プレーン味 Day6

Day6

今日は朝からサンドイッチを頬張る。
同居人とお気に入りのカフェでゆっくりと過ごしていた。

もう少し寝ていたかったなんて言うと、
不機嫌になるので黙って付いてきた。

他人に合わせた生活を送っていると、
自分の意見を押し込めがちになる。

それにストレスを感じない自分はかなりの重症だ。
だからこそこの関係が続いていることもある。



隣の席のカップルは
タピオカを求めているらしい。彼女だけ、だけど。

タピオカという飲み物の良さはあまり分からない。
エモいらしい。

あんなつぶつぶしたものが世の中のトレンドになるのであれば、
”世も末”だと思うのは自分だけだろうか。



タイトルも知らない洋楽の中で同居人が
「旅行に行きたい」と言い始めた。

珍しい。あまり家から出たくない人が”旅行”とは。

二人でスマートフォンを頼りに行きたい場所を考える。
新鮮でちょっとウキウキした。

久しぶりの高揚感があった。
グルメ、温泉、海。

普段の頭から抜けていたファンタジーな言葉が
久しぶりに口から出てきた気がする。



カフェを出ると雑貨屋、服屋を見て
帰宅するのがいつものルートだ。

帰り道はあーでもこーでもないと
旅行の話を進めていた。

結果的に行きたいのは”南の方”だった。
「海とグルメ」をチョイスして南の島国に行く。

僕が第一に思い浮かんだのが、「水着見れんのかぁ」なのは、
誰にも言っていない。



帰宅すると、いつも通りのテンションになった。
ただ、黙々とご飯を作り、各々の時間を過ごす。

ワクワクとはかけ離れた空間で
僕たちは今日も眠りについた。