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#3 色は吸う

とりあえず王道の手段として、扉を死ぬほど叩いてみる。五体満足で身体中は動かせるので、色々試すことはできた。

扉は一切動かない。叫んでも声も聞こえない。八方塞がりであることは理解した。

その瞬間、チャイムが鳴り始めた。
「20時になりました。集合の時間です。」

聞いたこともないアナウンスが流れた後、扉が開いた。
あまりに不自然すぎたが、扉の先にいくことに。

と言っても、ひたすらクネクネ道が続いていた。
コンクリートの床に天井には配管。「ゴォォォーーーン」という怪しい音が永遠に聞こえてくるだけ。

道なりに80mほど進んだところに白い綺麗な扉がある。扉の横にモニターが急に喋り始めた。

「指紋を認証してください。」

いや、指紋を取られた記憶もない。ただ、この空間には自分しかいない。通路も一直線で他の部屋はなかった。

言われたままにモニターに指紋を載せると
「風間さん、ようこそ」というアナウンスと共にロックが外れた音がした。

名前まで知られていた。今まで実感していなかった恐怖が腹の底からマグマのように浮かんでくる。

ただ、黙っていても仕方がない。どうにでもなれ、という気持ちで扉に手をかけた。

扉の先には、真っ白な空間に丸イスが8個、大きなモニターが並べられていた。

そこに3人の男女が座っていて、談笑している。

「おーーーーー!!!!今度はイケメンだ!」
声を聞いただけで、嫌悪感が覚えるタイプの男性がこちらに向かって話してきた。

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タクシ
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