【東京市場IPO⑭】承認銘柄の事業内容を軽く見てみる(13銘柄目)
72日目です。
しばらくご無沙汰してしまっておりました、このシリーズ。
別に辞めたわけではないんです。
どうしても、今回取り上げる銘柄は半端な気持ちでやりたくなくて、先延ばししていたら、上場しちゃいました( ;∀;)
今更ながら、これをチャンスと見て普段は触れない上場後に開示されるものもプラスして見ていきながら、さらっと見ていきましょう。
いつも通り前提は以下をご参照ください。
本日は ビジョナル株式会社を見てまいりましょう。
ディスクレイマー
・当該記事は、投資の勧誘を目的とするものではありません。 ・一般に公開されている情報を元に、記載をしており、嘘を書いているつもりはありませんが、誤解等があった場合、追記修正する可能性もございます(情報に基づいて被ったいかなる損害についても、記載者は一切の責任を負いません) ・あくまで投資判断はご自身の判断でお願いいたします ・銘柄の良し悪しを断定する意図は一切ございません
この人も大分懐かしい感じですね。
①概要
社名: ビジョナル株式会社
事業内容: プロフェッショナル人材に特化した会員制転職プラットフォーム「ビズリーチ」等の運営
上場市場:マザーズ
承認日:2021年3月17日
上場日:2021年4月22日
②事業内容
以下については、出所:Ⅰの部から記載、太字は記載者追記
当社は、持株会社として当社グループの経営方針策定及び経営管理を行っています。当社グループは、当社、国内子会社5社(株式会社ビズリーチ、ビジョナル・インキュベーション株式会社、株式会社BINAR、Cloud Solutions株式会社、トラボックス株式会社)、国内関連会社1社(株式会社スタンバイ)で構成されております。
HR Techセグメントはビズリーチ事業、HRMOS事業及びその他のHR Tech事業で構成されています。
(1)ビズリーチ事業
① サービス概要
『ビズリーチ』はビジネスプロフェッショナル、国内外の優良・成長企業、各業界に精通したヘッドハンター(人材紹介会社に所属する転職エージェント)の三者を、効率的にマッチングするプロフェッショナル人材(管理職・専門職等)に特化した会員制転職プラットフォームです。
② 転職(採用)業界に変革を起こした『ビズリーチ』
従来、終身雇用制度や新卒一括採用等の雇用慣習の影響もあり、日本の労働市場の流動性は低い状態が続いており、それゆえに多くの企業は、プロフェッショナル人材の採用を人材紹介会社やヘッドハンターに任せる他なく、主体的な採用活動を行いにくい状況にあったと考えております。また、転職活動中のプロフェッショナル人材としても、自らのキャリアの選択肢が可視化されにくく、本来あるべき可能性も見出すことができない状況にあったと考えております。一方海外では、企業が人材採用プラットフォームやビジネス・ソーシャル・ネットワーキング・サービス(ビジネスSNS)などを利用して、条件に合った人材に対して企業から直接アプローチして採用する「ダイレクトソーシング」が主流であり、企業は自社の採用ニーズに基づいて主体的に採用活動を行い、求職者も自身の経歴やスキルに関する情報を人材採用プラットフォームやビジネスSNSに登録することで、魅力的な採用ポジションに関する情報を得る可能性を高めてきたと考えております。そこで当社グループは、日本の転職市場に「ダイレクトソーシング」の概念を持ち込み、企業が必要としている人材を採用するために、あらゆる手段を主体的に考え、能動的に実行する採用活動「ダイレクトリクルーティング」(注)という言葉を創り出し、プロフェッショナル人材に特化した人材採用プラットフォームである『ビズリーチ』を開発しました。従来、企業と求職者が直接やりとりできるプラットフォームがなかった人材業界において、『ビズリーチ』は、採用活動に取り組んでいる企業とヘッドハンターに人材データベースを開放することによって、日本のプロフェッショナル人材の転職市場を可視化したと考えております。電子商取引(Eコマースプラットフォーム)の出現によって引き起こされた小売市場の構造的変化(Eコマース革命)と同様に、インターネットによる人材採用市場の可視化を目指し、転職市場の透明性と生産性を高めてまいります。企業は求職者へ直接アプローチすることで、優秀な人材をより速く、より安い採用コストで採用できるようになり、求職者も今まで知り得なかった企業からアプローチを受けることで、キャリアの選択肢と可能性を広げられるようになったと考えております。
上記表内のリカーリング売上高及びパフォーマンス売上高の合計を100%とした際の各売上高の比率は、2020年7月期において、リカーリング売上高28%に対しパフォーマンス売上高は72%となっております。
2018年7月期から2020年7月期の年平均成長率(CAGR)は、リカーリング売上高30%、パフォーマンス売上高32%で成長しております。
また、上記表内の直接採用企業からの売上高とヘッドハンター(人材紹介会社)からの2020年7月期の売上高の構成比率は、直接採用企業からの売上高61%に対し、ヘッドハンターからの売上高は39%となっております。
ビズリーチ事業の外部顧客に対する売上高は、創業以来高い成長性を保ち、2018年7月期から2020年7月期の年平均成長率(CAGR)は、31.4%と市場成長予測(注)を大きく上回る成長率を実現しています。
(2)HRMOS事業
① サービス概要
人財活用プラットフォーム『HRMOS(ハーモス)』(以下、本項目で「『HRMOS』シリーズ」という。)は、採用から入社後の活躍までの情報を一元化・可視化することで、エビデンスに基づいた人財活用を可能にする
サービスです。客観的な判断に基づく「採用・評価・育成・配置」が可能になることによる企業や組織の継続的な成長を実現します。
③事業系統図
出所:Ⅰの部
④所感
「ビジョナル」と言われると、パッとわかりませんが、
上述の通り、人差し指で有名な「ビズリーチ」を運営している会社です。(正確には子会社がですが)
導入企業数や、登録者数も以下の通り
順調に伸びています。(なんか数字の後ろの”以上”って不思議な表記ですね)
ビズリーチ事業で特筆すべきはダイレクトリクルーティングです。
出所:事業計画及び成長可能性に関する事項について
当社のいうエグゼクティブ人材を採用する際は、今までは、
転職したい「求職者」と採用したい「採用企業」の間に「ヘッドハンター」が入っており、
「求職者」にとっては「ヘッドハンター」としか話せないので、「ヘッドハンター」のバイアスのかかった求人しか見ることが出来ない。しかも、性悪説で見るなら、「ヘッドハンター」の収益が一番上がる先しか紹介していないかもしれない。
「採用企業」にとっても、「ヘッドハンター」のバイアスがかかった「求職者」リストのみからしか、情報を得ることが出来ない。
そのような「ブラックボックス」がエグゼクティブ人材の採用において存在していた。
実際に、当社南社長がモルスタから転職する際に感じた経験を元に創業し、ブラックボックスを解消するプラットフォームである「ビズリーチ」を開始しました。
また、既存の人材紹介と大きく差別化を図ったのは、
「求職者」からの月額課金です。
通常このような人材紹介は、ちょっと言い方が悪いですが「求職者」が商品であり、企業に送り込むことにより成果報酬を得るパターンが多いです。
そのため、商品ラインナップを増やすために、求職者のお金の持ち出しが発生する例はありませんでした。
そこに変革をもたらしたのが、ビズリーチであり、「求職者」から月額課金を取ることにより、本気度の違う「求職者」を集めることに成功しています。
まぁ、超弩級のエグゼクティブ人材は、やっぱりプラットフォームを利用せずヘッドハンター経由での流通は今も変わっていないのでしょうが。
そのような一部アッパークラスの人材を除いたエグゼクティブ人材は自身の市場価値を図る意味でも登録する感じなんでしょう。
ビズリーチ事業だけではなく、人材管理、採用SaaS系のサービスである、「HARMOS」も運営しています。
こちらはKPIも開示しており、
ARR10億円を突破しています。以下記事で軽く触れましたが、
freeeの2021/6期1Qの決算説明資料における、ARRが92.7億円です。
単純に比較もできませんが、freeeのサービスローンチがⅠの部によると2013年3月、HARMOSが2016年6月ですので、約3年差ですね。
freeeのすごさがわかると共に、ビズリーチ事業という土台をしっかり成長させながら、HARMOSも成長させているのは、とてもすごいのではないでしょうか。
(もっと開始年に差があって、HARMOSすげぇって書きたかったのは内緒( *´艸`))
ビズリーチ事業における、市場環境も
堅調な伸びが見込まれており、成長余地も
非常に残されているという試算の様です。
出所:各種画像については「事業計画及び成長可能性に関する事項について」
売上構成については、たぶん詳細は開示していなさそうですが、
8割以上がビズリーチ事業の売上の様です。
今後の、ビズリーチ事業の伸び及び、他の事業の成長が気になるところですね。
あと、この銘柄は大半が海外オファリングがすごい話題になっていました。
事業内容を軽く触れるという趣旨の為、あまり触れませんが、
今回上場で特徴的なのが、発行株式の9割近くがグローバル・オファリング、つまり海外市場でも同時に募集・売り出す資金調達を行うことだ。近年ベンチャー企業ではLINE、メルカリ、freeeなどが該当する。約9割をグローバルに売り出す理由を、南氏は「明らかに経営戦略と(海外投資家の)時間軸が合っているから」と、説明する。
出所は以下
なんだか、いつもより私見が多くなってしまいましたが、
冒頭の、「半端な気持ちでやりたくない」とこの文量の多さで何かを感じていただけるかもしれません。
なんか触れるべきところ触れていないような気もしますが、本日は以上です。