか!

  • Why Tokyo:日本らしいデザインのやり方は

    • 土着的なデザインを取り入れて行くと面白くなるのでは

  • Why Design:デザインは手法やノウハウだけでは語れない

    • 言葉では説明できない感覚的なデザインも大切

  • Why Fest:フェスだと楽しいよね!

    • 楽しい雰囲気で出会い生まれ、出会いが人を成長させる

「日本のデザインを海外へ発信していきたい」というさんぺいさんの熱い想いは先日のデザイナーズヒュッゲでもこっそり聞いていたので、微力ながらフェスに参加して応援したいぞ〜と勝手に思っております…!

<Report2>Create your own vector color font!(ワークショップ)

タイプデザイナーのUlrike Rauschさんによる、フォントエディター「Glyphs 3」というアプリを利用した、ベクターカラーフォントを作成するワークショップでした。数個のアルファベットをオリジナルデザインとカラーを組み合わせて作成し、書き出したフォントはAdobeのアプリケーションに読み込むことで使えるようになります。
アプリケーションの操作に慣れればもっと色々できそう!楽しかった。

パス初心者が書いたようなヘロヘロ靴下フォント

<Report3>noteが目指す「創作をつづける」ためのエモーショナルデザイン

note デザイナーの松下さんによるセッション。
発表された内容がまとめられたnoteがすでに公開されているので、詳しくはそちらをご覧いただくのが良さそう。

エモーショナルデザインとは、ポジティブな感情を生み出すUXをデザインすることであり、そのプロセスは内省、本能、行動レベルの感情で分解されます。私はUXタイムスパンの「利用前」「利用中」「利用後」「利用時間全体」の中でのより感情的な体験のデザインと理解しました。

エモーショナルデザインはかならずしも必要なものではないけど、使う人の生活をより豊かにするものであり、ポジティブな感情こそが創造に繋がる。エモーショナルデザインを実践するには「もたらしたい内省=こうありたい自分」を定義し、そのゴールに向けて方針や設計を考えていくそう。
エモーショナルデザインの効果はユーザーインタビューやNPSによる定性調査を行って計測しているとのこと。セッション後にnoteの方にお話を伺ったところ、インタビュー対象ユーザーは機能の利用状況などを見て選定されているそうです。

事業でエモーショナルデザインを実践するには、その効果を説明する必要性がありそうだな〜と思いつつ、ブランディングを行う上では重要な取り組みと言えそうです。

<Report4>業務システムのデザインの面白さ

Graffer デザイナーの佐野さんによるセッション。
業務システムの面白さはユーザーを理解すると自分の知らない世界を見れること。短期間で業務のことを理解するために積極的にフィールドワークを行なっているそうで、さらに理解速度を上げるために業務マニュアルなどを徹底的に読まれるそう。
実際にシステムを設計する際にはFigmaなどのコラボレーションツールで一緒にプロトタイプを眺めながら議論するなど、コミュニケーション量によって質とスピードを上げる取り組みをされているように感じました。(これを1ヵ月でやるってすごい…)
さらに佐野さんの未知の業務への興味や理解を深めるための熱量が半端ないなと思いました!パワーをいただきました!

<Report5>「気軽に、楽しく、続けられる」学習体験をデザインする 〜「スタディサプリEnglish」の挑戦

リクルート デザインディレクターの石黒さんによるセッション。
学習体験のデザインプロセスにおいて、デプスインタビューなどを行いユーザーの解像度を上げ、どのような課題を持っているかを明確にし、解決策を考える。限られた学習時間に対して最短パスで成果を出せること、また楽しく学び続けられることをコンセプトに、ユーザーの期待に応えることを意識して体験設計をされたそう。ユーザーも無意識に期待のPDCAを回しており、特に初回体験の高い期待に応えることが大事であるというお話は、改めて自分が関わるサービスでも見直したい点でした。
学習体験におけるハードルは「難易度」「時間」「目標」。それらを適度な刺激やゲーム要素を取り入れて解決されていて素晴らしいなと感じました。
最後の、デザインは「LESS IS MORE」と「FUNCTION」=楽しく(FUN)機能的であることが大切というまとめが良かったです。

<Report6>副業デザイナーによって急拡大させたハイブリッドなデザイン組織について

RAKSUL VP of Designの和泉さんによるセッション。
RAKSULはもともと事業部ごとにデザイナーが配置されていた状態から事業部横断のデザイン推進室が立ち上がり、その活動の第一歩として昨年リブランディングを行われました。その際にリブランディングの裏側を公開するイベントをされ私も参加したのですが、当時は9名ほどだったデザイン推進室のデザイナーが、現在は30名を超えるそうです…!多くは業務委託の方らしく、デザイン組織があることを外部へ発信し、イベントを積極的に行われていることが採用につながっているとのこと。
業務委託の方にタスクベースで仕事依頼をして上手くワークしているとのことで、ブランドの一貫性を保つために工夫されていることを質問すると、デザインシステムや原則、「らしさ」の言語化を進めていらっしゃるそう。またデザインレビューを行うことで一貫性の担保を行われているとのことでした。ガイドラインの充実など、自分が関わるサービスでも進めていきたいところです。

<Report7>デザイナーの為になるデザイナー

Figma Design Advocateのコーリーさんによるセッション。
Design Advocate(DA)の役割について詳しく解説いただきました。近しいロールにDesign Program Manager(DPM)がありますが、異なる点としては対象がDPMは組織であるのに対し、DAはコミュニティであり、そのコミュニティを通してデザイン思考などの啓蒙を行うことで、結果として全体的なデザインの質の向上に寄与することを目的としています。今年7月に「Figma Japan Community Event」が開催されましたが、Figmaはコミュニティづくりをとても重要に考えていることが伺えます。コミュニティで得たユーザーのフードバックはDAを通してプロダクト側の開発に反映されるそうです。
コミュニティの重要性はよく理解しているつもりですが、実行にはかなりのパワーがいるため、DAのような存在が社内にいると心強そうですね。

<Report8>ビジネスの文化や価値観を越境するプロダクトビジョン 〜 UIデザイン

(一生懸命聞きすぎて写真がなかった…)
マネーフォワード プロダクトデザイナーの村治さんによるセッション。
まだ未開拓である市場への新規プロダクト開発を行う上で、プロダクトビジョンを定めるために取り組まれたことを紹介されていたのですが、とにかく情報量がすごかった!!!ターゲットユーザーの調査から仮説設定と評価のためにプロダクトマネジメントの4階層などの様々なフレームワークを活用し、徹底的な検討がされていました。ここまでやった実績があると、この先のプロダクト開発ではさらに精度の高い検討ができそう!
プロダクト自体はこれからリリースされるとのことで、どのようなアウトカムがあったのかをぜひ別の機会にお聞きしたいです。
セッション後に「PdMと役割が重なっている部分についてはどのように進めていたか」と質問をさせていただきました。村治さんはあらゆる検討段階での情報の視覚化を意識されていたとのことで、役割をきっちり分けることはせずにデザイナーのファシリテーション力で検討を円滑に前進させることができたとても良い事例だと感じましたし、私も同じように意識しているところなので共感しました!

<Report9>MercardのデザインプロセスとMerpayのデザイン

メルペイ プロダクトデザイナーの高山さんによるセッション。
メルカードの体験設計をどのようにビジュアライズしたのか。まずは共通認識としてメルカードのビジュアルトーン&マナーを定義し、機能的価値→情緒的価値をもとにムードボードを作成。あらゆるカードのデザインを検討し、最終的な判断軸として「欲しいか」「持ちたくなるか」「財布に入れたいか」という質感とクオリティで決定されたそうです。
特に興味深かったのが、タッチポイントのディレクションです。すべてのタッチポイントにメルカードの世界観だけを展開するのではなく、要所要所でメルカリの世界観→メルカードの世界観の順に見せることで、まだメルカードのことを知らない人たちが安心して受け取れるコミュニケーションデザインがされている点でした。あらゆるタッチポイントにデザイナーが関わることでコントロールがされているとのことでした。

会場の様子

AMA(Ask Me Anything)

各セッションの後、質疑応答よりもフランクな雑談タイムが用意されており、登壇者に気軽に話しかけられる時間がありとても良かったです。

スポンサーブースや交流スペース

リクルートさんのブース

会場には複数のブースがあり、終始和気あいあいとした雰囲気で話も弾み楽しかったです。

フェスといえばカレー

弊社カレー部員に写真を送ったところ、金沢まで食べに行ったことがあるらしい

ランチタイムは軽食が配られ、会場には出張カレー屋さんが来ていてフェス感がすごかったです。カレー美味しかった〜。
さらにランチタイムにビールも配られて、有休取ってて良かったー!!!

ニコニコしすぎてたので写真撮ってくれたw

さいごに

今まで色々なカンファレンスに参加しましたが、他とは違った楽しい雰囲気があり、コミュニケーションが非常に活発で参加してよかったです。
2日目も楽しみ!

明日はGMOペパボ シニアデザイナーのまいどんが、ハンドメイドマーケット「minne」のイラストレーションについて登壇します。イラストと聞くと感覚的に作られているように感じるかもしれませんが、プロセスがしっかりと言語化されていて学べることが多いと思います!オンラインチケットは当日分もあるようなので、興味のある方はぜひご覧ください〜!


ということで、 GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2022 次回はSUZURI シニアデザイナーのちなりんです。楽しみ〜!
(10日目が空いてるからフェス2日目のレポートも書こうかなぁ)


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