【アメリカ】新しい移民政策の影が、わたしの周りにも忍び寄っている
アメリカはトランプ政権になって、移民政策が大きく揺れている。
不法移民を強制送還し、国境対策を強化する。
合法な手続きで入国する分には変更はないはず、と思っていたら、一部に制限がかかった。移民希望者が、合法的に亡命申請をして入国する制度が廃止された。トランプ大統領就任の当日に、である。
日本人にとっては、この制度廃止のインパクトは大きくないかもしれない。
ただし、今後、通常のビザ申請において、条件が厳しくなったり、いま以上に時間がかかるといった形で影響が出ることは十分考えられる。
この移民政策の方向性と温度感が変わったことで、わたしの周りでも、その影響が影のように忍び寄ってきている。
つい先日、第三国から仕事の転勤でアメリカにやってきた家族と話す機会があった。子どもの教育のことを考え、いずれアメリカの永住権を申請しようと考えているらしい。
まず、アメリカで仕事を得て、雇用先にスポンサーになってもらって申請する方法である。実現に至るまでには、きっといくつものチャレンジが待ち受けているに違いない。何年もかかるプランである。
そして、昨今のニュースを見るに、このプランの最後に待ち受ける永住権の申請に不安が募っているという。報道によると、トランプ氏の周辺からは、合法的な移民をも抑制すべきといった声も聞こえる(注)。
条件が厳しくなったりして取得しにくくなることは、高い蓋然性をもって予想される。それに、そもそも審査をパスできるのだろうか。そんな話を、ため息交じりに話していた。
それから、わたしの柔術の先生もそうだ。彼はブラジル出身で、現在長期ビザで滞在している。
家族がブラジルにいるので、この年末に帰りたいと思っていたらしい。でも、一旦出国して再入国できなくなったらという思いが頭をよぎったらしい。アメリカに戻れなくなったら、いまの仕事を失うことになってしまう。その可能性を考えて、この年末は一時帰国を見送ったとのことだった。彼も、いずれ永住権を申請しようと考えている一人だ。
ネットで関連情報を調べていると、トランプ氏が選挙で当選してから、グリーンカード保持者の中にも、不安の声が広がっていたことを知った。
トランプ政権が始動する前に市民権を取っておきたい。
グリーンカードの更新を前倒して申請したい。
そんな動きが出ていたのだとか(注)。
その様子を伝える記事には、現時点で有効なグリーンカードを持っていれば、そのステイタスが脅かされることはないだろうという弁護士のコメントが載っていた。
考えてみたら、そりゃそうだ。そうでなければ、法治主義が揺らぐ。大混乱である。でも、トランプ政権の再出現によって、そんな「当たり前」をも疑ってしまう空気がある。なにが起こるかわからない。そんな不透明感が不安とともに漂う。
そういえば、わたしのグリーンカードの次の更新時期はいつなんだろう。初回の更新は、取得から2年後なのだが、それ以降は10年ごと。だいたいの時期はわかるけれど、改めてちゃんと確認しておこう。
(おしまい)
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