ジャービルの食事(内容)
ジャービルに与える食事は主食のフードを基本に、少量の副食を加えます。
良質なジャービル専用のフードを与えるのがベストですが、海外ほどジャービルがペットとして普及していない日本では専用のフードを探すことは難しく、ハムスターやラット等のフードを代用することが一般的となっています。
しかしジャービルの必要栄養素は他のげっ歯類とは少し異なるため、市販のフードを選ぶ際は注意が必要です。(「ハムスター&ジャービル用」と記載のある商品でも実際はハムスターに合わせて作られている場合が多いです。)
ジャービル専用ではないフードを与える場合は、副食で栄養バランスを調整する必要があります。
主食
ジャービル専用フード、もしくはハムスターやラット用のフードの中からなるべくジャービルに適した栄養成分のものを選びます。
特にたんぱく質と脂質の割合は重要ですので、成分表示をしっかり確認してください。
成長段階によって異なりますが、たんぱく質が15~18%、脂質は3~9%が目安となります。
ペレットタイプ(固形飼料)、ミックスフードどちらでも構いませんが、ミックスフードを選ぶ際はビスケットや過度に着色されたペレットが入っているもの、トウモロコシの比率が多すぎるものは避けます。
また、ウサギやモルモット、デグーなど草食動物用のフードはジャービルに与えてはいけません。
必要栄養素が違うことに加え、ジャービルは盲腸や結腸が草食動物のように発達しておらず消化することが出来ません。高繊維すぎる食事は健康トラブルの原因となります。
副食
種子、穀物類
種子や穀物は野生下で主に食べているものの一部です。
小さな実を探し出し皮を剥きながら食べるという自然界での採食行動を飼育下でも行わせてあげることができます。
数種類の種子や穀物が配合された良質なミックスフードを与えている場合はあえて加える必要はありませんが、ペレットタイプのフードを主食にしている場合は加えてあげると良いでしょう。
種類によって栄養価が異なるので、単一ではなくなるべく複数の種類を混合します。フィンチやセキセイインコ用のシードミックス、オカメインコまたはオウム用のミックス、鳩用の種子類のミックスを使用すると便利です。
週2~3回、もしくは毎日少量を主食に加えます。
与えられる種子、穀物
キビ、ヒエ、アワ、麻の実、エゴマ、カナリヤシード、ごま、オーツ麦(燕麦)、大麦、小麦、トウモロコシ、サフラワー、マイロ、ソバの実など
ナッツ(油種子類)
脂肪分が多いので量には注意が必要ですが、ジャービルに重要なマグネシウムが豊富に含まれているので継続して与えたい食品です。
殻付きのものは中身を食べ終わった後も殻をかじってジャービルが楽しむことが出来ますが、クルミなど殻が非常に硬いものは歯に悪影響を及ぼすことがあるので注意します。(ジャービルの歯はリスほどの強度はありません。)
生、ローストしたものどちらも食べられますが、人間用に味付けしたものは与えてはいけません。
特別な嗜好品として少量を与えます。コミュニケーションを取りながら手渡しで与えると良いでしょう。
与えられるナッツ類
かぼちゃの種、ヒマワリの種、アーモンド、松の実、カシューナッツ、ピスタチオ、ピーナッツ、栗、クルミなど
動物性たんぱく質
野生下では地上や地中にいる小さな昆虫、ミミズなども捕まえて食べています。
主食として与えているフードに動物性のものが含まれている場合は栄養バランス的にはあえて加える必要はありませんが、成長期や子育て中など良質なたんぱく質を摂取させたい場合、また嗜好品としても優秀な食品です。
昆虫はペットの餌用として生きているもの、乾燥させたもの、缶詰などが販売されていますが、本能的に生きた昆虫をより好むようです。
屋外にいる昆虫は寄生虫や細菌汚染などの危険があるので与えてはいけません。
また、ジャービルにも好みがあるので昆虫をまったく食べない個体もいますが、無理に与える必要はありません。昆虫以外にも代用できる動物性のものがあります。
週1回~2回少量を与えます。生きた昆虫は必ず目の届く範囲で与え、その他の食品も与えてすぐに食べなかったものは片づけます。
与えられるもの
コオロギ、ミルワーム、ハニーワーム、ゆで卵(黄身、白身どちらも)、加熱した鶏肉(脂の少ない部位)、淡白な魚(骨を取り除き加熱したもの)、低塩のチーズ、低塩のにぼし、ペット用ミルク、ドライタイプのドッグフード、キャットフードなど
(※ドッグフード、キャットフードは安価なものは穀物が主成分です。動物性たんぱく質の補給を目的として利用する場合は、主成分が穀物でない高品質なものや、グレインフリータイプのものを選びます。)
また、植物性ですが豆腐も良質なたんぱく源となります。
注意が必要なヨーグルト
すべての個体に起こるわけではありませんが、ヨーグルト(特にホエイ部分)は乳糖不耐症により浸透圧性下痢を引き起こす可能性があります。
野菜、果物
ジャービルは新鮮な野菜や果物も大好きですが、水分補給以外の役割はそれほどありませんので、あくまで嗜好品として与えます。
週に数回、スプーンに1杯程度の量に制限します。
与える前にはよく洗い、しっかり水気を拭き取ります。与えて1時間以内に食べなかったものは、腐敗や湿気がこもるのを避けるために片付けます。
乾燥させた野菜(にんじん、キャベツなど)は食感が良いのでよくかじりますが、好んで食べることはあまりないかもしれません。ドライフルーツは甘みが強いのでとても好みますが、糖分が多いので量に注意します。
与えてよい野菜、果物
にんじん、キャベツ、チンゲン菜、小松菜、サツマイモ、きゅうり、かぼちゃ、ブロッコリー、もやし、豆苗、りんご、梨、ぶどう、バナナ、イチゴなど
※果物の種は有毒な場合が多いので取り除くこと
与えてはいけない野菜、果物
ネギ、玉ねぎ、にんにく、ニラ、果物の種、生の豆類など