世界を終わらせて【10】
「ミカです!」
想像の20倍エネルギッシュな女の子だった。若干、引いた。
どうやら、もう手元にカフェオレはあるので、注文は終わってるっぽい。
自分もミルクティーを頼んだ。インドに行ってからお茶にはまっている。前なら絶対コーヒーを頼んだだろう。
「まずはごめんなさい。」こちらから素直に謝ってみた。
「何がですか?」
いや、何がとか言われても謝る箇所が多すぎる。
・覚えてすらいないこと
・コトを成してしまったこと
・連絡すらいれなかったこと
思い浮かんだだけでも、これだけある。素直にこの3つを伝えたところ、「それは私にも責任があります。私も日本にいなかったので。」
どうやら自分と同じように別の国に行っていたみたいだ。
「こちらからも連絡をとろうと思ったのですが、フライトがすぐだったので。ただ、覚えてないのはひどいです。反省してください」
なんか怒られた。
「どこ行ってたんですか?」
「インド」
「私はインドネシアです。」
なんか軽い。
「インド楽しかったですか?」
「めちゃくちゃ楽しかったよ」
「インドネシアもめちゃくちゃ楽しかったです!海綺麗でした!」
なんかめっちゃ話してくる。
お分りいただけただろうか。ここまでほぼ相手のペースだ。
「なんでインド行こうと思ったんですか?」
「ちょっとその前にいいですか?自己紹介していないです。」
いや、もう遅いのかもしれないけど、改めて名乗る必要があると思った。
「あ、ごめんなさい。冴島美香です。」
「枝野亮太です。」
「んで、なんでインド行こうと思ったんですか?」
この暴走列車のような女の子が、文字通り暴走し始めた瞬間だった。
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