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心のスイッチを切るために「一人の時間」を意図的につくろう #4 ウチダメンタル
日本を代表するプロサッカー選手として、一時代を築いた内田篤人さん。引退後、初めて発表した本が『ウチダメンタル 心の幹を太くする術』です。本書では、重圧やケガと長年向き合ってきた内田さんがこれまで実践してきた「メンタル統制メソッド」を初公開。仕事や勉強、人間関係など、日常生活にも役立つこと間違いありません。ファンはもちろん、そうでない方もぜひご覧ください!
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メンタルがブレているときは……
スイッチを切る、という点で大事にしていたことを思い出した。
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つらいとき、というより日常的にやっていたこと。それが、一人の時間を作ることだった。
初めての著書、『僕は自分が見たことしか信じない』にも書いたけど、鹿島に所属してからの数年は、ストレスとの闘いだった。勝利を義務づけられたクラブ、伝統と歴史を持った尊敬されるチームのなかで、僕は明らかにへたくそだった。
でも、試合には出なきゃいけない。
そんなチームの11人に選ばれたことを誇りに思うべきだったんだろうけど、あのころはとにかく、負担だった。自分のキャパシティを超えていた。
何より、楽しいが第一でやってきたサッカーが、サポーター・クラブ・チームメイトに責任を持ち、「勝つ」ことが第一でやるサッカーに変わった。
ピッチで嘔吐したことは数えたらきりがないくらいあるし、涙が止まらないことだって何回もあった。
ひどいときは、屋上から飛び降りたら楽かもなー、って本当に思っていたから――これも著書に書いたけど、そのときは屋上のカギが閉まっていた――、今考えると、メンタルは「下」にブレまくっていたんだと思う。
絶対、それを人には見せたくなかったし、できるだけ隠そうと努力したけど。
長風呂はよくないと言うけれど
あのころから、やっていたことが「時間の使い方」のバランスをとることだった。
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一人の時間と、みんなと話す時間。
このあんばいが僕にとって大事だった。リハビリ中は、一人でいるのがしんどいことがあって、いろんな競技のアスリートとご飯を食べに行ったり、会話したりした。シャルケ時代も、麻也や長谷部さんの家に、車で何時間もかけて行ったこともある。ご飯食べて、寝て帰るだけ、とか(笑)。
ここだけ見ると、単なるさみしがり屋だけど、一方で「一人の時間」を作ることも忘れなかった。
具体的な「一人時間」のひとつは、邪魔されない「行きつけ」。鹿島でもドイツでも行きつけのお店、誰にも教えないお店を作ってはご飯を食べに通った。そういう時間では、いつだってサッカーやつらいことを忘れるように努めた。考え方としては、こんなイメージ。
「どうせ寝る前に、うだうだ悩むんだから、今は忘れておこう」
もうひとつはお風呂。1時間くらいずっとお風呂に入っている。「女子か!」って突っ込まれそうだけど、浴槽に浸かってずーっと漫画を読んだり、お笑いのDVDを見るのが好きだった。
ドイツは日本と違って追い焚き機能がない。日本ってすごいんだよね、そういうところ。だから、温かいお湯を足しながら入っていた。睡眠よりも大事にしていたかな。誰にも邪魔されない時間だ。
ちなみにアスリートにとって「長風呂」は良くないらしい。トレーナーに言われたことがあるんだけど、筋肉が緩みすぎてしまうんだって。僕は「そんなの関係ない!」「風呂の時間があることでストレスから解放される」と思って、続けてきたけれど、いい・悪いは、自分で評価してほしい。
もうひとつ付け足すと、ドイツのホテルには浴槽がないことがほとんどだ。遠征に行くと浴槽に浸かれない。でも、そういうときはこう考える。
「筋肉が緩まなくていいじゃん!」
これも変幻自在なウチダメンタル!
お風呂に浸かりながら、またはご飯を食べながら。
一人で、あえて悩みを忘れる「スイッチ」を入れること。
どうせあとで悩むんだけど、そうじゃない時間を意図的に作ってみると、意外と良かったりする。
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ウチダメンタル
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