目指すのは婦人科のデジタルヘルスの完成形。ホルモン検査の次の一手は?ジェネシア・ベンチャーズ×Vitalogue Health対談(2/3)
私たちVitalogue Healthは、自宅でできる女性ホルモン検査『canvas』を2021年4月にリリースしました。canvasは私たちにとって初めてのプロダクトであり、リリースまでの道のりは貴重な経験となりました。
今回はVitalogue Health代表の長谷川とジェネシア・ベンチャーズ鈴木隆宏氏の対談の第2回です。第1回ではジェネシアが出資を決めた経緯についてお話ししましたが、第2回はホルモン検査の先に見据えるcanvas事業の展望を語ってもらいました。
(インタビュアーはVitalogue Healthのスタッフ久野)
長谷川彩子
東京大学薬学部、及び東京大学大学院薬学系研究科卒(専門:神経科学・薬理学)、London Business School MBA修了。薬剤師、漢方認定薬剤師。
アクセンチュア株式会社にて通信、製薬業界等のクライアントに対するM&A・新規事業・戦略コンサルティングに従事。2014年よりフリーランスで、日本及びイギリスにて、スタートアップ投資案件及びスタートアップでの戦略立案の双方に取り組む。その後、ゴールドマン・サックス証券株式会社投資銀行部門にてTMT/ヘルスケアセクターにおけるアドバイザリー業務に従事。株式会社アカツキの投資プロジェクトであるHeart Driven Fundを経て、Vitalogue Healthを起業。
鈴木 隆宏
2007年サイバーエージェント入社。2011年よりサイバーエージェント・ベンチャーズ(現:サイバーエージェント・キャピタル)へ入社し、日本におけるベンチャーキャピタリスト業務を経て、同年10月よりインドネシア事務所代表に就任すると共に、東南アジアにおける投資事業全般を管轄。東南アジアを代表するユニコーン企業Tokopedia(インドネシア)への投資など、多数の経営支援を実施。2018年9月末に同社を退職し、株式会社ジェネシア・ベンチャーズに参画。
目指すのは婦人科領域のデジタルヘルスの完成形
ーータカさんの目線から、長谷川さんから事業の説明を受けた当初の印象と、出資者としてVitalogue Healthと伴走してきた現在の印象で何か変化はありましたか?
鈴木:そんなに変わってないかな。仮説通りに進行している印象ですよ。
ホルモン検査キットのニーズは一定数あるはず、という前提で投資をしていて、4月に商品を発売してみたら実際にニーズがあった。それが確認できたのが現状ですね。
だけど僕や長谷川さんが本当にチャレンジしたいのはその先にあるもの。婦人科領域のデジタルヘルスの完成系を目指しているわけですから、そういう意味ではまだ“検査キットしか”やれていない。
長谷川:そうですね。まだやりたいことのほんの一部しか実現できていません。
鈴木:サービスが立ち上がってから間もないから当たり前だけどね。そう考えるとこれからのVitalogue Healthは面白いフェーズに入っていくと思います。
(画像左上がVitalogue HealthのPM久野、中央下が代表長谷川、右上がジェネシア・ベンチャーズ鈴木さん)
初めてのプロダクト開発経験で得たもの
ーー長谷川さんはコンサルやVCなどの経験はあるものの、canvasが初めてのプロダクト開発ですよね。ローンチまでの苦労は多かったと聞いています。
長谷川:頭の中ではやることは整理されてて、順々にこなしていけば大丈夫と思ってたんです。ただ、医療プロダクトということもあって、広範に、かつ精度高くやらないといけないことが見積もったよりも多かったですね。
そういった中で、ローンチ直前はタスクがあふれるような状況の中、最後の最後は私が責任を持ってやり切らないと、と思い抱えすぎてすぎてしまった時期もありました。
鈴木:もともと見積もっていたローンチまでのプランと、実際のギャップがけっこうありましたね。オペレーション整備も大変だったし、コロナの影響で検査用の物資が届かないトラブルもあったり。僕にとっても初めての経験ばかりでした。
ローンチの初動は「期待通り」
ーー苦労の末、無事に今年の3月末にホルモン検査キットcanvasをローンチできたわけですね。タカさんはcanvasの初動を見てどんな感想を持ちましたか?
鈴木:先ほども言ったように、仮説通りだなと。安い商品ではないですがオーガニックでの購入が一定数ありますし、検査後のユーザーインタビューの内容を見ても「こうなったらいいな」という期待と一致した結果が出ました。そこはすごいポジティブな要素です。
ーーある程度PMFは確認できたということですか?
長谷川:いや、あくまでもホルモン検査キットがアーリーアダプターに受け入れられたのが確認できたということです。目指しているのはホルモン検査をきっかけにしたデジタルヘルス体験を作ることなので、PMFはまだ先になります。
ーータカさんはさまざまなスタートアップのプロジェクトに携わっていますが、canvasの初動はどのように評価していますか?
鈴木:もちろん良い部類に入りますよ。toC向けのスタートアップのサービスって、初動がハズレるケースは結構あります。あれ、反応ないな?って。それに比べたらcanvasはむしろ反応あるじゃん!って手応えを勝手に感じておりました。
ホルモン検査の次の体験を作りたい
ーーVitalogue Healthがこれから目指す方向性について教えてください。
長谷川:婦人科領域のUXを最大化するのが我々がやっていくことになると思います。そのためにまず取り組むのは、検査からの次のアクションにつなげ、状況の改善を促す仕組みです。
鈴木:ホルモン検査をして、明らかに数字が悪い人はもちろん病院へ行くのを推奨します。大事なのは検査結果が「要注意」もしくは「正常」だった人です。検査をしたら次は何をすればいいのかをフォローしてあげるようなコンテンツやソリューションを拡充していくことが今後やるべきことですね。
長谷川:やるべきこと、やりたいことは無数にあるので、それを実行していく仲間がとにかく足りません。
Vitalogue Healthでは採用を強化中です!
Vitalogue Healthではほぼ全職種で採用を実施しています。canvas事業に興味のある方や、多様な働き方を実践したい方はぜひ下記リンクから採用ページをご覧ください。
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