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飛行機に乗り遅れるリスクを最小限にする方法
今日から我が家の夏の休暇が始まりました。アメリカから南へ飛び、カリブ海の小さな島へ。
フライトは昼の12時45分発でした。空港までは自宅から30分くらいです。
このフライトの時間を頭において、わたしは空港へ向かうスケジュールを頭の中でぱぱっと計算しました。
出発の2時間前に空港に着けばいいから、10時45分着。空港までの移動は30分として、ウーバーを呼ぶのは10時15分だな。
それを夫に伝え、そうだねということになりました。
ところが、前日の夜、寝る前になって、夫が言いました。
やっぱり9時半発にしよう。
え。45分も早めるの?ちょっと早すぎない?
わたしは、待つのが好きではありません。時間を無駄にしたような気分になります。本を読んだり、おやつをつまんだり、好きなことをしてゆっくり過ごせばいいようなものだけど、でも待ち時間をなるべく減らして、トントンと物事が進む方がいい。だから、わたしはいつも時間ギリギリを狙って行動していることが多い。
一方、夫は、いつも早め行動の人です。時間に余裕をもって動くタイプ。彼だって待つのは好きじゃないでしょうけれど、それ以上に時間がなくて焦ったり、万が一乗り遅れて一日を棒に振るリスクを最小限にするように行動します。
「搭乗開始時間が12時過ぎなんだよ。そこから逆算して2時間前だと10時だろ。チェックイン、セキュリティを抜けて搭乗口まで行くのに2時間みておいた方が安心だから」
なんともぬかりない夫です。そうかもね。でも空港で待つの嫌だな…。わたしの心の中の呟きが聞こえたかのように、夫はさらに畳みかけてきました。
「君たちが日本に行ったときのことを思い出してごらんよ。明日は、あの時ほどは混んでいないと思うけど、でも念のため早めに出た方がいい」
そう言われて、わたしははっとしました。思い出した。6月に日本へ一時帰国したとき、危うく飛行機に乗り遅れそうになったことを。というか、なんで忘れてたんだ。
あのときは、出発の2時間前に空港に到着しました。夏休みが始まったばかりで空港は大混雑していました。自動チェックインができず、カウンターに並んだら、1時間も待つ羽目に。セキュリティにも引っ掛かり、鞄を開けて念入りに調べられました。そして、セキュリティを抜けた時点で搭乗時間を15分も過ぎているという悲劇。よりによって搭乗口は遥か遠く。トラムで2駅乗った先のターミナルの、一番奥の端。
7歳と5歳を連れて搭乗口までの道のりを走り通しました。本当は一人で全力疾走していって飛行機を引き止めたいが、子ども達をおいていけない。間に合うか間に合わないかぎりぎりすぎて気が気じゃない。緊迫した時間だった。娘は走りながら大泣きし、息子は肩で息をしながらしばらく喋らなかった。
…という記憶がブワッと一気に舞い降りてきました。わたしは一寸のブレもなく、
「そうしましょう」
と夫に同意しました。
人生に刺激は欲しいが、あんな類の刺激はいらない。息がきれない通常のスピードで移動して、ちゃんと確実に飛行機にのりたい。頭の中で最悪のシナリオを想定したシュミレーションなんかしなくていいようにしたい。45分早く家を出ることで、そのリスクを極限まで減らせるなら、そうする。するする。
かくして、空港には10時に着きました。チェックインに多少手間取ったものの、セキュリティを無事に抜け、搭乗口に着いたのは10時半でした。搭乗時間まで1時間半もあります。
心の静寂。なーんにも心配いらない。
待ち時間には、ポットベリーのサンドイッチで軽い昼食にしました。
そしていま、わたしは大海原の上空を飛んでいます。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
これは、飛行機の上で作ったストックです。早速使ってしまいました。