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長野2日目・長野駅「幸(ゆき)」滋野「蜂天国」小諸「草笛 小諸本店」「懐古園」「布引観音」「あぐりの湯こもろ」上田「こうや」
昨晩泊まった漫画喫茶を8時半頃に出た。
リクライニングシートは想像していたよりは眠れたような気もしたが、それでも自宅での快眠とは異なり寝ぼけ眼をこすりながら道を歩いた。
せっかく長野まで来ているのでモーニングを堪能しようと思い「幸(ゆき)」という純喫茶に入る事にした。
風情のある入口・階段・店内と純喫茶マニア歓喜の店だった。
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純喫茶と言えばコーヒーが売りの店が多いが、こちらの店は紅茶専門店という事で少し珍しく感じた。
モーニングは450円と経営が心配になるぐらいの安価だ。ただ、もしかしたら東京のモーニングが高すぎるのかもしれない。
昔からの常連さんに支えられているのかと思ったら「常連さんは階段を上る体力がない」とマスターが嘆いていた。
実際には観光でこられた方や海外の方、昭和レトロが好きな若い女性のお客さんが多いと言っていた。
提供されたモーニングはトーストと、画像には写っていないがゆで卵を提供された。
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シンプルかつ美味しい品だったし、ホットの紅茶も飲みやすくてモーニングを堪能できた。
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店を出ると電車に乗って滋野(しげの)駅に向かった。
長野駅はまだ都心部らしい雰囲気を漂わせていたが、こちらの滋野駅はローカルな無人駅で、駅舎だけでも都会者の私には新鮮に映った。
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この駅を降りたのは今回の目的の1つである「蜂天国」と呼ばれるB級スポットに行くためだ。
駅を降りて15分ほどの道のりを歩いた。道中に「蜂天国」の看板を見かける度にワクワクしてきた。
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そして着いた「蜂天国」で入館料を支払うと中に入った。
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蜂天国は「人と蜂が協力しあってできた芸術品600点余を展示」した場所だ。
そう聞くと高尚な場所のように思えるが、実際はとにかくあらゆるものに蜂の巣をくっつけてしまおうという突飛な発想の芸術が展示されていた。
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様々な展示があったがシュールの極みであった。ただ同じことを何年も続けることの凄みみたいなものは感じられた。
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人として生まれた以上、意味のないことを継続し自分なりの楽しみを見出すことこそが価値ある人生なのではないかと思わせてくれた。
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こんな場所なので誰もいないのではないかと思っていたが、家族連れからカップルまで案外色々なお客さんがいて驚いた。
11時頃に「蜂天国」を出ると滋野駅に戻り隣の小諸駅に移動した。
小諸駅と言えば「小諸そば」なんてチェーン店もあるほどの蕎麦が有名な場所だ。
「草笛」と呼ばれる有名店に並んで入った。
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長野駅の名店「ぼっち」は45分ぐらい待たされたが、こちらの店は大箱だからか割とすぐに順番が回ってきた。
そのかわり店内で料理が提供されるまでには20分ぐらい待たされた気がした。
注文したのは「くるみそば」と「かきあげ」、「くるみおはぎ」だ。
蕎麦には珍しく量が多く、かきあげも大きかった。
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甘いくるみの蕎麦ツユに浸けて食べるのだが個性的な味わいで美味しかった。
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蕎麦自体は凡庸だがツユが美味しいので箸が進んだ。
小難しいことを考えずに大量の麺類を食べたい人に向いていると思った。
くるみのおはぎも初めて食べたが、きなこのおはぎと味や食感が似ており甘くて美味しかった。
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この後は近くにあった城下町が見られる「懐古園」に入館料を払って中を見学した。
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特に城下町に興味があるわけではなかったのだが、あるアニメの聖地になっていたので興味があった。
展望台からの景色もよかったし自然も多くて癒された。
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また小さな動物園があったのでどんなものかと覗いてみたが、ほとんどが工事中でまともに見られたのはペンギンぐらいだった。
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少し「萌え」寄りの動物キャラクターも哀愁を漂わせていた。「けものフレンズ」の影響だろうか?
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近くの家族連れは「こんな状況なら受付で言ってくれてもいいのに」と愚痴をこぼしていた。
確かに子供を動物園に連れてきてペンギンしか見られなかったら不満が残るだろう。
また私は入らなかったが小さな遊園地もあり、漠然と「田舎の小さな遊園地っていいなぁ~」なんて思いながら園内を後にした。
この後は観光地にもなっている布引観音に行く予定だった。
事前の調べで交通機関がないことを知っていたのでタクシーか徒歩か迷っていた。とりあえず観光案内所で「何分ぐらいで歩けますか?」と相談してみた。
するとお盆の間だけ無料バスが運行しており、しかも今年からの試みとのことだった。
こんなラッキーに便乗しないわけにはいかないのでバスを待つと、それに乗って布引観音に向かった。タクシー代が浮いて助かった。
布引観音は山の上にあり、このために自宅から登山着で出てきた。
山の上と言っても15分ぐらいの短い距離なので普段着でも登れないことはないのだが、かなり急な山道だったので登山着で行ってよかったと胸を撫で下ろした。
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上の方に行くと景観もよく、断崖絶壁にある布引観音も見えてきた。
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お寺には伝説の物語の中で石にされてしまったおばあさんの像があり、少し怖く感じた。
賽銭を入れて拝むと、景色を見て、元来た道を引き返した。
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下山すると、そのまま徒歩で次の目的地であった「あぐりの湯」という銭湯施設に向かった。
歩いている道中の川の景色が素晴らしかった。
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「あぐりの湯」までは40分ほどの距離があり、坂道なのもあってかなり苦労した。
途中で「氷風穴(ひょうふうけつ)」と呼ばれるものを見つけて好奇心で行ってみた。
行くと管理人と思われる方がパンフレットを渡してくれて、ついでに氷風穴について案内してくれた。
なんでも自然が生み出した天然の冷蔵庫と言われており、古代より食糧の貯蔵庫として使われたりしてきたそうだ。
地中の隙間から風が出てくるとのことだったが、実際に氷風穴に入らせてもらうと気温が全然違い、温度計を見ると真夏なのに5度以下になっていた。
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画像では伝わりづらいが想像以上にすごい場所だった。そして頭を地上に出すだけで一気に温度が上がるのにも驚かされた。
氷風穴を楽しんでから数分歩くと今度こそ「あぐりの湯」に到着した。
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入り口では「鬼滅の刃」の「禰豆子(ねづこ)」が出迎えてくれた。
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こちらはロビーこそ広いが、入浴スペースはシンプルで3種類ぐらいの湯と、サウナ、露天風呂が用意されていた。
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正直、温泉の泉質はあまり好みではなかったしサウナもヌルめだったが露天風呂の景色は良かった。
露天風呂では蜂かアブかわからない生き物が飛んでおり、皆がパニックになっていたがツバメが咥えて持っていった。
地元の人はこういう虫を怖がらないものかと思ったが、都会の人のように悲鳴をあげていたのが面白かった。
銭湯施設を堪能すると歩いて駅まで戻る予定だったのだが周りは街灯1つない山中だ。
少し歩いてみたもののスマホの懐中電灯機能では足りないぐらいの真っ暗闇で、さすがに生命の危険を感じたのでタクシーを呼ぶことにした。
1800円ぐらいと思っていたよりリーズナブルに小諸駅に戻れたし、予定より早く戻れたので結果的にはよかった。
そして小諸駅から電車に乗って上田駅に向かった。上田が今日の寝床になる予定だった。
駅を降りると晩飯を食べるために「こうや」と呼ばれるラーメン屋に向かった。
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小さなラーメン屋なのだが家族連れや大学生と思われる若者グループ5人組が並んでおり、田舎ではラーメン屋にも集団で入るものかと新鮮に思えた。
東京ではカウンター席だけのラーメン屋に子連れの家族が入っていくのはあまり見ないし、そもそも池袋や新宿の歓楽街では子連れの家族自体を見かけない印象だった。
なんだかんだで30分ぐらい並んでようやく入店できた。
注文したのは背脂こってり系醤油の玉子ラーメンだ。
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こちらの店では昔懐かしの背脂ちゃっちゃ系のラーメンを提供していた。
食べてみると昨今のこってり系ラーメンに比べればだいぶサッパリした後味ではあるが、非常に美味しく、飲んだ後に食べたら悪魔的な美味しさだろうと思った。
深夜に食べられるラーメンの選択肢が限られているであろう上田で重宝されているのがわかった気がした。
そしてラーメン屋から20分ほど歩いて本日の寝床である「快活CLUB」という漫画喫茶に着いた。
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フラットシートの席が空いているとのことで、ようやく足を伸ばして寝られると思うと嬉しかった。
まだ時刻は22時ぐらいだったので、しばらく漫画を読んでから就寝した。次回、最終日です。