世界を終わらせて【9】
「どうも」「あ、はい。この前の。」「すいませんでした。連絡先知りませんでした」「まぁ、教えていませんでしたから」
なんだこのLINE。史上最強にそっけない。
ただ、仕方がないことだ。これは自分に罪があるとしか言いようがない。簡単に言えば、単独事故だ。
「とりあえず、色々と話を聞きたいので、一度ご飯でも行かないですか?」
「奢りなら」
なんだこいつ。想像の5倍は冷たかった。ただ、ここでキレていても仕方がない。
とりあえず会ってくれるならそれでいい。予定をつけて、彼女と会うことにした。
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XDAY。大げさかもしれないが、顔も覚えていないミカちゃんに会う日付になった。
なんだろう落ち着かない。彼女でもできたかのごとく、ワックスで髪を固めて、お気に入りの襟付きシャツで出かけた。
一応、奢って謝るつもりなので、しっかりとお金も多めに持った。
ちょっとおしゃれな喫茶店が待ち合わせ場所だ。絶対こんな時以外こない。
「先についてる」というメッセージがきた。10分前にこんなメッセージが来るなんて、よほど暇か、礼儀正しくすぎるかのどっちかだ。
とにかく急いだ。喫茶店の扉を開けると、あからさまにこっちを向いている不機嫌な顔があった。
きっと彼女なんだろう。
「初めまして」「初めまして!」
LINEとは違うようなテンションの声が飛んできた。
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