音響戦士ディージェスを200%活用できる!? 【音響超重カラクリ】の紹介
1.自己紹介
ジオと申します。
遊戯王のデッキ紹介やその他趣味についての記事を執筆しています。
よろしくお願いします。
この記事は有料記事とはなっていますが最後まで無料で読むことができますので、是非楽しんで読んでいただけると幸いに思います。
2.デッキの概要
【カラクリ】という初出が約13年前のテーマが持つ独自性を活かして《音響戦士ディージェス》のアドバンテージを最大限引き出して戦うデッキです。
最近(2023/02現在)追加された新規【超重武者】により盤面の形成能力及び安定性が向上しました。
3.デッキの快感ポイント
このデッキでは以下の快感を得られます。
タイトルには入れなかったのですが、魔法罠を無効にするカウンター罠を構えることにより《冥王結界波》を弾けることもこのデッキの魅力の一つだと考えています。
4.デッキの基本ギミック
《音響戦士ディージェス》(以下ディージェス)の効果を最大限活かすことがこのデッキの主軸となります。
ディージェスはリバース効果を持つ《音響戦士サイザス》(以下サイザス)をリクルートできる上に、ディージェス2枚のみでもコンボできるという珍しい性質を持ちます。
ただし、ディージェスを初手に2枚引くのは非現実的です。デッキが40枚の3枚採用と仮定してもディージェスが初手に2枚来る確率は先攻で約3.6%、後攻で約5.4%しかありません。サイザスを素引きした場合もコンボはできるのですが、この場合ディージェスでリクルートした裏側守備モンスターが残ってしまうため、ディージェスのポテンシャルを最大限引き出せているとはいえません。
《音響戦士ギタリス》(以下ギタリス)ともコンボはできますが、ギタリスは《アンプリファイヤー》を採用していない限り自力で特殊召喚できないためディージェス(やギータス)とのコンボ前提での運用となり、デッキ内にコンボ性が高いカードが増えてしまいます。
そもそも【音響戦士】のカードはテーマカードが初手に2枚以上あって初めて機能するカードが多く、サーチカードである《ゲネラールプローベ》も効果の性質上【音響戦士】を2枚以上要求されます。純寄りの【音響戦士】として組む手もあるのですが、せっかくならテーマ外のカードを採用して更にポテンシャルを発揮できたりしないでしょうか。
そこで考えついたのが【カラクリ】のカード達です。
《カラクリ将軍 無零》(以下無零)や《カラクリ参謀 弐四八》(以下弐四八)はモンスターの種類や自分相手の場を問わず表示形式を変更できるため、サイザスを表にしてリバース効果で音響戦士をサーチすることができます。
また、弐四八はチューナーであるためサイザスと共にS召喚することができ、無零も自身の効果で【カラクリ】チューナーをリクルートすることができるため更なるS召喚やX召喚、それにリンク召喚に繋げることができます。
このシナジーにより際限なく展開を行い強固な盤面を形成することができます。
ただし、このディージェス+【カラクリ】のコンボには下記問題点が存在します。
1.はディージェスと弐四八を素引きした際に問題となります。このデッキに多く採用する【カラクリ】チューナーが自身を特殊召喚する効果を持たないため、動けないケースが多くなってしまいます。対策として《簡易融合》や《簡素融合》を積むことはできるのですが、《増殖するG》を使われた際に損失になることやEXデッキのスペースを圧迫することが問題となります。
2.はギータスが手札コストを要求する効果であり、且つギータス自体はPスケールに存在するのみとなるため、P効果を使った時点で1枚の損失が発生する点にあります。サイザスでギタリスをサーチするとP召喚できるようにはなるのですが、この場合サイザスで得たアドバンテージを消費してディージェス1体のみを特殊召喚することになるため、結局ギータスをPスケールに貼ることによる損失を取り戻せません。
3.は【カラクリ】のモンスター達が弐四八以外基本的にはリクルート前提で採用しているため素引きすると扱いに困る点です。1.でも話したように【カラクリ】のチューナー達は自身を特殊召喚する効果を持たないため、ディージェスと【カラクリ】チューナーを同時に引くと展開ができなくなります。
しかし、2023/01にこれらの問題点を解消するカードが登場しました。
それは新規【超重武者】です。
新規【超重武者】の中でもとりわけ《超重神童ワカ-U4》(以下ワカU4)と《超重神僧ビッグベン-K》(以下ベンK)が問題の解決に大きな作用をもたらします。
ワカU4とベンKが問題の解消に大きな作用をもたらす理由として、下記点を挙げられます。
A.により召喚権を浮かしながらチューナーを場に出せるため、ディージェスを素引きした際にも展開に繋げられるようになります。
B.によりサイザスでサーチした音響戦士をP召喚に充てることができます。
そしてC.によりギータスのPスケールが7であるためワカU4をP召喚することができるためP召喚で得られるアドバンテージが増大します。
これらの点により、従来の構築では手札の要求値が高かったP召喚込みの展開を容易に行えるようになるため、【音響戦士】の強みを最大限生かすことができるようになります。
また、P召喚を積極的に採用できることから手札に来た【カラクリ】チューナーを四六弐四以外は展開できるようになるため、3.も解決することができます。
5.デッキレシピと採用カードの紹介
デッキレシピは以下のようになります。
以下、各採用カードについて説明します。
※記事中で頻出するカード名は略称で呼称します。カードテキスト画像の下に略称を記載しておくので、もし記事中の略称が分からない場合は参照してください。
メインデッキ
【超重武者】
ワカU4は素引きしたいので3枚採用です。ベンKは1枚引いてもワカU4が腐らないようにするため2枚採用しています。
ワカU4を初動にすると妨害への耐性が高くなるため、ワカU4をサーチできる《超重武者バイ-Q》も3枚採用しています。
○展開用カード
イワトオシ、チュウサイ、テンBNはワカU4から連なる展開を行うために採用しています。
具体的な展開ルートは「6.展開ルートの説明&展開例」にて紹介します。
【カラクリ】
素引きした際に扱いに困りやすいため、可能な限り枚数を抑えます。
弐四八は採用枚数に悩む1枚です。素引きすると【カラクリ】シンクロモンスター、特に《カラクリ大将軍 無零怒》からリクルートできなくなるのが困るのですが、P召喚で展開できるので実際には困る場面が少ないように考え1枚採用としました。
四六弐四は下スケールをスケール1であるベンKで担う都合上P召喚できないため素引きした際に最も扱いに困ります。なので採用枚数を抑えたいのですが、2枚採用だと1枚素引きしただけでも無零から無零武にアクセスできないことで妨害数が1枚減ってしまう場合があるため3枚採用としています。
参壱参はディージェス+弐四八以外のレベル3チューナーを初動とした場合に【カラクリ】Sモンスターからリクルートして《ギアギガント X》をX召喚するために採用しています。
【カラクリ】レベル4非チューナーである《カラクリ無双 八壱八》とどちらを採用するか迷ったのですが、Sモンスターを2体並べて攻勢に出ることができる点を買い参壱参を採用しました。
環境に《インスペクト・ボーダー》がいる場合は《カラクリ無双 八壱八》に軍配があがると思います。
○《借カラクリ整備蔵》用カード群
《カラクリ商人 壱七七》と《借カラクリ整備蔵》と《カラクリ小町 弐弐四》は2023/02現在での環境で採用が多く見られる《冥王結界波》を整備蔵で無効にするために採用しています。壱七七は後述する《ギアギガント X》でのサーチを前提としているため、弐弐四での追加の召喚権を利用して召喚時効果を使用します。
役目を終えた壱七七は《ギアギガント X》と共に《召命の神弓-アポロウーサ》の素材になることが多いです。
【音響戦士】
ギータスは初動に引き込みたいので3枚採用です。ディージェスは重ね引きすると強くなる性質を持つため同様に3枚採用です。
サイザスは素引きした場合にディージェスを併せて引いていないと実質バニラになってしまうため採用枚数が悩ましいカードです。今回は素引きした場合でもギアギガント Xでギータスをサーチしてディージェスを特殊召喚しても効果を使えるようにするため2枚採用としています。
ギタリスは素引きした場合に効果を活かしづらいため、1枚採用としています。不採用としたいところではあるのですが、《ギアギガント X》経由でワカU4をサーチした場合にギータス初動だとP効果を使えなくなるため、1枚は採用した方が柔軟性が上がります。
その他カード
○セリオンズ"キング"レギュラス
《クリフォート・ゲニウス》でサーチして特殊召喚します。
《軌跡の魔術師》出してからのP召喚ルートを取った場合やGを撃たれた場合のことを考え、2枚採用としています。
○手札誘発について
(※テキストは周知の事実だと思うので割愛します)
《PSYフレームギア・γ》はP効果を多用するこのデッキと相性が良いため採用しています。《SPYフレームドライバー》単体で素引きした場合でもP召喚で展開できたり《音響戦士ギータス》や《超重武者カカ-C》のコストにできたりするため腐りづらくなっています。
手札誘発は基本となる《灰流うらら》と増Gの他には《幽鬼うさぎ》を採用しています。レベル3チューナーなのでギータスと同時に引いた場合にディージェスと共にS素材にして無零を出せるため、展開札としても使えることが利点となります。
この観点から考え、環境を見て場のカードより墓地対策を行いたい場合でも《D.D.クロウ》よりも《屋敷わらし》を優先して採用したいです。
とはいえ相手の展開を止められなければ意味がありませんので、環境を見て的確なカードを採用しましょう。このデッキレシピでも【ティアラメンツ】を1戦目から対策するためにレベル3チューナーではないですが【深淵の獣】を採用しています。
EXデッキ
【超重武者】
カカCのみ採用しています。主な利用用途はイワトオシを墓地に落とすことです。イワトオシの採用枚数が1枚なのでカカCも1枚のみの採用です。
【カラクリ】
各2枚採用しています。無零怒は展開で2枚使用し、無零と無零武は展開とキルのための再展開において1枚ずつ使用するため2枚としています。
○その他モンスター
フルール・ド・バロネス
主に【超重武者】ルートで立ててニビルをケアします。
【純超重武者】だとレギュラスで釣ったイワトオシを破壊してサーチに繋げる動きがあるらしいのですが、このデッキでは《ギアギガント X》のX素材にしたことで墓地に落ちたディージェスやワカU4を釣って破壊することでEXデッキに回収することもできます。
まあ、EXデッキに回収することが目的であればわざわざ破壊しなくてもレギュラスが場から離れた時に回収されるのですが。
ギアギガント X
ワカU4 or ギータスのサーチと壱七七サーチとで計2回使用するため2枚採用しています。効果を使った後はリンクモンスターのリンク素材にします。
アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン
【超重武者】の規定ルート内でバロネスを立てるために採用しています。
《スターダスト・ドラゴン》を採用しているとヴェーラor無限泡影+ニビルの2枚持ちによるバロネス貫通ニビルも対策できるのですが、EX枠が足りないため断念しています。
クリフォート・ゲニウス
レギュラスをサーチするために採用しています。
効果の性質上、後述する《軌跡の魔術師》とは択一になります。
軌跡の魔術師
PモンスターをEXデッキに送りつつギータスをサーチしたい場合が存在するため採用しています。ギアギガントXだとX素材にしたPモンスターがEXデッキに送られないため、このカードでないとリソースが不足してしまうことがあります。
《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》は素材が2体共Pモンスターでないといけないため、このデッキでは不採用としています。
No.41 泥睡魔獣バグースカ
増Gを使われた際に妨害として立てておくために採用しています。
《スターダスト・ドラゴン》とどちらを採用するか迷ったのですが、初手に揃う確率が増G>ヴェーラー or 無限泡影&ニビルであるため《No.41 泥睡魔獣バグースカ》の採用を優先しました。
召命の神弓-アポロウーサ
他の項目で軽く触れたとおり、壱七七、ギガントX、展開途中に出したリンクモンスターを妨害に変換するために採用します。
多くのデッキではアポロウーサが妨害を使うとATKが下がる性質上、ターン1制限が無くても妨害数は1となることが多いと思いますが、このデッキでは無零武の除外効果により妨害数を最大限活かしやすくなっています。
6.展開ルートの説明&展開例
○展開ルートの概要
このデッキは展開ルートがとても長いです。
ルートだけ書いても分かりづらいと思うので、展開ルート中の動きをそれぞれの目的や使用カードの観点で考え、下記3ブロックに大別します。
①ギータス展開ブロック
ギータスをサーチしてディージェス特殊召喚から盤面を広げていきます。初手がギータス+弐四八の場合はこのブロックを初動にしてディージェス+サイザスでギガントXを作ってワカU4をサーチし、③にアクセスします。
ワカU4のP効果を使用するにはPスケールが2箇所空いている必要がありますが、ギタリスのP効果、モンスター効果共にPスケールを剥がすことができるため起動の邪魔になることがありません。
○このブロックでの展開ルートの一例
※展開中の一部用語は省略して記載しています。
省略の例 ef:効果(P効果は略さず「P効果」と記載) ns:通常召喚
ss:特殊召喚
②カラクリ展開ブロック
ギータス+弐四八以外のレベル3チューナーで展開する場合はこのブロックから、それ以外の場合は①や③の後にこのブロックに入ります。
主な役割は下記3点です。
【カラクリ】のレベル4モンスターは総じて今の環境に合っていないスペックを持っているのですが、このブロックを初動とするためだけに1枚採用しています。
2枚採用しない理由はギータス+【カラクリ】モンスター初動ではギガントXのX召喚とサイザスのリバースが両立できない都合上、Pスケールに貼ったギータスを除けることができないため、【カラクリ】がチューナー/非チューナーどちらであっても整備蔵込みの展開まで到達できないためです。
○このブロックでの展開ルートの一例
・①や③から入った場合
・②から入った場合
③超重武者展開ブロック
初手にワカU4がある、もしくはバイQサーチが通った場合はこのブロックから入ります。このブロックでは展開途中にバロネスを立てるため、このブロックから入った場合が最も展開の安定性が高いです。
○このブロックでの展開ルートの一例
○展開例
実際の展開例を紹介します。②カラクリ展開ブロックはブロックの説明を行った際に説明したため、この項では①ギータス展開ブロックと③ワカU4展開ブロック初動の2パターンにて説明します。
・①ギータス展開ブロック初動の場合
弐弐四が場に残っている場合、相手がアポロウーサのATKを超えるモンスターを出してバトルフェイズに入ってきた際に整備蔵の発動条件を保ちながら無零武の効果を起動できるため、盤面の強度が増します。
このルートの弱点はワカU4展開ブロック初動の時と比べてニビルケアができないことです。
ちなみに、ディージェス重ね引きやディージェス+サイザスでも以下のように展開することで同様の盤面を作ることができます。
このルートでは裏側守備のサイザスが残った状態で②カラクリ展開ブロックに突入するので、手札にレベル3チューナーを引いていない場合はPモンスターは軌跡を出すことになると思います(なのでレギュラスを出せない分妨害数が1減ります)。
・③ワカU4展開ブロック初動の場合
①ギータス展開ブロック初動と比べると要求札が緩く、ワカU4はバイQでサーチできるため初手に揃う可能性は①よりも高くなります。
手札誘発の中でレベル3チューナーを優先して採用したい理由はこのルートにて整備蔵までアクセスできる確率が高くなるためです。
ちなみにレベル3チューナーでなくディージェスを引いた場合は、ゲニウスでなく軌跡を経由することになります。
③-1 初手に整備蔵がある場合
③と違い2体目のギガントXをX召喚する必要が無くなるため、レベル3チューナーが不要となります。
展開例を3例紹介しましたが、実際には他の組み合わせになる場合もあるかと思います。私自身全ての初手での展開を把握しきれてないので紹介は以上とします。上記以外の初手になった場合は展開例を参考にして展開を考えていただけると幸いです。
相手から妨害が飛んでくることも考えるとアドリブ性が問われるデッキだと思います。ちなみに筆者もリンクマーカーを意識しての展開がまだ完璧にはできないです。
・キルのための再展開について
1ターン目に盤面構築できたものの相手にPスケール以外を除去されたとしても、下記条件を満たしていれば相手のモンスターが1体以下の場合に勝利できるルートを取ることができます。
7.最後に
いかがでしょうか。
この記事によって興味が湧いた方がいらっしゃられましたら是非組んで楽しんでみてください。
【カラクリ】は3年近く新規が登場していないテーマなのですが、Sモンスターの縛りが緩い性質上、去年登場した新規【音響戦士】や今年登場した【超重武者】等を活用することでテーマのパワー自体を底上げすることができました。
この記事では触れませんでしたが、《無限起動ロードローラー》や《パワーツール・ブレイバー・ドラゴン》を活用するデッキを考えてみるのも楽しいかもしれません。
この記事は無料分でのみ構成されているのですが、もし今後も活動を応援していただける方がいらっしゃれば投げ銭していただけると助かります。
次回予告:ついに【カラクリ】に「革命」きたる……!
《レボリューション・シンクロン》が【カラクリ】に起こす革命
8.謝辞&権利表記
この記事を執筆するにあたり添削に協力していただいた友人にお礼を申し上げます。
※記事中の画像(ヘッダ画像除く)はコナミ公式の「遊戯王OCGデータベース(https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/?request_locale=ja)」から引用しています。
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