【1】『本を読む本』で読書術を学ぶ。書評#望愛課題図書
はじめまして!大学3年生の望愛です。”のあ”と読みます。フリーライターをやっているオバラさんの元でライターアシスタントを始めてからというもの、見習いとして学びの日々を送っています。
あるきっかけがあって採用していただき、ライターアシスタントを始めて2か月。初仕事は、インタビューの文字起こしでした。文字起こしをするにあたって、自分の知識の無さを痛感しました。言葉の意味が分からず、何度も調べてやっと話の内容が少し分かる。文字起こしが言葉の勉強の場になりました。今まで知らなくても生きていけた言葉たちは、ライターの世界では必要でした。「もっと言葉を知らなければ何もできないかも」と、かなり焦りました。
ライターは言葉を扱う仕事です。当然、言葉を知らなければ文章を書くことができないし、言葉の意味が分からなければ当然話を完璧に理解することができないです。そのため、私は多ジャンルに渡って言葉の知識をつける必要がありました。
そこで、オバラさんにセレクトいただいた書籍を週に1冊読み、アウトプットをしていくことになりました。その書籍を今後「望愛課題図書」とすることにします。「望愛課題図書」を毎週読んで知識を増やしていきたいと思います。
今週の望愛課題図書は、『本を読む本』
『本を読む本」は、学術的なレベルで本を読む方法が解説されています。1940年代のアメリカで発売され、それ以来世界中で版を重ね続けている名著です。
これは、本を”読む”ことによって知識を得、理解を深め、優れた読書家になりたいと思う人のために書かれたものです。”これから本を読みたい私”にとって非常に学びのある本でした。
読書は積極的な行為である
読書は積極的な行為であり、技術が必要なもの。積極性と技術を身に付ければ、本を”良き師”として生涯に渡って学び続けることができます。
読むという行為には、積極性が欠かせません。そして、積極的な読み方であればあるほど、それは良い読み方なのです。読む行為を受け身の行為と捉える人は多いように思いますが、情報をしっかり受け取るには技術が必要です。読書で得られるあらゆる種類の情報をできるだけ巧みに捕らえる技術がなくてはならないのです。
いかにして書物を最良の師にするのか
この本は、読書をする際の技術をレベル別に4つ挙げています。読書レベルを高めるには、それぞれのレベルの違いを心得ていることが大切です。
初級読書
点検読書
分析読書
シントピカル読書
まず、「初級読書」は読書の最初のレベルです。これは読み書きの初歩であり、個々の言葉を識別し、その文が何を述べているのかを理解することが問題になります。この本の読者であれば初級読書の技術はもうとっくに習得済みかもしれませんが、このレベルの問題をなおざりにして読書することはできないのです。初級読書の原則に従ってまず単語を確認しなくてはなりません。個々の単語が識別できて初めて、意味をつかむ作業に入れるからです。
続いて「点検読書」は、読書の第二のレベルです。限られた時間内に書物の表面を点検し、その限りで分かることを全て学ぶ。この技術の値打ちには、多くの人が気づいていませんが、点検読書を切り離して行うことで、次のレベルの分析読書が楽になります。具体的な方法としては、2つあります。
組織的な拾い読み、または下読みをすること
ここでは、今手にしている本をわずかな時間で品定めをし、本当に読む必要があるのかを調べます。まず、表題や序文をみてほんの主題を把握します。続いて、本の構造を知るために目次と索引を調べてみます。そして、カバーに書いてあるうたい文句を読み、本の論点を掴みます。最後に、その本の議題の要と思われるいくつかの章をよく見て、合わせてところどころ拾い読みをしてみます。
2.表面読みをすること
ここでは、難解な本を読んだために「徒労に終わっただけで、こんな本を読もうとしたのが間違いだった」という絶望を防ぐために、本に正しく近づくための方法を紹介します。それは、理解できることだけを心にとめて難解な部分を飛ばして読み続けることです。最初の通読で半分しか分からなくても、再読すればもっと分かるようになるに違いありません。
さて、ここでやっと「分析読書」に入ります。これはいわゆる精読・熟読です。分析読書は次の3つの段階からなります。
何についての本かを見極める
本の内容を理解する
本を批評する
それぞれにコツがあり、第一段階ではほんの内容を短い文章に要約してみることが重要です。第二段階では、まず著者のキーワードとメインの主張をどのように論証しているかを掴み、最後にそれが成功しているか失敗しているかを判断します。第三段階では、賛成か反対か判断保留であるかを表明します。規範だけでなく、賛成や判断保留も批評であることに注意します。
最後に、「シントピカル読書」をします。これは、テーマを決めて、そのテーマを掘り下げるために二冊以上の本を同時に読みます。分析読書には3つの段階がありましたが、シントピカル読書では5つの段階に増えます。
テーマに関連する箇所を見つける
それぞれの著者に、読者が設定した唯一の言葉遣いで語らせる
著者に投げかける質問を明確にする
それぞれの著者のあいだにある論点を整理する
テーマについての著者の考えを批評する
第一段階では、点検読書のスキルが必要になります。自分が設定したテーマに関連してそうな箇所を点検読書で突き詰めます。第二段階は、シントピカル読書最大の難関であって、この本で最もハードルの高い部分です。それぞれの著者の考えを同一の言葉に翻訳するのです。それらを考慮し、著者間の言葉遣いが整合性を持つように調整するわけです。第三段階移行では、著者の考えを比較検討していきます。
実践あるのみ!
この本には、上記の本を読む技術の他にも、意欲的な読者になるためのポイントが書かれています。その中でも実践したいと思ったものは、”本に書きこみをする”ことです。今まで受動的な読書をしていたであろう私にとって、本へ書きこみながら、本から得た情報を言語化することがいかに重要であるかに気づかされました。本を読む方法として学んだ技術に合わせて、本に問いかけ、理解したことを言語化しながら進んでいく習慣がつけば、私にとって「大成長」と言えるのではないかと確信しました。
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