和歌山旅行1日目「スパニョラ」「味一」「雑賀咲」「番所庭園」「スハネフ14-1」「南海和歌山 SKY SPA」「井出商店」
ゴールデンウィークを利用して和歌山に旅行に行ってきた。
前回の旅行で、あまりの居心地の悪さに二度と夜行バスには乗らないと誓ったが、やはり新幹線の値段を見ると「ウッ」となってしまい、行きだけは夜行バスに乗る事にした。
「スタンダードクラス」とは聞こえがいいが、充電コンセントすら付いていない一番階級の低いバスだった。
ダイソーで買ったアイマスクは耳栓とセットで110円の格安のものだが、案外、光が防げてバスにしては快眠することができた。
しかし背もたれが倒せないのは苦痛であり、やはり人間は背筋をピンとしながら寝るのは無理があるように感じた。
朝は8時半頃に大阪の梅田に着くと、朝食を摂るために「スパニョラ」という喫茶店に入った。
朝から多くの人が入っており人気の喫茶店である事がわかった。
他の人がモーニングメニューを頼む中、私は「モンブラントースト」というインスタ映え用のイロモノを注文した。
トーストのバニラアイス乗せが650円で、セットドリンクはないので別途で450円のブレンドを注文した。
朝から1000円越えの食事となり、旅行とは言え豪勢な出だしとなった。
提供されたトーストは見たこともないような外観で、モンブランに隠れているがバニラアイスも乗っていた。
美味しいのだが、とにかく重い食べ物だ。朝から食べるものでもないが、昼飯後の軽食といった感じでもなく、どのタイミングで食べるのが正しいのか想像もつかなかった。
店内ではお客さんが「このポイントカードって言えばもらえるん?それなら1枚ちょうだい」とマスターに話しかけていた。
東京の純喫茶のモーニングと言えば暗い顔をしたサラリーマンが誰とも話したくないという顔で俯いていることが多いので、朝から気さくにマスターに話しかける姿は関西人っぽいなと思った。
喫茶店を出ると電車に乗って和歌山市駅に向かった。移動時間は約1時間半。和歌山市駅に着いた。
和歌山は田舎だと勝手に思っていたのだが、和歌山市駅は大きく駅前も整備されて綺麗だ。
更にはお洒落な図書館が駅ビルに入っており、なんだか近代的な街だと思った。
行きたいとんかつ屋があったのだが、朝のモンブラントーストのせいで全然お腹が減っておらず、とんかつを食べたい気持ちになれなかった。
30分ほど意味もなく散歩していたらスパイダーマンを見つけた。
アメリカンな見た目とは裏腹に2階は明らかに日本人が住んでいると思われる一般住宅なのが面白かった。
散歩しても腹が減らないが、旅行先で食べたいものが食べられないのは悔しいので、諦めてとんかつ屋に入ることにした。
目的のとんかつ屋「味一」人気があり、私が行った時も数名が並んでいた。
注文したのは「ヘレカツ定食(950円)」。とんかつには珍しくデミグラスソースが元からかかっているのだが、洋食ライクで非常に美味しかった。
衣もサクサク、腹が減っていたら2〜3倍は美味しく感じただろう。
かなりのボリュームだったが完食できたのは美味しさ故だろう。無理してでも食べてよかった。
とんかつを食べ終わるとバスを使って雑賀崎(さいかざき)に向かった。
雑賀崎漁港周囲の丘陵部に家々が建ち並ぶ風景から、「日本のアマルフィ」とも呼ばれる景観を一度見てみたいと思っていた。
バスの最寄駅からも20分ぐらい歩いたところに港があった。
良い景色なんだろうなと思って街並みをスマホで撮ったが、正直、歩いていた時は日差しが強すぎて何がなんだかわからなかった。
写真を見返して、こんなところを歩いていたんだなと思った。
この漁師町は迷路のように入り組んだ階段で構成されており、Google Mapを見ても全く道がわからず、右往左往しながら、ようやく目的の灯台に着いた。
この「雑賀崎灯台」には本当に灯台以外のものはなく、売店と思われる店はシャッターが閉まっていた。
頂上では1組のカップルがずっと景色を眺めており、なんとなく気まずいなと思いながら1人で美しい景色をパシャパシャと何枚か撮った。
灯台を降りると近くにあった「番所庭園(ばんどころていえん)」という庭園があるらしく向かった。
行くまで知らなかったのだが水戸黄門のロケ地にも使われたらしい。
灯台は無料だったが、庭園は入場料に600円かかり、少し高いなと思ったがせっかくなので入ることにした。
入ってみて料金に納得した。芝生は綺麗に手入れされており鑑賞に堪えるものだった。
そこまで広い庭園ではないのだが至る所に展望スポットがあり絶景の海を眺めることができた。
また大量のベンチがあり至る所で感傷に浸ることができた。
海の近くまで降りられる場所があったが、足を踏み外したら転落しそうなロケーションで結構怖かった。
自動販売機も置かれていたので「CCレモン」を飲みながらダラダラとしていたら1時間ぐらい経っていた。
庭園を出ると「スハネフ14-1」という近くにあるカフェに入った。
電車の模型が走っている喫茶店と聞いていたのだが、この時は模型が置かれているだけで電車は走っていなかった。
バーのような店内で常連さんはママと談笑を楽しんでいた。
一見の私は窓際の席を取ると、海を眺めながらローピンジュースというミルクとフルーツのオリジナルジュースを飲んだ。
流石に番所庭園の景色と比べてしまうと絶景とは言い難いが、あまりないロケーションでの小休止を楽しめた。
店を出るとバスに乗って和歌山市駅に戻ろうと思ったのだが、乗り換えを間違えて和歌山駅方面に向かってしまった。
途中で気づき降りたが無駄に20分ほど歩いて和歌山市駅に戻るハメになった。
駅から徒歩0分のところにある「CANDEO HOTELS 南海和歌山 SKY SPA」に入ると、ここで体を洗うことにした。
こちらはホテルの日帰り入浴なのだが、私のような夜行バスを使い漫画喫茶に泊まるような人間には縁がない綺麗なロビーで受付をすることができてテンションが上がった。
スパ施設は狭いが、絶景の露天風呂とシンプルなサウナがあり必要十分だった。
特に男湯の露天風呂は和歌山の街が一望できる絶景だ。
田舎町の夜景は光が少なくて何がなんだかわからないことも多いのだが、和歌山は工場の光が綺麗で、どこか退廃的ながら美しい景色が広がっていた。
スパ施設は日帰り入浴者やサウナ目当ての客が多いのか、なんとなくロビーですれ違った人々に比べると、大変失礼な話だが民度の低そうな方々が入っていた。
そして私もホテルの人間にはそう思われていたのかもしれない。
証明暗めの落ち着いた雰囲気のスパ施設だが若い2人組が永遠と喋っていた。
旅行で行ったサウナの話、あそこのラーメンが美味しいという話、別れた女がメンヘラだった話…と永遠と話が続いた。
仲が良くても、ここまで話が続かないだろうというぐらい話しているので途中から面白くなってきてしまった。
多分に旅行好きの2人らしく、京都に住んでいると思われるが東京や神奈川の有名なサウナの話もしていた。
「浦安の舞浜ユーラシアのサウナが良かった」という話をしており、高額な料金で躊躇していたのだが、これをきっかけに行こうと思った。
また私がこれから行こうと思っていた「井出商店」というラーメン屋について、「あそこは悪くないけど…和歌山ラーメンでは一番微妙やで…」と話していて、おいおい、これから行くのに止めてくれよと思った。
スパ施設を出ると、知らない2人組の微妙な感想にも関わらず、私は「井出商店」に行くことにした。
和歌山市駅と和歌山駅は徒歩で40分ぐらいの距離があり「井出商店」は和歌山駅寄りにあるので電車で移動することにした。
先ほどはバスの乗り間違えで和歌山駅方面にいたのに我ながら非効率的な動きをしてしまった。
「井出商店」は歴史ある感じの古びた外観で屋台のラーメン屋を思わせた。
店内も質素。カウンター席に通されたので大盛中華そば(900円)に煮玉子(100円)をトッピングした。
煮玉子だけ別皿で提供されて後からラーメンが提供された。煮玉子はスープにコロッと投入した。
食べてみるとドロッとした粘度のあるスープだが、味はどちらかと言うと薄味でサッパリとした印象だった。
チェーン店の「天下一品」が薄味になったら、こんな印象だろうかと思った。
スパにいた2人組が「微妙だ」と言っていたのもわかる気がした。
あまり現代的なゴテゴテした味ではないので、昨今のラーメンを想像して食べると肩透かしかなと思った。
昔ながらの中華そばの延長にある歴史あるラーメンという印象で、お酒の締めで食べたら、より美味しいだろうなと感じた。
最後は和歌山市駅に戻って駅ビルに入っている漫画喫茶に泊まった。
鍵付き個室で快適だった。2日目に続く。