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美しい心情に訴えかけた孔明への劉備の国譲りの遺言
こんにちは。どっしりリーダーシップ研究会の授業を担当してますこうめいです。
どっしり塾では、リーダーシップ研究会の一環として『人を動かす』の授業を開講しています。
今日はこのブログにもまとめた『人を動かす』第3章の『人を説得する12原則』の一つ事例を見つけたので話してみたいなと思います。
三国志好きには有名なあのシーンですよ。
こうめい「こんにちは。塾長のこうめいです」
相棒「ふふふ。今日もよろしくお願いします。相棒です」
こうめい「私は三国志が好きです」
相棒「ええ。滲み出てますね」
こうめい「そして、史記が好きです。水滸伝が好きです。さらには……」
相棒「いやいや、長くなるから正気に戻ってください」
こうめい「ゴホン!(照)ということで今日は三国志のあの場面をピックアップしてD・カーネギーの『人を動かす』の事例紹介をしたいと思います」
相棒「さぁ、こうめいさんのマニアック度が増す前に話に入りましょう」
こうめい「こんなおはなしです」
三国志の物語である三国志演義の主人公といえば、劉備と諸葛亮の二人です。諸葛亮という名前よりも、孔明という字(あざな※大人になってつける名前)の方が有名かと思いますが、今日は彼ら二人の話。
劉備がある戦争に敗れ、体調を崩し、そして自分の死期を悟ることになった時期の出来事です。彼は信頼できる部下を呼び、自分の死後の処理についていろいろと託していくことになりました。
そんな時に孔明に対しこんな遺言を残します。
君の才能は曹丕(魏の皇帝)に比べて10倍はある。必ず国を頼んだぞ。
その一方で、私の息子(劉禅)に才能がなかった場合は、君(孔明)が国のトップに立ち国をまとめてくれ
それを聞いた孔明は、生涯劉備の子供である劉禅を守ることを誓いそれを貫き通したわけです。
相棒「いい話ですね」
こうめい「私も若いころはそう思っていたんだけど、違う見方もできることに最近気が付いてね」
相棒「違う見方ですか?」
こうめい「それは、孔明の『美しい心に呼びかける』人心掌握術だったんじゃないかと思うんだよね」
相棒「え?計算ですか?」
こうめい「劉備はムシロ売りから身を起こして皇帝にまで上り詰めた男で、その一番の武器は人心掌握術にあったんだよね」
相棒「どういうことですか?」
こうめい「当時、自分の生まれ育った土地というのを大事にする時代だったにもかかわらず、いろんな地域の有力な人材をその地域から引きはがしてまで、各地を転々とできたのはそういう才能があるからだと思うんだ」
相棒「ちょっと難しくなってきました」
こうめい「ごめんごめん。ほかの人ではまとめきれなかったような人たちをまとめていた優秀なリーダーだったんだよね」
相棒「そうなんですね」
こうめい「でも、自分が死んだらその能力は発揮できなくなるよね?」
相棒「そうですね……」
こうめい「だから、自分の仲間たちが分裂しないように最後にまとめておく必要があったんじゃないかと私は思うのね」
相棒「うん。なるほど」
こうめい「そういう視点で、もう一度さっきの遺言を見ると『私は君を信頼しているよ。だけどそれでもうちの息子が能無しだったら、君が代わりにこの国を治めなさい』といっているのは、孔明の美しい心に呼びかけているのさ」
相棒「なんてですか?」
こうめい「『私はそこまで君を信じているんだから裏切らないでくれよ!!』てね」
相棒「いわれてみれば確かに……。」
こうめい「しかも孔明は劉備の養子の劉封を家督争いのもととして、処刑する方向にもっていった前例もあるので意外とやばい面があるんですよね」
相棒「うーん。じゃあ、もしかすると自分が皇帝になろうとかする可能性があった?」
こうめい「それはないと思うんですが、皇帝を劉備のほかの息子に変えようとかはしたかもしれないよね」
相棒「そこで、人を動かすの『美しい心に呼びかける』をやったわけですか」
こうめい「もちろんそんな裏表なしに、心からこの言葉が出たのかもしれないけど、そういう見方もできるんじゃないかなって思うときがあるんだ」
相棒「『君を私は全幅の信頼をしているよ』といわれたことで孔明は心打たれて、そのあとの人生が変わったかもなんですね」
こうめい「そういう見方も面白いんじゃないかな?」
ということで今日はここまでです。
リーダーシップ研究会ではこれからも、いろんな事例をもとに皆さんに知識を使えるようになってもらうことを目指して授業をやっていきます。
よかったらリアルタイムの授業にもお越しいただければ嬉しいです。
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