ジオパーク・オンライン&ガイド勉強会 #001 桜島・錦江湾GPの報告
2021年7月18日
第1部のオンラインツアーを視聴後、それをもとにガイドにとって大切な4つの要素(TORE)について考える勉強会を実施しました。それぞれの内容を簡単に報告します。
第1部
「なぜ噴火を繰り返す桜島に人が住んでいるのか?」という題名のオンラインツアーでした。
年に何度も噴火を繰り返す、日本で最も活発な火山の桜島。ガイドの福島さんは、たびたび火山灰を吹き上げる桜島の暮らしを説明しながら、火山→土石流→防災(災害)→扇状地→めぐみへと話をつなげていきます。
静止画なのに、あたかもその場所にいるような臨場感を出すための工夫が随所に見られ、わかりやすい話の展開に、ツアーはどんどん盛り上がって行きました!資料を共有しながら同時にチャットもどんどん拾って答えていくという福島さんの特殊な才能(?)によって、チャットも大盛り上がりで質問続出。
たとば火山灰についての質問には「火山灰が降ることが桜島の日常。火山灰は鹿児島県民にとって、天気が一個増えたようなもの。晴れのち雨のち火山灰という感じ。火山灰が多い時は灰がふる音がする(傘さしたりする)が、20分ぐらいでやむ。ふつうに暮らしている。マスクしない。花粉症に比べたら大したことない。ワイパーつかっても今のところガラスに傷つはかない。掃除はホウキで掃かずチリトリですくうのが一番いい。桜島は火山から近いので細かい粒子のものは落ちてこない(もっと遠くに行く)ので吸い込んで肺の病気になる人はいない、タバコのけむりの方があぶない」など興味深い話がいっぱいでした。
火山灰で盛り上がった後は、土石流、災害、防災、扇状地、水捌けの良い日当たりの良い土地(こみかん栽培)と話は続きます。人が桜島に住み続けた理由が楽しみながら納得できる内容でした!
第2部
毎回のツアーを、インタープリテーションにとって大切な4つの要素「Tテーマ(メッセージ)がある、O構成されている、R参加者と関連がある、E楽しめる)」分けて考え、ガイドにとって大切なことを学び合おう!というのが第2部の勉強会です。
この回は、テーマについては議論せず「ORE」についてのみ考えていきました。
以下、グループワークで皆さんから出た意見と「まとめ」です。
①構成はどうだったか?
時系列でわかりやすかった。(複数回答あり!)
火山から生活までの段階をふんでの説明がわかりやすい、
ストーリー仕立ての構成が良い
山の形→土石流の話→生活 危険とメリットについて、と、次から次に出てくるなぜ?が繋がっていた。
話が散らかっていない。
横道にそれてもゴールはテーマに沿っていた。
②参加者と関連があるか?
様々な地域からの参加者がいたのに、みかんやシワなど、どこから来た人にでも共通する話題を盛り込んでいるのがすごい。
火山灰が降った時の様子として、車のワイパーを例に話してくれたり、傘をさすと音が聞こえる程度など、光景が目に浮かぶ表現が使われていた。
最初に出身地(参加地)を聞き、その後福島さんが時々地名を拾ってくれたりして参加している感を得られた。
健康について、肺疾患のなりやすさの調査などの客観的なデータが示され、ただの思い込みや感覚の話に終始しなかったことに信頼性がある
火山灰が降ることについて、生で体感したような気がした。
灰やどり、健康情報、花粉症など、身に覚えがあることとないことが関連付けられて、想像しやすかった。
火山灰が石鹸になることに驚いた
西郷隆盛の頃の桜島は静かだったということが驚いた。
チャットで沢山の質問に答えてくれた
火山灰とマスクの話など、リアルな桜島の様子が伝わり良かった。
③楽しめる
ワープが素晴らしい(圧倒的多数!)
全員が楽しんでいる雰囲気が感じられた
イラスト、写真、資料がわかりやすい。
福島さんがフランクで可愛らしくて楽しかった
ちょいちょい挟まる毒舌がクセになる。
専門用語がなく、地質がわからない人でもわかりやすい。
こうやって分析してみると「わかりやすい」「楽しい」ツアーには、(T)OREが揃っていることがよくわかります。またグループワークでみんなで意見を出し合うことで、自分だけだと気が付かないことにも気づけ、何より普段会えない全国のガイドの皆さんと話ができて楽しいです。これからも各地のガイドさんの個性や工夫、テクニックを学び合いながら、Tを芯としたOREを、みんなで身につけて行きたいと思います。
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