可愛い子には言語変化をさせよ|毎週ショートショートnote
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我が子には、最高の教育を。
そう願い、娘を名門インターナショナルスクールに送り込んだ。
今日は授業参観。といっても、オープンな学校なので日時は決まっておらず、保護者はいつおとずれてもよい。
手を挙げない子のほうが少数派だ。どうやら英語で学問名について学んでいるらしい。
私は胸をなで下ろす。「言語ルーレット」で週ごとに使用する言語を変える方針なのだ。中国語やフランス語なんかあたってみろ。ひとことも聞き取れない。
psychologyか。ふむ。
「サイコロ」ということは統計学だな。
「心理学だよ、パパ」
こっそり耳打ちしてくれるアミ、通称エイミー。外見だけでなく内面もうつくしく成長している。
archaeology?これは難問だ。
「あちゃーエロジジイ」だって?世界にはそんな最先端の学問が存在するのか。
「アーキオロジー。考古学ですよ、お父さん」
真顔の教師に訂正される。私も入学すべきかもしれない。
(おわり)
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