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#金沢グルメ
【人生最期の食事を求めて】解放と洗練が演出された空間での一抹の後悔。
2024年4月20日(土)
木倉町さんぼ(石川県金沢市木倉町)
夕闇が迫っていた。
騒々しくなる前に片町から脱しようと、昨夜と同様に木倉町に向かった。
街の喧騒は突如として消え、安寧とした空気が静々と流れていた。
300年以上の歴史を持つ街も、木材蔵から多彩な顔を持つ商店街へと変貌したという木倉町は、そこはかとなく懐かしさを覚える町である。
ひとつ、またひとつネオンに灯が点り始める。
振り返
【人生最期の食事を求めて】唐突に出逢った金沢立喰いそばの熟達。
2024年4月21日(日)
加賀 白山そば(石川県金沢市木ノ新保町)
物足りない朝食後、金沢を去る束の間のひとときを散策することにした。
おもてなしドームの地下に続く階段を降りてみる。
そこはひと気がなく仄暗い。
それに無駄に広いというべきか、余白が有り余るほどの空間が広がっている。
きっと何かのイベント時に活用されているのだろう。
その奥の窓辺には金沢駅全体の模型の鼓門の模型が展示され、さ
【人生最期の食事を求めて】無表情、無為、そして無感動の朝。
2024年4月21日(日)
カンパーニュ クチーナ&バール(石川県金沢市木ノ新保町)
スペインが生んだ偉大なチェリストであるパブロ・カザルスは、彼が敬愛したバッハの「プレリュード(前奏曲)」と「フーガ」の2曲を、80年以上にも渡り毎朝の日課として演奏してきたことは有名な逸話である。
その絶え間ない探求と研究と鍛錬の日々は、チェロの聖書とも呼ばれる「無伴奏チェロ組曲」に結実した。
10代の頃に買い
【人生最期の食事を求めて】寿司王国金沢に潜む期待という名の幻想。
2024年4月20日(土)
まわる寿し もりもり寿し近江町店(石川県金沢市近江町)
古いデータになるが、総務省が2015年に公表した「平成26年経済センサス」 によると「人口10万人あたりの寿司店の数」トップ5は以下の通りになっている。
第1位 山梨県
第2位 石川県
第3位 東京都
第4位 福井県
第5位 静岡県
海のない山梨県が第1位というのは、しばしばマスメディアの紋切り型の情報ソースにな
【人生最期の食事を求めて】若さと活気と品格が共存する北陸再興の灯火。
2024年4月19日(金)
居酒屋花組(石川県金沢市木倉町)
2024年1月1日(月)。
定刻を15分程遅れで出発した飛行機はあの能登半島地震によって小松空港に着陸できず、余儀なくセントレア中部国際空港に回避した。
その記憶を拭い去れないままに、私は再び飛行機に搭乗した。
飛行機に乗っている時もしばしば脳裡をよぎるのは、あの地震の再来だった。
無事に小松空港に到着した時、私は大きな安堵に包まれ
【人生最期の食事を求めて】魚とおでんと店の喧騒に飲み込まれる片町の夕刻。
2024年4月20日(土)
金沢炉端あっぱれ金沢片町店(石川県金沢市片町)
ひがし茶屋街の一角から三味線の音がそこはかとなく耳に届いたかと思うと、町家の玄関の庇に巣を作った燕が頭上をかすめた。
欧米系の外国人観光客の姿が見受けられたものの至って少なく、ある意味で心地よい閑散具合と思えた。
午前中のひがし茶屋街は思いのほか平穏としている。
統一感を保った外観はもちろん色彩にも統一感の配慮がなされ
【人生最期の食事を求めて】海鮮王国が放つ早朝の贅。
2023年10月7日(土)
いきいき亭近江町店(石川県金沢市)
【人生最期の食事を求めて】海鮮王国が放つ早朝の贅。
カーテンの隙間から朝日の兆しがそれとなく溢れていた。
午前5時。
まだ起き上がるには早すぎるが、無理をして眠ることを拒み、
カーテンを開け放ち、日本海側の空に蠢く雲を切り裂くように昇る朝日をしばらく眺めた。
空と雲。
私の頭上に広がる空は無限に拡張しそこに夢想を乗せれば、私の精神
【人生最期の食事を求めて】鰯を主役に据えた創意工夫と具現。
2023年10月6日(金)
鰯組(石川県金沢市)
湿気を孕んだ雲の体積が今にも空から落ちて来そうなほど重たげに日本海の空を埋め尽くしていた。
北陸新幹線の開通によって生まれ変わったJR「金沢」駅兼六園口に威風堂々と構える鼓門と雲とのコントラストは、どこか荘厳な風情を称えている。
能楽や加賀宝生といった金沢の伝統芸能をイメージした作られたそれは、迫力のある存在感とは裏腹に繊細な幾何学模様を織り成