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還暦記念ジョージア滞在記1 乗継できなかったの巻

これは、2023年4月5月に東欧の国ジョージアに滞在した還暦おばばの旅行記です。日々の記録はTwitterで呟いてます。
https://twitter.com/lovekhinkali


自己紹介

「ジョージア美食研究家あき」こと小手森亜紀です。
東京都内で日本唯一のジョージア料理専門の料理教室を主宰しています。

シルクロードで餃子が食べたくて会社を辞めたお話しはこちら。

ジョージア料理と私の出会いはこちら。

4度目のジョージア行き

札幌からジョージアは遠い…。

いや東京からだって十分遠いやん。

そう言われるのはわかっているの。
長年東京に住み続けて本格的に東京以外の場所で暮らすのは本当にこの歳(当時58歳)になって初めてのことだった。
だから東京がどんなに便利なのか考える機会もなかったのだ。

これまでは海外に行くには東京の自宅からシェアタクシーに荷物ごと乗って羽田第3ターミナルに乗り付ければおしまい。

4度目となったジョージア行きの今回は、札幌の自宅まで新千歳空港まで大荷物で移動して、羽田までLCCに乗り羽田で国際線ターミナルに移動してターキッシュエアラインに搭乗する。
大した手間は増えていないように見えるけど、時間に余裕を持った乗継をとなると、札幌の自宅を出てから羽田でターキッシュに乗るまで半日以上かかっているのよ。
その間、ずっと大荷物と一緒。途中でトイレも行きたい、お腹も空く、スマホは充電したい。

帰りなんて羽田発新千歳行きの最終に間に合わず羽田一泊。
これまた大荷物と一緒なので考えただけでめんどくさい。

私が選んだ往路便は、
21:55ターキッシュエアライン、羽田発イスタンブール行き。
翌朝6:50イスタンブール発トビリシ行きに乗り継ぐ時間は約1時間半。十分とは言えないが何度も通ったルートなので、空港の中を迷う心配は無い。速足で行けば間に合うはずだ。

すべての予約が終わってから、ターキッシュエアラインから1通のメールが届いた。
トビリシ行きのイスタンブール出発時刻が20分早まったというのよ。
えーーー。
そもそも余裕ないのに、イスタンブールでの乗り継ぎ時間はたったの65分。
無理じゃん、無理に決まってる。

チケットを買ったトリップドットコムのサポートに電話をしてみたが「ターキッシュが公式サイトで乗り継ぎ可能としている組み合わせなので、そのまま搭乗してもらうしかありません」というのよー。

乗継便に乗れないなんて旅慣れた人には日常茶飯事かもしれませんが、英語も幼児並み、ひとりで海外に行くようになったのもつい最近の還暦おばばにとっては大事件なのであります。

でもとにかく行くしかない。
だってもしかしたら乗れるかもしれないもん。

賑わい戻った羽田空港

2019年以来ひさ久しぶりの羽田第3ターミナル。
外国人のお客様で賑わっていた。
日本人はさほど目立たない。

一応羽田でチェックインするときに係の人に「乗継の時間が短いのですぐ降りられる席にしてください」と言ってみた。「座席は前方の通路側です。お客様の荷物は一番最初にイスタンブールでおろすようになっています。トビリシ行きに乗り継ぐのはお客様おひとりです。お客様も頑張って急いでください」とちょっと眉間にしわを寄せながら綺麗なお姉さんは言うのであります。

チェックインカウンターは激混みだったけれど、いざ乗ってみるとそんなに混んではいなかった。

チェックインカウンターは激混み。
このあと保安検査の列もえげつなかった。空港には早めに行くべし。

私のお隣はどこの国の方かわからないけどちょっと年輩のご夫婦。奥様はカタコトの日本語を話す。

離陸してすぐに私の頭上から水が降ってきた。

え?とあたりを見渡しても慌ててるのは私ひとり。

1回だけなら我慢するけど、少しずつではあるが断続的に降ってくる。
こりゃたまらんと、まだ離陸直後だったけどCAさんを呼ぶボタンをガンガン押して幼児レベルの英語で「水が!水が!」と騒いで上を指さし、水滴の跡がついたブランケットとクッションを見せた。

CAさんは「あっちの空いている席に行け」と言うのだが、横に移動するには人が座っているところを通らなくてはならず、大きな荷物を抱え、まだ水平飛行になっていないのにお隣とそのお隣の方に席を立って頂き大騒ぎの大移動だった。
あの水はなんなんだろう。

移った席はやはり通路側。お隣は空席で窓側にはヒジャブをかぶった女性が座っていた。

機内食を食べ終わると日本時間ではもう深夜なので、機内は暗くなりほとんどの人が眠りにつこうとしていた。
窓側の女性は大胆にも2席使って横になり私の方のひじ掛けに枕をのせて眠り始めた。

それは無いんじゃない?

やりたいことやったもん勝ちなのね(忍たま乱太郎か)
遠慮して譲ったら損をするのね。

抗議できない自分が悪い。
だってそれどころじゃないんです。
イスタンブールの乗継のことで私の頭はいっぱいなんですもん。

私は機内食と一緒に軽くワインを飲み、不眠症治療薬も飲んでぐっすり眠った。

「日本食ありますか?」なんて聞いてみた。

余談:他の航空会社同様日本発の便なので機内食は和食が選べる。醤油やめんつゆ、豆腐など日本製の食品なので味は遜色ないはずーと思いますが、うどんがゆですぎのびすぎ、箸でつまむとちぎれる状態。
しかたないよね。
サバの塩焼き(焼き目ないけど)は美味しかった。白飯ってやっぱ正義。

闘いは始まった

必ずフルーツとチーズ、きゅうり、トマトなどがつくターキッシュの朝ごはん、好きです。

朝食を終えると私は戦闘モードに切り替わった。
歯磨き、トイレを素早く済ませ、いつ着陸してもさっと出口に迎えるように身支度を整えてイスタンブール到着を待った。
念のためにCAさんを呼ぶ。
「私、イスタンブールで、時間、無い。早く、降りたい。トビリシ、行く」直訳するとこんな感じの英語で訴えた。
CAさんは「大丈夫よ、心配しないで、降りたら地上スタッフがあなたを待ってるわよ」とにっこり笑顔。
本当?絶対ドンドウォーリーって言ってたぞ。
降りたら「トビリシの方、こちら」みたいな呼びかけしながらターキッシュの地上スタッフが待ってて誘導してくれるんだろうか?

いよいよ私がのった飛行機はイスタンブール空港に着陸した。
が、65分あるはずの乗継時間がこの時点ですでに15分しかない。
そう、飛行機の到着が軽く50分も遅れたのよ。
15分じゃ搭乗じたいもう締め切ってるじゃん。100%無理じゃん。
でももしかしたら私が乗る予定の便の出発が遅れてるって可能性だってゼロじゃない。
何度も利用したことのあるこの空港だ。少なくとも迷ったりはしない。
着陸の30分前から乗継便のゲートが座席のディスプレイで確認できるので、私の中では道すじもシミュレートできていた。

いざ、飛行機の出口を勢いよく飛び出すと、そこには…

誰も私を待ってはいなかった。
なんなのー。さっきのドンドウォーリーはどういう意味?

とにかく私は搭乗ゲートまで還暦不摂生肥満体なりの全速力で走った。あんなに走ったのは30年ぶりぐらいじゃないか?
大汗かきながら血相を変えて走っていると、ご親切な空港のスタッフが「マダム、どうしましたか?」とたびたび声をかけてくれる。
もしかしたら何か助けてくれるのかしら(電動カートに乗せてくれるとかさ)と思い、トビリシ、トビリシと連呼すると彼らは私のボーディングパスを見てスマホで搭乗ゲートを調べ「何番だね」と言ってくれる、だけ。
知ってるっつーの!

搭乗ゲートに着くと、ターキッシュエアラインの制服を着たお姉さんが1人ゲートの片付けをしていた。
「これに乗りたかったんだよー」と半泣きで訴えたが当然飛行機は引き返さない。
「A-2のゲートに行って」と言われ、何がなんだかわからないまま、またもダッシュで言われたゲートに行ってみると、その目の前がターキッシュエアラインのサービスカウンターだったというわけ。

目印はこのバーカウンター。
左手奥にターキッシュエアラインの看板が見える

そう、飛行機の中でCAさんが言ってた「私を待ってる地上スタッフ」というのはこのサービスカウンターの人のことだったのね。
乗れなかったーと私が言うと淡々と次の便に振り替えてくれて、食事券もくれた。あっさり手続きは終了。

乗り遅れじゃなくても
乗り継ぎが長い人はこの食事券がもらえるとの噂(多分本当)


つまり、CAさんの言葉は「乗れなくてもドンドウォーリー」という意味だった。

持っててよかったプライオリティパス


次の便まで約6時間。私はひとり空港で時間を潰すことになった。

トルコに来たって感じ
トルコのピスタチオのバクラヴァ美味しいんだよね

大荷物はさておき(預け荷物は引き取らずに次のトビリシ行きにそのまま載せてくれる)、市内観光やショッピングに出かける元気などもはや残っていない私はIGAラウンジで時間ぎりぎりまでゆっくり過ごすことにした。

出発の2か月ほど前に、「楽天のプレミアムカードに切り替えると、プライオリティパスが使えたり、自宅と空港間のスーツケースの宅配サービスが無料だったり(利用回数は制限あり)と年会費を上回る特典がある」と聞き、さっそく申込を済ませておいたのです。
札幌から羽田まではLCCの利用だったので、大型のスーツケースを別に運んでもらえるのはすごくありがたかった。
行きのイスタンブールでラウンジは使わないだろうと思っていたけど、何が起こるかわからないもんですね。無料でこのラウンジが使えて助かりましたわー。

2021年にも利用したけど明らかに賑わってる。
ラウンジから出発ロビーを見下ろす。

2年前にこのラウンジを初めて利用した時は確かそこそこの料金を取られたと記憶している、
乗継時間がものすごく長かったので100ドルぐらいはかかったんじゃないかな。
それでもアラ還初めての一人旅だし、10時間以上の長時間の利用だったので特に割高感はなかった。何より荷物の心配せずにトイレに行けるのが嬉しかった。

それが今回は楽天プレミアムカードのおかげで無料で利用できるのです。
すでに羽田でもラウンジ使ったし今回の復路のトビリシ、イスタンブールでも使うはずなのですでにカードの会費を大きく上回る特典を受け取りました。(私は楽天の回し者じゃないよ)
利用の仕方はとても簡単。
入口でプライオリティパス(カードでも電子会員証でもOK)と搭乗券を見せるだけ。
自分が今いる空港でどの施設が利用できるか事前に調べておかなくてもアプリの位置情報をオンにしておけば、ちゃんと教えてくれるんです。

早朝なので軽食メイン


お食事、飲み物各種(含アルコール)、マッサージ、シャワーなどすべてフリーです。

卵料理をオーダーできます
トルコのヨーグルトスープ美味しかった
アルコールもある

結論


ちゃんと次の便に乗れた!


ゆっくり休んでその後は順調にトビリシに到着しました。

トビリシの市街地が機内から見えた。


荷物もちゃんと同じ便に乗っていました。

私にとっては乗り継ぎ便に乗れなかったというのは初めての経験で慌ててしまったんですが、ジョージアと日本を行き来する人に聞くと、羽田発イスタンブールの遅延はとてもよくあることで、私と同じ便の組み合わせだとトビリシ行に乗れないことの方がむしろ多いらしいのです。
イスタンブールとトビリシの間は1日に何便も飛んでいるので、間に合わなければ慌てずにサービスカウンターに行けばすぐに解決。

私は待ち時間が6時間程度だったのでお食事券をもらっただけでしたが、もっと待つ場合には観光に出かけたり無料でホテルで休めるそうなので(自分では調べてない)、ターキッシュエアラインの公式サイトで確認してくださいね!

乗り継ぎに間に合わないなんて、全然大丈夫。
一度経験してしまえばあとはドンと来い、です。

さあ、1か月超の私のジョージア滞在がいよいよ始まります。

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