「魔女の宅急便」〜ジブリ公式画像で感想を書く〜
最初に申し上げておきますが、この感想は後半少々辛口です。この映画に対してネガティブな言辞を好まれない方は、ここで読むのをストップされることをおすすめしておきます。
ポジティブな感想
・主人公が挫折し克服するのがいい
主人公が、しっかり悩んで、しっかり落ち込んで、それをなんとか乗り越える、という過程がちゃんと描かれているのがいいです。
ホウキで空を飛べるという特殊な能力を持ってはいますが、その中身はごくごく普通の人間。そんな人間が、当たり前にぶつかる挫折。
公開当時、私は高校生でした。この時代に、アニメで、個人の成長と日常を描写・表現した作品が出てきたことに新鮮な驚きがありました。(既にそういうアニメは存在したかもしれませんが、アニメに疎い私には「魔女の宅急便」が最初)
・久石譲の音楽がいい
サントラは、映像に合わせて作曲、演奏されるため、曲の流れやリズムが唐突に変わったりして驚くことがありますが、「魔女の宅急便」のサントラはあまりそういうことがありません。
各曲いずれも完結していて、単独で聴いても十分に完成された楽曲として聴くことができます。それでいて、映像ともピッタリ合っている。無理や無駄がありません。
・犬がいい
コメント不要ですね(笑)。
ネガティブな感想
・ラストの飛行船事故の場面が余計
それまで、とってもプライベートな空間で、プライベートな人の成長を描いてきたのがよかったのに、なぜここでいきなり衆人環視のオープンな場に主人公を引きずり出す必要があったのか…?
「竜頭蛇尾」という言葉がありますが、「猫頭竜尾」って感じです。「猫頭猫尾」で終わってほしかったです(←分かりにくい?)
キキをこんなスターにしなくても、例えば、崖の途中や大木のてっぺんで動けなくなったジジ(あるいはお相手の白猫)を助けに行く程度のクライマックスでもいいじゃないですか。
個人的には、このラストがもう少しおとなしければ、宮崎アニメ作品中屈指の名作のひとつに数えられたのになぁと、惜しく思います。
以上、ジブリ公式画像を堂々と使用して、「魔女の宅急便」の感想でした。