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あの色の空は綺麗だった【6】

周りはとにかく走る人でいっぱいだ。
泣き叫ぶ人や狂気に満ち溢れている人がごちゃ混ぜで走っている。

とりあえず家のガレキをどかす。
これが合っているかもわからないがどかす。


すると遠くから「ハンク!!!」
聞き覚えのある声が聞こえた。

母親だ。安心感で涙が溢れる。
だが、そんな暇もなく手を引っ張られた。

「逃げるよ!」
「一体何があったの?」
「隣国が攻めてきたんだよ!」


よくわからない。
そもそも隣国とはそんなに危ないものなのか。

僕のイメージでは、"あの虹"がさしかかっている
湖や森が生い茂っている幸せの国だった。

幸せに暮らしている人々がたくさんいる国だと思っていた。


しかし、現実はたくさんの飛行機が飛んできて、
なぜか僕らの街を襲い始めている。

なんでこんなことになっているのか、
子供の僕には理解できない。


母親に思わず聞いてしまった。
「なんでこんなことになってるの!?」

母親は黙って僕の腕を引っ張っていく。
多くの人が走っている方向に向かって僕らも走った。


ただ、この先に何があるのかはわからなかった。

「答えてよ!」「隣国がこの国を襲ってるんだよ!」
「なんで!?」「この国が欲しいから!」

簡単な答えだが、すごくわかりやすかった。
「幸せの国は悪魔の国だった」そういうことだ。




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