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プレーン味 Day7

Day7

柄にもなくテンションが上がった次の日。

同居人は友達と遊びに行くらしいので、
掃除をしながらお留守番だ。


家でゆっくりと洋画を観た。
ちょっと前話題になったラブストーリーだ。

観たかったわけではないけど、
なんとなく目に止まったので借りてみた。

だいたいストーリーは読んでいた通りだ。

男と女が出会って良い感じになって、間男が現れて
最初の男に戻ってきて「はい、ハッピーエンド。」


結局は寄り道することも大切だとも言いたいんだろうか。
浅い。浅すぎる。

これが世の中のモデルとなっているのであれば、
”枠にはまる”というのは実につまらない。

なんとなくつまらない世の中に飽き飽きした。
ベッドに篭って昼寝しよう。


起きたら、痛々しい目線がこっちを向いていた。
同居人のお出ましだ。


今日は一緒に料理を作る約束だった。

餃子パーティをする予定だったので、早めに帰ってきたら
一緒に作る相手が寝ていたらしい。



一緒に餃子の餡を包んでいる間に聞いてみた。

「他の男の方が良いって思ったことある?」
「なしたの急に?気持ち悪い」
「映画がそういう展開だった」
「あー、なるほどね」


ちょっと笑って新しい餃子の皮を出しながら、
彼女は言った。


「君は家。帰る場所。
私は家を掃除するし、ちゃんと手入れもする。
ガスを付けっ放ししたり、窓を開けっ放しにするみたいなクソとは違う。
知らないに空き巣に入られたら不安で生活できないじゃん。」

例えがヤケに下手だったけど、なんかニヤッとしてしまった。
ムキになったのが可愛かった。

こんなに喋らないのに。久しぶりに彼女の感情を見た気がする。

「餃子作りすぎたね。」
「明日の夜ご飯も確定です。」


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