【論文要約:自動運転関連】Application of Data-driven Model Predictive Control for Autonomous Vehicle Steering
自動運転に関連する論文の要約をしています。
論文へのリンク:https://arxiv.org/abs/2407.08401
タイトル
原題: Application of Data-driven Model Predictive Control for Autonomous Vehicle Steering
和訳: 自動運転車の操舵におけるデータ駆動モデル予測制御の応用著者名
Jiarui Zhang, Aijing Kong, Yu Tang, Zhichao Lv, Lulu Guo, Peng Hang公開年月日
2024年7月18日キーワード
data-driven control (データ駆動制御)
autonomous vehicle steering (自動運転車の操舵)
model predictive control (モデル予測制御)
path tracking (経路追従)
要旨
この論文では、自動運転車の操舵制御にデータ駆動型モデル予測制御(DDMPC)を適用する手法について研究しています。従来のMPCは車両の運動モデルに依存するため、モデリングの困難さや非線形性、計算コストの高さが課題でした。本研究では、複雑な車両システムのモデリングを回避し、低計算時間と小さな誤差で経路追従を実現するDDMPCを採用し、CarSim-Simulinkシミュレーションを用いてその制御効果を検証しました。研究の目的
従来の車両制御手法の課題を解決するために、データ駆動型モデル予測制御(DDMPC)を自動運転車の操舵制御に適用し、その有効性を検証すること。論文の結論
提案されたDDMPC手法は、従来のMPCやPID制御と比較して、制御誤差の低減と計算時間の短縮において優れていることが示されました。論文の主要なポイント
自動運転車の制御における従来のMPC手法の課題
Willemsの補題を用いたDDMPCの基礎
DDMPCを車両の操舵制御に適用する方法
CarSimとSimulinkを用いたシミュレーション実験によるDDMPCの有効性検証
実験データ
車両モデル:CarSimのDクラスセダン
収集データ数:646データセット
基本予測ホライゾン:24
重み行列:Q = Ip, R = 10^(-2) * Im, λ = 1 * 10^(-3)
制御変数の範囲:±1.5°
実験方法
CarSimを用いてオープンループデータを収集し、シミュレーション実験を実施
DDMPC、PID、車両キネマティックMPCアルゴリズムの比較分析
実験結果
DDMPCは、急激な操舵動作を抑えながら安定したレーンチェンジを実現
DDMPCの誤差変動範囲は−0.1mから0.2mで、ほぼ外れ値なし
DDMPCの計算時間は、車両キネマティックMPCのほぼ半分
研究の新規性
従来の複雑な車両システムモデリングを回避し、迅速かつ高精度な制御を実現するデータ駆動型モデル予測制御(DDMPC)の提案と実証。結論から活かせる内容
提案されたDDMPC手法は、自動運転車の操舵制御において、制御精度を向上させつつ計算コストを削減するための有効なアプローチとなる。今後期待できる展開
提案手法のロバスト性とリアルタイム適応性を向上させ、さまざまな運転条件下での効果をさらに高める研究が期待されます。