ケーススタディ試験とは/似ているインバスケット試験の対策とは全く違います!
ケーススタディ試験とは、特定のビジネスシチュエーションや問題を題材にして、受験者がその状況をどう分析し、どのような解決策を導き出すかを評価する試験形式です。特に昇進昇格試験などの場面で、受験者の実務能力やリーダーシップ、問題解決能力を総合的に評価するために用いられます。
ケーススタディ試験の概要
問題形式
ケーススタディ試験では、特定の事例(ケース)が提示されます。これには、実際のビジネスシーンに似た設定で、会社内外で起こり得る問題や課題、シチュエーションが含まれています。
たとえば、「部署内での人間関係のトラブル」や「新製品の売上不振に対する戦略的な対応」といった内容がテーマになります。
受験者が求められること
問題の分析:提示された状況を正しく理解し、何が問題であるかを特定すること。
解決策の提案:その問題に対して、現実的で実行可能な解決策を考える。
リーダーシップ・マネジメント能力:組織内でどのようにリーダーシップを発揮し、チームや部署を率いて問題を解決していくかを示す。
論理的な思考:解決策に至るまでのプロセスや判断が論理的で、一貫性のあるものであることが求められます。
評価ポイント
問題認識力:問題の本質を正確に理解しているか。
問題解決力:具体的で実現可能な解決策を提案できるか。
意思決定力:適切な判断を行い、リスクを踏まえた意思決定ができるか。
リーダーシップ:チームや組織を導き、目標達成に向けて効果的に指揮できるか。
コミュニケーション能力:チーム内外で効果的にコミュニケーションを図れるか。
倫理観・コンプライアンス:ビジネス倫理や法令遵守の観点を持っているか。
ケーススタディ試験の目的
実務能力(問題解決能力)の評価:ケーススタディ試験は、単なる知識を問う試験ではなく、実際のビジネスシーンにおける行動力や判断力、問題解決力を評価することを目的としています。これにより、受験者が昇進・昇格後に責任あるポジションで実際に業務を遂行できるかを判断します。
リーダーシップ・マネジメント能力の確認:管理職やリーダー層を目指す試験では、ケーススタディを通じてリーダーシップやマネジメント能力が評価されます。受験者が組織を統率し、効果的に運営できるかを見極めるための試験です。
ケーススタディ試験の特徴
実際の業務に即したシチュエーション
ビジネスの現場で起こり得るリアルな問題や課題が提示されるため、受験者が自分の経験やスキルを応用して解決策を考える必要があります。応用力が求められる
ケーススタディ試験は、単なる知識の確認ではなく、知識を応用して実務上の問題をどう解決するかが問われるため、実践力が重視されます。解答が一つではない(王道解答は存在する)
ケーススタディ問題には決まった「正解」がなく、正解も人それぞれで、様々なアプローチや解決策が可能です。そのため、論理的な思考や判断の過程が評価されます。
ケーススタディ試験の実施形式
多くの企業で実施されているケーススタディ試験は、以下のように
制限時間1時間
ケーススタディ問題が記載された問題用紙(およそ1200~1500文字程度)
A3の解答用紙に以下の問題1と問題2に対する解答を記載
A3解答用紙には罫線が引かれ、問題1/2の解答エリアが指定されている
問題1「ケーススタディにて、問題を抱えている立場の主人公(だいたいリーダーや中間管理職という設定)の視点で、主人公が解決すべき問題を抽出せよ」といったもの
問題2「問題1にて抽出した問題に対して、解決策を優先度に応じて具体的に記入せよ」といったもの
実施に自宅でケーススタディ筆記試験の練習をする際には、A3の白紙を用意し、ケーススタディ試験の本番さながらで練習することをおすすめします。
また、筆記試験はもちろん「手書き」です。
日常では、パソコンでのタイピングしかしておらず、久しぶりに手書きでたくさんの文字を書くと「スピードが出ない」「漢字が書けない」「字が汚い(採点者が読めないレベル)」といったことも練習の序盤で痛感します。
できるだけ多くの問題を解いて、慣れて、地道に勘を取り戻す、体に覚えさせるしか方法はないです。
なので、ノウハウを頭に詰め込んだだけでは対策は足らず、いかにそのノウハウに沿って時間内にたくさんアウトプットできるかが、ケーススタディ筆記試験の肝です。
インバスケット試験との違い
これはこれまでも指導している中で、大変多く聞かれた質問で、確かに似ている試験なのですが、目的やその試験で何を評価したいか、そもそも異なります。自分なりの理解を下記の表にまとめてみました。
また、インバスケット試験対策第一人者の鳥原隆志氏が、わかりやすい動画をあげていますので、こちらもとても参考になります。
※ご参考
インバスケット試験の対策をしたい方は鳥原氏の書籍がおすすめです。私も購入させていただき、大変お世話になりました。
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