文化と伝統

最近、仕事でよく来る相談の一つにNISAってやつが増えてきてるんですよ。
人気ですよね、新NISA。
仕事の中であれの語源が気になり、調べてみたところ
Nippon Individual Savings Account
の略なんですよ。意味は日本の個人貯蓄口座。
はじめにニッポンってついてるから、まさかと思ってよく調べてみたらやっぱり海外の制度から持ってきてました。
上記についてはISAってのがイギリスにあるんですね。それの日本版ってことでNISA。
投資しろって制度に個人貯蓄口座って名前、なんか変だと思ったんですよね。
あとは確定拠出年金、401Kって言われる制度を会社でやってる方もいるかもしれません。
あれの発祥はアメリカ。内国歳入法(日本でいえば税法です)の401条K項をベースに作られてます。
これも401Kって名前に『ハァ?!』って思って調べてみたらの結果です。
名前の付け方安直すぎねーか!?と思った話でした。

で、前段が長くなってしまったが…今回のテーマは文化と伝統。
日本はこれを大切にしてる国だと思っているのだが、いざ考えてみると違いがどうも分からない。
そんな時にはWikipedia。
調べてみたところ、まあ長ったらしく書かれているが、概要を以下に。
・文化とは、人間が社会の構成員として獲得する多数の振る舞いの全体のことであると書かれている。
・伝統とは、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術などの様々な分野において、古くからの仕来り・様式・傾向、血筋、などの有形無形の系統を受け伝えることと書かれている。
こうして文章としてみると違うのは分かる。
書かれていることが違うから、意味が違うのだろう。
しかし固い言葉で言うとさっぱり分からない。

そこで私なりに解釈してみたのだが、文化とは幅、伝統は長さと言い換えることが出来るのではないか。
人間生活の幅=文化
文化が受け継がれていく時間の長さ=伝統
少しわかりやすくなった気がするが、まだ足りない。
もう一歩進めてみよう。
文化=人間の暮らしに係るカテゴリー、伝統=個別のカテゴリーの経過時間
と考えてみてはどうだろう。
つまり、文化はカテゴリーの集合体で、多ければ多いほど進んだ文化であると言える。
そして、そのカテゴリーを受け継いでいくことが伝統である。

…あれ、、最初の説明に戻った?と思うのは当然だ。
物事の理解というのはこうして形を変えて、視点を変えてみることで深まるのである。
しかし考えてみてほしい。はじめに読んだ説明は分かりづらかったはずだ。
しかし今は分かるようになったのではないか。
これが理解に至る思考のプロセスである。
冒頭に書いたNISAや401Kの話もそうだ。
ただワードを読んだだけでは分かりづらくても、調べることで知識が増える。
その中で思考し、推敲し出来上がったものが理解というものだ。
初めて観た映画が、二回目では違って見えてくるのも思考と理解の賜物だ。
情報を得て知識とし、思考して理解する。
このサイクルを続けていくと、物の見え方も変わってくる。

センスという言葉をよく聞くと思う。
かつて私は、これは理解の集合体だと考えていた。
確かに間違ってはいない。
しかし、それだけではまだ足りない。
ここに倫理を組み合わせることでセンスが完成するのだと私は考える。
理解の集合体から生まれたものに、倫理というフィルターをかけて選別することで良いセンスが完成する。
フィルターで排除されたものは悪いセンスだ。

最後に、生きてゆく中で、さまざまな選択を迫られることは多い。
その際に道標となるものは、自分のセンスである。
良いセンスを持ち、素晴らしい生き方をしてほしいと切に願う。

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