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公園で会ったママ友から、コミュニケーション能力を学んだ話

昨日より少し気温が下がったらしい。外に出ても、むわっとしない。

わたしは、朝のひと仕事を終えてから、子どもたちを近くの公園へ連れて行きました。

皆、考えることは同じなのか、公園にはたくさんの子どもたちが遊んでいました。その中に、息子と娘の友達を何人か見つけました。

子どもたちがみんなで一緒に遊ぼうと盛り上がり、鬼ごっこをすることになりました。わたしも半ば強引に引きずり込まれ、最初の鬼に指名されました。オッケ。大人の万能ぶりを見せつけるつもりで、乗っかかります。

順当に誰かにタッチしました。すると、その鬼も、次の鬼も、わたしをロックオンして突進してきます。子どもたちから思わぬ集中砲火を浴び、追いかけまわされる羽目になりました。常識人のわたしは、適当な間隔で鬼役を引き受け、特定の誰かに偏らないように考えながら、鬼のバトンを配分しました。

でも、汗がにじんできたところで、もう十分頑張ったと自認しました。後は若い君らで遊びたまえと子どもたちに言い放ち、わたしはベンチに腰かけることにしました。

数歩ほど歩き出したところで、手前のベンチに座っていた女性に突然声をかけられました。

やっぱりアナタね!そうじゃないかと思ってたの!

彼女は、かけていたサングラスを外しながら立ち上がりました。

よく見ると、息子と同学年の男の子のママさんです。名前はケイティ。一度、学校のボランティアで一緒に活動したことがあります。それ以来、学校のいろんな場面で顔を合わせるたびに立ち話をする仲です。

「ケイティじゃない!会えて嬉しい!」

わたしはハグを交わしながら挨拶をしました。わたしは彼女が大好きなので、偶然会えたことを心から喜びました。

「夏休みはどう?どこかに行った?」

と聞くと、彼女はにっこりと笑って答えました。

「わたしと夫の実家に帰省したのよ。アイオワとカリフォルニア。カリフォルニアはめっちゃくちゃ暑かったわ!」

「あなたは?」と聞かれて、

「わたしたちは、学校が終わってからすぐ日本へ行ってきたの」

とわたしは答えました。それを聞くなり、彼女ははっと表情を変えました。

「噓でしょ!わたしたちも昨年の夏に日本に行ったのよ。日本ってとっても素敵なところね。東京、大阪、京都、広島と行ったけれど、わたしのお気に入りは大阪だわ」

日本のことを話しているのを聞きつけた息子がいつの間にか寄ってきて、会話に加わりました。時差ぼけで真夜中にコンビニのご飯を食べたとか、大阪はたこ焼きがうまいなどと横からコメントしました。日本のことならボクに聞いてくれと思っているらしい。かわいいヤツです。

しばらく話してから、ケイティの連れている小さな子にはたと気付きました。聞くと、知り合いの子どもの面倒を見てあげているとのこと。

「わたし、幼稚園の先生をしているの。夏休みの間は、学校がなくなるから、ベビーシッターを引き受けているのよ」

ケイティが幼稚園の先生だったとは知りませんでした。でも、納得です。学校のボランティアを一緒にしたとき、子どもを扱うのがとても上手でしたから。とても感心したのを覚えています。

その後も、他愛のない会話を続けていると、習いごとの時間が迫ってきました。そろそろ帰らなければならないことを告げると、

「わたしたち、この公園にはよく来ているの。また今度来るときは連絡するわね!」

それから、「今日は会えて良かった」ともう一度言って、にこりと大きな笑顔をつくって見送ってくれました。

ケイティに会うと、いつも心が上向きます。わたしは彼女が大好きです。告白したいくらいです。

彼女はとにかく明るい。そして元気です。落ち込む日や調子の悪い日だってあるだろうに、会うたびにこっちの心にまで明るい光を届けてくれます。

それに、いつも会えたことを大音量で喜んでくれます。嬉しいという気持ちを余すところなくこっちに伝えてくれる。それを受け取ったわたしは自動的に嬉しくなります。

それから、わたしのことに興味をもって話してくれているのが感じられます。それによって、心がくすぐられる。心地よく会話を楽しめます。

帰り道に、頭の中で「ケイティが好き」を因数分解していったら、彼女のコミュニケーション能力の高さに気づきました

そうか、彼女はコミュニケーション能力が抜群に高くて、自分も相手も会話を楽しませるコツを身につけているんだな。

それは、相当部分、自然に備わっている能力のような気がします。でも、意識して習得した部分もあるんだろうか。ふと疑問に思いました。

今度会ったら聞いてみるつもりです。


読んでくださり、ありがとうございました。

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