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人生のステージが変われば、金曜日のキモチが変わる

金曜日といえば、独身の頃は、いつも例外なくわくわくしていた。

この日を乗り切れば、仕事を切り上げて街へ繰り出す。誰かと美味しいものを食べたり飲んだり。どうでもいい、しょうもないことを喋り倒したり。

それか、一人で静かに食事を済ませて、心ゆくまで本を読んだり、勉強したり。賑やかでも静かでもどっちでもよかった。ただ、気の向くままに過ごす時間が好きだった。

だが、家族ができて、会社勤めをやめて、金曜午後の様相はだいぶ変わった。

今日は金曜日。ちらっと時計を見ると、4時前だ。もうすぐ子どもたちが、スクールバスで帰ってくる。自宅から歩いて5分ほどのバス停まで迎えに行く。

子どもたちは、これから始まる週末への期待に、心を弾ませているに違いない。学校がない土曜日と日曜日。どんなことをして遊ぼうか。

考えてみれば、いまのわたしには、かつてのような、週末に向けた解放感とそれに伴う高揚感はあまりない。理由は簡単。平日に抑圧されていないからだ。

むしろ、週末の方が大変だったりする。家族みんなでなにをするか、どこへ行くか、なにを食べるか、プランを考えて実行しないといけない。

といっても別に義務的なわけではない。その過程は、わいわい、がちゃがちゃ賑やかだ。怒りや苛立ちもときに混ざるが、概して笑いが多い。

でも、月曜の朝、子どもたちが学校に行った後、いつもほっとするわたしがいる。静寂がもどって、一人になり、ふっと一息つける。こういう時間が、わたしにはどこかで必ず必要だから。

週末にぐったり疲れて、月曜に回復する。

わたしの周りでも、こういう感覚の大人は結構多い。

(おわり)

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