表参道「南青山 清水湯」「エッセンス」原宿「ルッソカフェ」
久しぶりに青山地域にプライベートで行った。
何故か、人生でこの辺りで仕事をする機会が多かった。
だから、わざわざ休日に仕事のことを思い出すような青山近辺に行こうと思わなかった。
ただ、この日は友達に個展に誘われており、その会場が原宿だったので久しぶりに足を運んだ。
待ち合わせ前にサウナに行きたくなって「南青山 清水湯」に行くことにした。
パッと見では銭湯とは思えないようなモダンな外観だった。
店員さんは都会らしく愛想のない感じで、業務的に仕事をこなしているように見えた。
無料のシャンプーが無いと事前情報で知っていたので、家からシャンプーボトルを持ってきたのだが、脱衣所で確認したら中身が空だった。
ズボラな私は使い終わったシャンプーのボトルを風呂場に置きっぱなしにしており、今回は間違えてそちらを持ってきてしまったのだ。
仕方がないので使い切りのシャンプーを買おうと受付に戻ったら、シャンプーには電子マネーが使えないということで、ロッカーに財布を取りに戻る羽目になった。
財布を取りに戻ったらなんだか面倒になって、別にシャンプーがない国だってあるだろうし、そういう国は水だけで髪を洗っているんだろうけれど、それでも死んでいないわけだし、たかが1日ぐらいシャンプーを使わなくても良いんじゃないかという気持ちになって、結局シャンプーは買わなかった。
浴槽は3種類あって、広くてジェットバスのある湯と、炭酸泉、シルキーバスがあった。
温度が低めの後半2つはだらだらと入っていられるので人気があったが、常に満員でタイミングが合わないと入れなかった。
サウナは想像していたよりも熱くて、暇つぶし用のテレビもあって良かった。
芸能人同士のカラオケバトルの番組で、急に流れた曲に対して上手く歌えたら、歌った人のチームに得点が入る内容だった。
自宅では絶対に見ないような番組だったがサウナ室で見ると面白く思えた。
水風呂もキンキンに冷えており、久々に素晴らしい整いが訪れた。
ただ惜しむらくは都会の銭湯だけあって混んでおり、それに対して休憩椅子は3つしかないので、上手く座れなかったら適当な場所で休憩しなくてはいけないことだった。
それでもかなり満足度の高いサウナだった。風呂上りは200円もする高級なミルクコーヒーを飲んで表参道のセレブを気取った。セレブは銭湯に入らないと思うけれど。
その後、個展に誘ってくれた友達と合流したのだが、うっかり「ラフォーレ原宿」で待ち合わせして、少し服でも見ようかと言ってフラフラしていたら、好ましいデザインのMA-1を見つけてしまった。
ユニクロとGUで全ての衣服が揃う現代においては、18000円と高額なブルゾンだったが、独自性のあるデザインに一目ぼれしてしまった。
迷っていると店員さんが「アウターでお探しですか?」「日本画がプリントされたコラボ商品なんですよ」と聞いてもいないのに喋り始めた。
「いや、偶然通りがかって良いデザインなんで見ていました」と伝えたのだが、店員さんは「最近コラボが始まったばかりなんですよ」と、また求めていないことを話し始めて、更には2回目の「アウターでお探しですか?」を言った。
恐らくは人型ロボットか何かで5種類ぐらいの言葉しかインプットされていないのだろう。ガストの猫ちゃんロボットのがよっぽど知的だ。
やっぱりZOZOTOWN以外で買い物するのは人間が話しかけてきて鬱陶しいなと思ったのだが、デザインは気に入ったし、通販では売り切れていたので店舗で買った。
思いつきで2万円ぐらい使ってしまったのは手痛い出費だったが、欲しいデザインの服が見つかることは珍しいので大切にしようと思った。
その後、目的の個展に行った。友達の、その友達の男性がやっている個展で、私もその男性には3年ほど前に1回だけ会ったことがあった。
その頃はそんなに有名ではなかったはずだが、今ではすっかり名が通り、絵画も1枚40万円ぐらいで販売されていた。
当然、私がそんな金額を出せるわけではないので、友達と冷やかすだけになってしまったのだが、それでも画家の人は温かく私たちを迎え入れてくれた。
1枚の絵に様々な色が使われており、これは〇〇という色だとか、ここには金箔が使われているとか色々と教えてもらい、絵に関する知識のない私は素直に感心した。
個展で30分ぐらい過ごすと店を出て、本日最後の目的であった「エッセンス」に向かった。
この店はコース料理が8000円ぐらいの少し高級な中華料理店だった。
私には食べログの期間限定ポイントと呼ばれる、簡単に言うと使わないとなくなるポイントが7000ポイントぐらい貯まっていて11月ぐらいに期限が切れる予定だった。
これを使うには食べログを使って店の予約をする必要があり、せっかくだからと高級中華を予約して友達に付き合ってもらった。
昔から中華料理は好きだったのだが、若いころはお金がなくてコース料理なんて到底食べられないため、少し憧れがあった。
こちらの店も10年ぐらい前にランチで食べて美味しかった思い出があり、予約したのだが、昔の話なので店の外観にも内観にも一切記憶がなかった。
小奇麗で高級感のある店で、店員さんの接客も丁寧だったが、こちらを緊張させないような気さくさも持ち合わせておりリラックスして食事ができた。
店の売りである薬膳スープは、けんちん汁のような、懐かしい感じのするスープで美味しかった。
また汁無し担々麺は強烈な量の花椒が使われており、痛い辛さではないのだが舌が痺れた。
そういえば10年前はこの痺れに妙にハマっていた時期があり、麻婆豆腐や担々麺を食べ歩いていた。過去の自分の好みを思い出して懐かしい気持ちになった。デザートの杏仁豆腐はシンプルだったが、ハロウィン風に彩られた人形やパンダの箸置きが可愛らしかった。
21時頃に店を出たのだが終電まで時間もあるということで、友達の提案で遅くまで営業しているカフェにいった。「ルッソカフェ」は1階はカフェ、2階はバーという営業形態だった。
店内で飲食したかったが常連さん達が談笑しており狭かったのでテラス席をいただいた。メニュー表に載っているコーヒーがお洒落なグラスで美味しそうに見えたのだが味は普通だった。
ただ一緒に頼んだアイスクリームはチャイとかに使われているようなスパイスが振りかけられており、濃厚なクリームの味と相まって美味しかった。
アイスクリームとコーヒーで1500円は高いなと思ったが、ファミレスやマクドナルドに比べると特別感のある店舗で、休日の記憶を彩ることができたと思えば安くも思えた。
都心部は身近過ぎて敢えて休日に行く機会は少なかったのだが、表参道近辺はあまり行かない場所ではあったし、改めて長い時間いると新鮮な気持ちになれて良かった。