唐揚げアイドル歌会|毎週ショートショートnote
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はるかは目を剥いた。12月のスケジュールがありえない。
「アイドル歌会ー?こんのクソ忙しい年末に」
あやめもうなずく。
「ねー。歌番組いくつ入ってると思ってんの?」
「短歌とか作ったことねーし。プレバトみたことあるくらいだわ」
「はるか嬢。あれは俳句です」
「季語とか歳時記とか、わけわかめ」
「ギャグが昭和だな。現代短歌はわりと自由みたいだよー?しらんけど」
「詠んでみっか。五七五七七にすりゃあいいんでしょ」
「お題がありやす。『唐揚げ死なず』」
「アイドルだからテキトーでいんじゃね?感がヒドイな」
打ち上げの唐揚げカラリアゲアゲで
なんもきかずにレモンかけんな はるか
唐揚げにマヨは必須と断言し
中性脂肪やばジャーマネ氏 あやめ
好き勝手なんでも食べりゃあーなるわ
ぽちゃかわモデル男子は聞かぬ はるか
あうんの呼吸で予行演習に励むふたり。実は、瀕死寸前・空元気アイドル。
スカスカの予定に唯一入った歌会に、揚げ油並みの闘志を燃やしている。
(おわり)
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