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ビバ!フィバ!朝食だ!

どうも。

KONGです。

朝からしっかりご飯を食べる。


脳への糖分、体を動かすエネルギーを補充する事でより良い1日が迎えられる。


ビバ朝食。 


本日は学生寮にいた頃のKONG青年のお話。


高校卒業後、山口県から上京したKONG青年は学生寮で生活していた。


この寮は月〜金まで『朝食』『夕食』が食堂で提供される。(祝日は休み)


食堂に入ると、まず部屋番号のプレートを寮母さんと食堂のおばちゃんがいるカウンターに渡す。


この時顔を見せて挨拶は約束事。


プレートと引き換えにトレーを渡してもらい、その日の食事をスライド式の大きな冷蔵庫からセルフで取るシステムだ。


基本は"その日のメイン"のおかずと"小鉢"
ご飯、味噌汁は、お代わり自由。

育ち盛り、食べ盛りのKONG青年を何度も助けてくれた食堂。


ただ『朝食』には【ルール】がある。



プレートを出して挨拶をする際に『ごはん』『パン』を選ばないといけない。


それにより、パンの取り皿or茶碗が渡され、その後はおかずを一人一品ずつ取る。



【ルール】と言うほどの事では無い気もしていたKONG青年だったが、そんな甘い考えをしていたからこそ事件は起きた。



いつも通り朝食を食べに行くKONG青年。

寮母さんに挨拶をしてプレートを渡し、


「今日は!!!パンで!!!!」

と元気よくお皿をもらう。


4人がけのテーブルが2台と、6人がけのテーブルが1台置かれている食堂を見渡すと、友人が既に朝食を食べていた。

 

「おはよう。」×2


お互い挨拶をし、同じテーブルに座り食事をする。


無言の日もあれば、遅刻ギリギリまで会話が盛り上がる時もある。


その日は至って普通。


KONGが食パンにフリースペースに備え付けのマーガリンを塗り、そこに置かれている『味海苔』を乗せて焼いたトーストを食べていたら、


「それ好きだねぇ…。」


と、友人が言ってきた。


KONGは

「ん?

実家もこうやって食べとったし。

うまいぞ?

やれば?」



と、返答すると


「いや、俺は…」


友人は茶碗を"トントントントントン"と指先で叩く。


『あいしてる』


ではなく


『ごはんだよ』


のサイン。


察したKONGも

「お!

そうか、なら明日だな。」


「明日も"ごはん"だ。」


「あっそ。」


その後はお互いムシャムシャと朝食に向き合っていた。



すると、


「おい!!」



斜め向かいのテーブルから、見た事はあるが会話はした事のない先輩がコチラに向かって怒号を上げている。


首に大きなヘッドフォンを付けていたのが印象的だった。


二人はモグモグしながら無言でその先輩を見つめる。

友人に

「友達?」


と聞くと、首を傾げる。

見た目から、心も体も"シャーマンキング"の麻倉葉になってしまい"テレビに向かって怒っているおじいちゃん"が憑依したのだろう…と思い込み、スルーをして再度食事に向き合おうとすると


「オマエだよ!オマエ!!!」


と、麻倉葉(仮)はKONGを指差す。


さっぱり意味がわからないが、夜の食堂で騒いでいる日もあるので、その文句的な何かかもしれない。


「はい。」


『聞こえてます』の返事をするKONG。


すると麻倉葉は

「オマエはなんで【ルール】を守らん?」



と、睨みつけながらKONG達のテーブルまでやって来る。



ひょっとして…



先程の『やってみれば?』のやり取りを聞いていたのか?
しかし友人は"パン"を食べる事はなかったので未遂である。



勘違いかもしれないのでハッキリと



「守ってますけど?」



と、KONGが言うと、
麻倉葉は火が付いたように


「ふざけんな!!」


と、叫ぶ。


寮母さんがカウンターから身を乗り出し、喧嘩を止めに来そうになるが、麻倉葉(仮)が寮母さんにジェスチャーを送る。



『そこにいてください。大丈夫です。』



その姿は、スラムダンクの4ファールでベンチに座っている魚住と仙道のようだ。


もちろん


KONG達も寮内での喧嘩は御法度だと散々言われて来たので友人以外とは喧嘩まで発展しない。


あくまで冷静に、


言葉を間違えば、愛刀『春雨』で斬られてもおかしくない状況だ。


慎重かつ丁寧に、



眠っている獅子を起こさぬように言葉を選ぶ。



「…うるさいなぁ。」



若い。



あまりにも若かった。



UNOで最後の一枚になり"ウノコール"をするぐらい自然に出てしまった、相手にトドメを刺す言葉。


案の定、麻倉葉から星一徹に変身してテーブルをひっくり返しそうだ。


すると、


ここで麻倉さんの怒っている理由が明らかに


「海苔は"ごはん"じゃないとダメだろ!!!!」



「なんじゃそりゃ!!」



…………。


……。

数秒の口論の結果、

『海苔は"ごはん"に撒いて食べろ。』

ではなく、

『"パン"を選んだのに海苔を取るな。』

と言った主張が判明。


果たして、この寮のフリースペースにある"海苔""マーガリン""マヨネーズ""ジャム"等にも【ルール】があるのか?


ここまで来たらKONGもハッキリさせておきたい


「ダメなんですか?パンと海苔…」



と、質問をするが


「ダメに決まってんだろ!」


と、麻倉さんは即答。


友人が恥ずかしそうに

「俺…たまに…ご飯にマーガリン乗せて食べちゃうんですけど…笑

それもダメっすか?」

と、聞くと

「それは大丈夫だろ。

馬鹿にしてんのか?!」


なんだそりゃ。


(ギィィ。)


出口のない口論中に食堂のドアが開き、寮母さんに連れて来られた寮長が姿を現す。


最悪だ。


ついに麻倉葉は阿弥陀丸を仲間にしてしまう。


目が合うやいなや


「どぉい!!(土井なんてヤツはいない)」



響き渡る寮長の怒号。


声はデカく、
パーツだけならイカついが、
離れて見たらドラえもんのような、愛くるしい寮長が立っている。


「何で喧嘩してんだ!」


麻倉さんが答える。


麻「コイツがパンで海苔を食ってんすよ!」


寮「おう!ほんで?」

麻「コイツ、パン選んでるのに海苔食ってんすよ!」


寮「おう!ほんで?」


麻「コイツらルール破ってんすよ!」


寮「はぁぁぁぁッ?何したんだ?」


麻「パンを食べる時って、ごはん食べたらダメじゃないっすか?」



寮「…皿が増えるからな。」


麻「コイツ!!パンなのに海苔食ってんすよ!!」


ようやく寮長は騒動の内容を把握した。



「オマエら全員馬鹿か?

勝手にルール作るオマエも!

パンに海苔乗せて食べるオマエも!


米食ってるオマエも!」


(友人はただの飛び火である。)


麻倉さんは腑に落ちないを顔している。

「"パン"か"ごはん"は、オマエらの為じゃねぇ!寮母さんの皿洗いの為だろ!!!」


……。


漢だ。


「くだらねぇ喧嘩をしても腹は膨れねぇだろ!!

ここでは飯食って腹一杯になって帰ぇれ!!」


それだけ伝えて寮長は去っていく。

なんて漢だ。


数日前に海物語でやられて、しょんぼり自転車を漕ぐ後ろ姿とは全くの別人だった。

熱い言葉に、
心と胃袋を満たしてもらったKONGはスッキリしていた。


友人は少し傷ついていたが、傷口はマーガリンが塞いでくれた。


それからと言うもの、


麻倉さんとは廊下ですれ違うと挨拶をする程度の仲になり、食堂ではパンに海苔を乗せて食べる姿も目撃する日もあったとさ。



皆様も朝ごはんはモリモリ食べましょうね。


ビバ朝食。


それでは!


また!

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